『さよなら、いもうと。』の感想

さよなら、いもうと。 (富士見ミステリー文庫)

さよなら、いもうと。 (富士見ミステリー文庫)

事故で死んだはずが不思議な力で生き返ってきた妹と
その兄との物語を描いたライトノベル

妹について

名前はトココ。皆からはトコと呼ばれている。
一人称は「私」
兄の呼称は「お兄ちゃん」
年齢は兄の三つ下で中学二年生だが、
以前より身体がちっちゃくなってしまっていて、小学四年生並の体型に。


交通事故で一度死んだはずが、なぜか生き返って兄の元に帰ってくる。
生前から兄の事が密かに好きで、本気で結婚したいと願っていた。
以前はそうでもなかったが、生き返った後は積極的に兄に甘えてくるように。
性格も子供っぽく無邪気になっている。

「だったら、なでなでして欲しい」
「いいんだよ。私、お兄ちゃんと結婚できるなら他に何もいらないって、
そう思ってたし、今も思ってるから」
「わかってるよ。私はお兄ちゃんの味方だよ。いつでも、どこでも」

兄について

高校二年生。
母と妹のトコとの三人暮らし。
父は健在だが、兄が小さい頃に母と離婚して家を出て行っている。


性格は癖の無い普通の常識人。
妹が死んでとても悲しんでいたが、いきなり生き返ってきたうえ、
自分を本気で好きだという事まで知ってしまい、戸惑っている。


トコの事は妹として普通に好きで、恋愛感情はない。
幼い頃に両親が離婚した経験がある為、家族を大事にする気持ちが強い。
なかなかの良兄。

感想

最初に結論を言うと良作な「兄妹」モノ
この作者は兄妹というのものを実によくわかってると思いました。
妹が死んでいるという事で暗い話を想像してましたが、
それほど暗い雰囲気も無く意外に明るかったですね。


特に面白いのが母のシズエ。
かなりの変わり者で、トコが兄と結婚したいという事を知っても
普通に問題ないと認めてしまい、逆に兄に結婚してあげなさいと勧める。
けど、決して常識が無いわけでも、適当な事を言ってるわけでもない。
なかなか意味深なキャラでした。


もう一人テツマルという男友達がいるんですが、
こいつもかなり味のあるキャラです。
脇役ではこの二人がお気に入りでした。


妹のトコですが、とても可愛い妹ですね。
一見子供っぽいんですが、実際は結構考え方が大人な面もあって、
単なる無邪気キャラではないところが気に入りました。


トコとの出来事は、お風呂場で鉢合わせ、抱きしめる、肩車、一緒に寝る、
一緒に出かける、小さい頃の思い出と妹モノの基本は一通り押さえてます。
特に気に入ったシーンが、外食の時に食べてるものを交換するところ
こういう行為はとても兄妹らしいです。まあ、普通「あーん」まではしないですけど。


そしてラストのシーンですが、
二人が最後に出した答えが心に残りますね。


妹>お嫁さん


兄妹での恋愛を期待する人には物足りないかもしれませんが、
僕は兄妹の強い絆を感じる、いい結末だと思いました。