『で・こ・つ・ん★』の感想

作品情報

お兄ちゃん、
あたし――がんばる、よ?


「て、転校するの、寂しいですぅ」
ふにゃっと顔を歪めた心愛が、ぽろぽろと涙を流し始めた。
神触人としての才能を認められ、全寮制の『泉命女学園』へ編入が許された真心の妹・心愛。泣き虫だが、「でこつん」すると最高の笑顔を見せてくれるかわいい妹を守るため、真心は神触人のパートナー・神衣人になりすまし、心愛に内緒で女学園へ潜入することにした……のだが!
「ごめんなさい。ここは神触人専用のお風呂だから。残念だと思うけど、コレを見て我慢してちょうだい」
寮には真心を愛する姉の紅愛もいて、眩しい裸体をさらしてきたり!?
野島けんじが贈る、女神召喚〝でこつん〟ラブコメディ!

上記はAmazonの内容紹介より転載。
ライトノベルで、現在3巻まで刊行中。

ちなみに「でこつん」というのは額同士を合わせることです。
僕はてっきり指先でおでこを突っつくことかと思ってました。(『NARUTO-ナルト-』でイタチがサスケにやってたようなやつ)

妹について

主人公の妹。
名前は心愛(ここあ)。
一人称は「あたし」
兄の呼称は「お兄ちゃん」
年齢は兄の2つ下の14歳。

普通の中学二年生だったが、神触人(イノセント)の試験に合格し、泉命女学園に転校する事になる。
かなりのブラコンでお兄ちゃん大好き。
暴力が嫌いな優しい性格で純粋無垢、ちょっと泣き虫。
自分が兄に依存しているという自覚はあり、兄の力を借りず一人前になろうと頑張っている。
兄が自分の神衣人として傍にいる事には気づいていない。

「ダメなのっ! ケンカはダメっ!」


「そう? ふふ、お兄ちゃん、あたしのこと心配?」


「妹はっ、どんなときだってっ! お兄ちゃんのことが大好きなんですっ!」

兄について

高校1年生の16歳。
家族構成は両親に姉の紅愛(くれあ)、妹の心愛の5人家族。

妹を異常に溺愛しているシスコンだが、それ以外は常識人。
ボクシングをやっていて、インターハイに出場出来るほどの実力者。
訳あって心愛の神衣人として泉命女学園に潜入することになった。

心愛のことは、兄として非常に大事にして可愛がっている。

感想

兄がいいですね。
シスコン兄というと他人の目を気にせず妹を溺愛しすぎて周りに退かれたり、妹のためならと無茶なことをして周りの人間に迷惑をかけたりしがちですが、この兄はちゃんと節度を持っていて、人前ではなるべく自分を抑え、過保護になり過ぎない程度に妹の成長を見守っているのが好感を持てます。
妹の心を察するのも上手く、フォローもほぼ完璧。
これほど優秀な兄はなかなかいません。

心愛については妹として普通というか、優秀な姉や兄に比べるとあまり魅力を感じません。
十分可愛いですし、泣き虫ながらも立派な神触人になろうと頑張る姿は健気ですが、どうにも良い子過ぎて面白みがないですね。

兄妹の関係としても「兄が妹の成長を見守る」という感じで恋愛要素は薄いです。
心愛の兄に対する感情も兄妹愛以上かどうかは微妙。
今のところ兄は他の女性キャラとこれといったフラグを立てることもなく、あくまで妹一筋ですが、今後はどうなることやら。

ちなみに弟大好きなブラコン姉の紅愛の存在もあるので、姉弟モノの要素もあります。
まあ、姉は妹大好きな弟には全然相手にされてませんが。

最後に、これはおまけですが女学園潜入モノとあってサービスシーンがやけに多いです。
女の子の着替えシーンとかシャワーシーンに出くわしたりなどが頻繁に起こります。
挿絵もそういうのが中心。
エロゲよりもこういう一般のエロの方にエロさを感じてしまうのはなぜだろう?

まとめ

実妹モノというよりは兄妹モノと言った方が近いですね。
話的にも兄妹(姉を含む)の成長物語がメインという感じです。
今のところはそれなりの出来で、面白くなるかどうかは今後の展開次第といったところ。

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