『電撃G'sマガジンキャラクターコレクション シスター・プリンセス 〜お兄ちゃん大好き♥〜 10.春歌』の感想

作品解説

シスター・プリンセス』の原作者である公野櫻子先生による描き下ろし小説。
全12巻からなる『キャラクターコレクション』のうちの1冊で、春歌視点の独白形式によるエピソードが7編掲載されています。

春歌について

名前 推定年齢 一人称 兄呼称
春歌 14~16歳 ワタクシ、ハルカ(幼少時) 兄君(あにぎみ)さま
身長 誕生日 星座 CV
156cm 5月16日 牡牛座 かかずゆみ

兄にお仕えするためにはるばるドイツからやってきた、大和撫子な妹。
お茶、お花、踊りだけでなく、長刀、弓道などの武道も嗜み、兄を危険からお守り出来る女性になろうと日々努力している。
兄とのことを妄想し、ポッ♡と恥じらう癖あり。

1 お手柔らかに

春歌の自己紹介とたまたま見かけた痴漢を退治するお話。

普通に痴漢を退治出来るのだから、春歌は強いですね。
痴漢を退治するところを兄に見られて、乱暴者と思われたのではないかと気にする恥じらいも良いです。

2 鬼退治ですわっ!

意地悪な麹町さん(イカツイ大学生男子)と勝負するお話。

麹町さんは普通に嫌な奴ですね。
それを正々堂々と負かす春歌は格好良いです。(付き合わされた兄は災難でしたが……)

3 むらさきの君

源氏物語絵巻』を読みながら兄を想う休日を過ごす春歌のお話。

それはまったくの偶然、通りがかりの出来事なのですけれど、その時にまだあどけないワタクシを見初めてしまった兄君さまは……ワタクシの素性を探し、その後もずっとずっとあきらめずにワタクシを想って……ある日、ついにその思いを抑えることができずに、ワタクシをさらっていってくれるのよ……。あんまり年が離れているから、まわりはみんな本気にとりはしないのですけれど、ワタクシ達の想いは本物で……兄君さまの家に引き取られて、そうして何年も過ごすうちに……年頃になったワタクシを見てガマンできなくなった兄君さまはついに……きゃあああっ♡ ポ……ポポポポッ♡

兄と自分を源氏と紫の上に例えて妄想する春歌。
僕には源氏物語のこのくだりは何度読んでもロリコンが幼女を誘拐して手篭めにする話」にしか見えないんですが……。

源氏が紫の上に手を出すくだりをちゃんと理解しているということは、春歌は一応この手の知識があると思っていいんですかね?
さすがに、そっちの知識や技術までは教わってないと思いますが……。

一緒に住むのは、きっと本当に……結ばれて初めて――きゃっ、言っちゃいました……ポッ♡ ――、でも遅くはないんですもの……ポッ♡
だからきっと、紫の上さまみたいに、控えめに出しゃばらず、カシコク、殿方をお守りする姿勢で兄君さまにお仕えしていれば、いつか必ず兄君さまも振り向いてくれて、ワタクシに「私の比翼の鳥、連理の枝……もう2度と離さないよ」って……想いを告白してぎゅううっとワタクシを抱きしめてくださる日がきっと来るはずですわっ!

春歌も白雪並みに妄想たくましいですね。
春歌も白雪と同じく、兄妹で結ばれることに疑問や罪悪感はまったく持っていない様子。
昔の日本はわりとその辺大らかでしたからねぇ……そもそも日本は兄妹が結ばれて国が出来たという神話があるような国ですし。

ワタクシ……思うのですけれど、兄君さまは……ワタクシのこと……ちゃんと、妹して認めてくださっているのかしら? 今のところ兄君さまは……ワタクシにはお優しいばかりで……あっ……でもそんなところがとってもステキ♡ なのですけれど、でも……あんまりその気配がないとワタクシ……やっぱりちょっぴり不安になって……しまいますわ。


兄君さまは本当に……ワタクシのことを妹として……将来の契りを結ぶ妹として……認めてくださっているのかしらって……。

ズレているように見えても、白雪よりは大人なだけあって、一応将来について不安には思っている様子。

4 若草色のドレス

ドイツに住んでいた頃のお祖母様と舞踏会についての思い出話。

遠く日本に、ワタクシのたった1人の兄君さまがいらっしゃること、今は離れ離れになっているけれど、2人は切っても切れない絆で結ばれていること、そしていつか必ず兄君さまに……会わせてあげようと思っていること……。
そのお話を聞いた時、ワタクシ……なんだか胸の奥がとっても熱くなったのを覚えています……。そしてそれからは、毎日お祖母様に兄君さまのお話をおねだりしては、まだ見ぬ兄君さまのお姿をあれこれと想像して、「兄君さまはハルカに似てますか?」とか「兄君さまはハルカのことだっこしてくれる?」なんて……質問をしてはお祖母様を困らせて……兄君さまへの想いをつのらせていました……。

遠く離れた兄を想う春歌。いじらしいですね。
子供のころの一人称はハルカだった模様。

舞踏会では男の子にダンスに誘われるのですが、強引な男の子に嫌気が差して、ハッキリ断る春歌。
そして、お祖母様に考えていたヒミツを告白します。

「あの……お祖母さま、ハルカ、……初めてのダンスは兄君さまとって……決めてます♡ だって日本では……行く末を契ったお相手がいるのに、他の人と手を取り合ったりしたらイケナイのでしょう? ……ハルカの手を取っていただくのは背の君の兄君さまだけ……。ハルカ、ウワキモノではありませんものっ! いつか必ず日本に帰って……その暁には必ず兄君さまと……ポッ♡」

大和撫子らしく貞操観念が強いですね。

5 湯気の向こうに

日本に来て初めての“お兄ちゃんの日”に、兄と初めてのデートをするお話。

春歌は兄と一緒に温泉に入りたいと言い出すのですが、残念ながら男女別の温泉だったので、別々に入ることに。

「絶対にまた来ましょうね、兄君さま……でも……今度はワタクシ、やっぱり絶対に一緒のお風呂に入りたいです……ポッ♡」

別に邪な気持ちがあるわけではなく、純粋に兄と一緒に入りたいだけのようです。

6 揺れる想いを短冊に……

リピュアの春歌のキャラクターズパートの元になったお話。

原作では、待ち合わせではなく、春歌が兄を迎えに言っていたり、雨は降ってなかったりと細かい差異はありますが、アニメは上手くアレンジしてるなと思いました。
原作のアニメ化のお手本にしたいぐらい、春歌のキャラクターズパートの出来は良かったですからね。
あれは、本当に素晴らしい出来だったので、未見の人は絶対見るべき!!

7 お灸をすえてさしあげます♡

前回の続き。
お祭りに寄って帰りが遅くなってしまったため、兄が春歌の家にお泊りをすることに。

ウフフッ♡ それなら……ワタクシ、お背中流して差し上げなくっちゃ! 兄君さまはきっと、いつもみたいに、1人でできるよっておっしゃって、またワタクシを閉め出そうとなさるでしょうけれど、ワタクシ、今日こそは! ぜーったいに、兄君さまのお背中をお流ししてみせますわっ! んもう、兄君さまったら……ワタクシは兄君さまの妹なんですから、そんなに恥ずかしがることなんかちっともナイのに……。ワタクシ、兄君さまさえよろしかったら、兄君さまの大切なお体……隅々までしっかり洗って……ポポポポポッ♡

実際に兄の背中を流すことが出来たのかは、ボカしてあって不明。

2つ並べてひいてある夜具の頭には、こちらもおそろいの……高枕が2つ♡ ウフフッ……ちょっぴり近くに寄せすぎちゃったかしら? ……ポッ♡ でも……今日は七夕ですもの、いいですわよ……ね、兄君さま……?


でもお部屋の様子をご覧になった兄君さまは、ものすごく驚いた顔をなさって……。


「い、一緒の部屋に寝るの!?」


「申し訳ありません、兄君さま……。今日はせっかく七夕ですから、お庭に面したお部屋をと思ったのですけれど、まだ夏には早いので、蚊帳を吊るせるお部屋がここしかありませんでしたの。それに、ワタクシ……やっぱり兄君さまとご一緒に……七夕の星を見たいですわっ……ポッ♡」

困惑する兄をよそに、グイグイ行く春歌。

兄君さまったら……またお照れになってるのかしら? ワタクシ達……行く末を契った兄妹なのですから、そんなご心配はご無用なんですのに……ウフフッ♡

兄の春歌に対する態度を見る限り、行く末を契ったなんて事実はなさそうで、春歌が勝手にそう思い込んでいるだけのように見えますが……。

「あ、でも安心なさって♡ ワタクシ……疲れを取って気持ちをリラックスさせるのにいい方法を知っています。ウフフッ♡ さぁ……兄君さま、浴衣をお脱ぎになって、そこのお蒲団に横になってくださいな♡」


でも、兄君さまったら、そうしたらもっと真っ赤なお顔になって……。
「ぬ、脱いで……横にぃ!?」ってお叫びに……。

この兄の様子から察するに、きっとエッチな事を想像したに違いない。兄だって年頃の男の子ですものね。

そしてワタクシ、まだためらっている兄君さまの帯を取り、浴衣の前をぱっとはだけさせると、お蒲団にうつぶせにお倒しして……。そしてそのまま、兄君さまの上に馬乗りになると、もぐさを乗せてしまいましたのよ……うふふっ♡

お灸をされることをためらっている兄を強引に押し倒し、お灸をすえる春歌。
強い(笑)

初めは恐怖の叫びをあげていた兄君さまでしたけれど、やっぱり途中からはだんだんお灸が効き始めたみたいで……、それとお灸がそんなに熱いものでもないことがわかっていらっしゃると、段々に身体の緊張が取れて、リラックスなさってくるのが、兄君さまの背中から、ワタクシに伝わってきました……。

一見なごやかな描写ですが、この後の兄の様子を見る限り、恐怖で気絶しただけのようにも見えるんですよね……だとするとこの後、一人で色々兄に話しかけたりする春歌の姿は非常にサイコで怖いのですが……。

まとめ

春歌はさすがシスプリの妹だけあって、咲耶や千影に負けず劣らずガチで兄のことを想っています。
ちょっと強引でズレてるところもありますが、兄のためを想っての行為と思えば可愛く見えてきますね。

あと、この本の春歌の挿絵はどれも可愛いので、そちらも必見。
春歌はアニメだけでなく、原作もレベル高いです。
咲耶に次いで、二番目にお気に入りの一冊。