『お兄ちゃんと兄様、好き好き大好き好き好き』の感想

作品情報

華琳「兄様、浮気は切腹介錯です!」 彩夏「私たちの方がラブラブだもん!」 ますますヤンデレな彩夏たちの前に現れたのは、 名刀“愛兄丸”を抱くサムライ妹・華琳とその兄様! 対抗心が芽生えた妹sに搾られ兄は絶命寸前!? 強精薬☆ 奉仕競争☆ Wデキ婚☆ 今日も、バカップル村は元気です!

上記はAmazonの内容紹介より転載。
18禁のエロラノベです。
全1巻。

『お兄ちゃんのこと、好き好き大好き好き好き』の続編。
前作の奥城兄妹も登場します。

文体は兄視点の三人称が中心ですが、妹視点も有り。
前作の奥城兄妹視点もあります。

妹について


主人公の妹。
名前は如月 華琳(きさらぎ かりん)。
兄の1つ下の中学3年生。

黒髪(イラストでは紫に見えますが)ポニーテールで巨乳。
全国でも指折りの腕前を持つ剣術家。
剣術の達人である父から譲り受けた『愛兄丸』を常に帯刀している。

一人称は「私」
兄呼称は「兄様」

兄の事が大好きすぎるヤンデレ妹。
小学生の頃のとある事件がきっかけで、兄を守ると固く誓っていて、兄に近づく女性には容赦ない。
何かあるとすぐに切腹して謝ろうとするので、「腹切り華琳」という異名を持っている。
兄のことになると、興奮してすぐに鼻血を出す癖がある。

実の妹や血の繋がったという表現はないですが、義理を匂わせる描写もないので実妹と考えて良いと思います。

兄について

主人公。
名前は如月 剛士(きさらぎ たけし? つよし? ふりがなが無いので不明)。
高校1年生。

妹と違い病弱で、剣術の腕前はからっきし。
家族構成は両親と妹の4人家族。
父親は海外移転した道場に行っていて不在で、母親と兄妹の三人暮らしだったが、駆け落ちして兄妹二人暮らしになる。

兄としてはかなりヘタレ。
成長した華琳を妹なのに意識してしまい、困っている。

感想

兄の高校入学により、別々の学校に通うことになってしまった華琳が、このままでは兄を守れないと思いつめた末に駆け落ちを決行。
兄妹二人で、前作の舞台である奥嶺淵村に行くことに。

そこで前作の奥城兄妹と出会い、妹たちは意気投合したり反発したりしながら、兄の子供を妊娠するためにHに励むというのが話の大筋。
時間軸は前作で奥城兄妹が付き合い始めた頃で、奥城兄妹のHシーンも有り。

前作に比べると明らかにパワーダウンしていて、手抜き感があります。
キャラ同士の会話の流れやテンポ、テンションなどが明らかにおかしく、作者や編集はロクに推敲もせずにそのまま通したんじゃないかというぐらい酷い。
兄妹の過去話、Hや妊娠、結婚に至る過程なども、前作に比べるとかなり雑。

妹の華琳のキャラも、彩花に比べるとヤンデレ度は数段落ちるレベルですし、兄も状況に流されるばかりで情けなく、魅力が感じられません。

前作もややご都合主義な部分がありましたが、今作は輪をかけて酷いです。
面倒なことは、なんでも周りがお膳立てしてくれるので、兄妹はそれに乗っかるだけ。
両親もかなり適当な性格で、兄妹の関係についても特に反対はせず、むしろ推奨するぐらい。あれよあれよという間に、妊娠、結婚まで行って、新居まで用意してくれるので、余韻もへったくれもありません。

まとめ

一言で言えば、蛇足。
「これ、本当に同じ人が書いたのか?」と思うぐらい酷い内容です。
「作者は前作で完結させたつもりだったのに、評判が良かったからということで、編集の人が作者に無理矢理続きを書かせたんじゃないか?」穿った見方をしたくなるぐらい、読んでてやる気が感じられませんでした。

前作が気に入った人は、間違いなく読まない方が良いです。悪いことは言いませんので、この作品に関しては無かったことにするのが賢明です。