星央 遙 『ガチ乙女クインテット』(しっかり者系・毒舌、掴み所がない)

作品情報

タイトル:ガチ乙女クインテット
ブランド:teamit's みんと(現在はあかべぇそふとすりぃに統合) 作品ページ
ジャンル:謳われ者遭遇ADV
発売日:2009年4月30日
販売価格:8,800円(税別)

あらすじ

公式サイトのストーリー参照。

妹について

名前 年齢
星央 遙 (ほしお はるか) 兄の1つ下、高校○1年生
一人称 兄呼称
私、ハル(幼少時) 兄様(あにさま)、おにいちゃん(幼少時)
身長 体重 スリーサイズ
不明 不明 不明
CV 原画 シナリオ
金松由花 神藤みけこ 坂上メル
備考
特になし

主人公の妹。
五芒(イツノギ)学園の1年生。
ゲーム開始後しばらくしてから、主人公の後を追って島にやってきます。

性格は礼儀正しくて、控え目。
兄に対してはブラコン妹のように甘えたりはせず、適度な距離感を保ってます。(……というかむしろ毒舌なツッコミで、周りと一緒に兄を虐めることが多い)

「何ですかその気持ち悪い喋り方! 僕ってなんですか!? 兄(あに)様らしくありません!」


「はい。本当にダメダメな兄(あに)様です」


「兄(あに)様が妹に優しくないです……」

兄について

主人公。
五芒(イツノギ)学園の2年生。

家族構成は父と妹の遥の3人家族で、母親は兄妹が小さい頃に亡くなっている。

ゲーム開始時では、とある理由で猫を被っていますが、基本的にはよくある二枚目半のエロゲ主人公です。ただ、本当のバカというわけではなく、人の気持ちを察することができ、気が利いて勉強や料理もできるという器用なタイプなのに、みんなの前(妹を含む)ではわざとバカな振る舞いをしているのが特徴。やや厨二が入っていて、性格、言動、キャラデザに癖がある主人公なので、人によっては受け付けないかもしれません。

妹の遥に対しては、兄として普通に接しているように見えますが……。

シナリオ

共通シナリオは各キャラのやり取りや不登校のエリセルを学園に連れてくる展開など、かなり面白いです。妹も普通に話に関わってきますが、アニメキャラのコスプレ衣装に着替える以外はこれといった萌えイベントもなく、影は薄め。

共通シナリオが終わった後は各キャラを選んで個別にシナリオ進行。
遙シナリオは伊織というヒロインのシナリオからの派生なのでやや短めです。

(ここからネタバレあります。未プレイの方はお気をつけ下さい)




シナリオ内容は、兄妹恋愛の禁忌に悩み葛藤するというもの。他のシナリオでは優秀な兄が、妹シナリオではかなりウジウジしていて、全体的に話が重いです。
妹に欲情してしまう兄の罪悪感や二人の過去の描写、お互いを好きになった理由などは上手く描けていたとは思いますが、個人的には兄妹に感情移入できなかったせいで、読んでてあまり面白くはなかったです。

結局ウダウダと悩んだ挙句、我慢できずに妹に告白して上手くいくんですが、既に妹視点で妹の気持ちはプレイヤーに伝わっていて結果がわかっているので、読んでて盛り上がりに欠けます。更に肝心の告白シーンの兄の台詞が、こんなので萎え萎え……。

「お前のことが、好きなんだ。妹じゃなく、一人の女として……お前のことを愛してるんだ」
「俺は、お前のことを、心の開ける仲の良い妹じゃなく、心の開ける、愛すべき女として、見るようになっていった」

(上記の台詞の何が萎えるのかわからない人は、実妹に関して勉強不足です。実妹スレを半年ROMるか、うちのブログを隅々まで読んでください)

二人が気持ちを確かめ合った後は仲間に別れを告げ、島を出て父親に二人の関係を報告に行くのですが、島を出た後の描写はかなりおざなりで、あっさり終わってしまいます。二人の関係を仲間が問い詰めるなんて展開もありません。
ここは物足りなかったですね。あれだけ悩んだんですから、もう少し結ばれた後の二人の苦労や障害などを描いて欲しかったです。

ラストは二人の結婚式ですが、ここはかなり爽やかに終わります。重い話が続いただけに救われた気分になりますね。全体的に微妙なシナリオでしたが、エピローグだけはいい出来だったと思います。

ちなみに告白せず普通の兄妹としてやっていくというEDもあります。実妹モノが苦手という人のための救済措置でしょうか?





(ネタバレここまで)

親バレ、周りバレ

ネタバレなので隠します。構わない人は反転して読んでください。
シナリオの欄でも書きましたが父親に報告はあり。この父親の反応が「そうか」の一言だけでおとがめなし。何を考えてるのか全然分かりません。周りの人間も、誰一人反対はしません。せっかく重い展開にしたんだから、修羅場の一つでも見たかったのに……エリセルが良い子すぎる。

葛藤、背徳描写

かなりあります。
主人公は妹への気持ちにかなり悩みますし、何とかこの気持ちを捨てようとあがきます。ただ、どうもその苦しさが伝わってこなくて、兄とシンクロできません。なんかこう、格好つけてるというか悩む自分に酔ってるというか……。いつまでも同じことで悩み続ける主人公に「どうせ両想いなんだろ。悩んでないでサッサと告白しろ!」と思いました。

妹側からの描写もありますが、感想は兄と同じ。似たもの兄妹ですね。普段ならこういった要素はプラス評価になるんですが……。

まとめ

妹の萌え描写が圧倒的に足りません。
遥のキャラは、毒舌以外これといった特徴がなく、日常イベントでは他のキャラの影に埋もれがち。恋人同士になってからイチャイチャするようなイベントもほとんど無いため、まったくと言っていいほど、妹に魅力を感じられません。
実妹キャラ好きの僕が、妹でもないエリセルの方を可愛く感じてしまうってよっぽどのことですよ……せめて黒髪時代の遥のCGがあれば……。

シナリオの方は至る所にある伏線が効いていて、キレイにまとまってはいるのですが、ただそれだけって感じで印象に残るイベントがほとんどありません。ついでに言うと、キャラデザやCGの質も微妙で、声優さんの演技もイマイチ。
何とも褒めどころに困る作品でした。

妹が可愛くないのは実妹ゲームとして致命的
お気に入り度(10点満点) 6

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