作品情報
ヤバイ。桐乃ヤバイ。俺の妹マジヤバイ。まず偉そう。もう傲岸不遜なんてもんじゃない。超居丈高。「オマエ何様」って妹にきくと、「チッ」って舌打ちするだけじゃなく、その後腕組んで「うざい」って睨みかえしてくる。スゲェ!なんか遠慮とか無いの。妹なんだから兄貴のことを敬って、もっと仲良くしなきゃいけないんじゃ―と思っていた時期が俺にもありました。けど桐乃は違う。そんなの気にしない。むしろ誇らしげ。とにかくお前ら、ウチにいる妹のヤバさをもっと知るべきだと思います。そんなヤバイ桐乃と一緒にいる俺、超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。
上記はAmazonの内容紹介より転載。
感想
今回は
- 5巻の空港後の後日譚
- 京介と赤城兄とのアキバ散策
- 皆で沙織の家に遊びに行く話
- リアがホームステイで桐乃家にやってくる話
の短編四本構成。
前三章でオタ話を交えた楽しい日常を描き、四章でシリアスに決めるといういつものパターン。
先に結論を書いておくと、とても面白かったです。
今のところ俺妹の面白さにはまったく陰りがなく、安定していますね。
ここからは個別の感想を。
妹について
桐乃は前巻四章の展開からして兄との関係が少しは変わるかと思ってましたが、表面上は以前と同じです。
兄である京介に暴言を吐いたり暴力を振るうのも、いつも通り。自分がいない間に黒猫が兄の部屋に遊びに来ていたことを知った時や、沙織のコスプレを見てドキドキする兄を見てヤキモチを妬いてる辺りも、いつも通り。行間を読めば本当はお兄ちゃん大好きなところが伝わってくるのも、いつも通り。
違うのは本気でムカつくような言動が無くなったことぐらいでしょうか? 今回の桐乃は微妙に丸くなっていて、今までで一番可愛かったです。
兄について
兄の京介はオタ化が急ピッチで進んでますね。
いちいち例を挙げるのも面倒なぐらい染まってしまい、もう戻れないレベル。
すっかりエロゲ脳になった京介には1巻の頃の一般人の面影はありません、合掌。
桐乃に対しては相変わらず素直になれないツンデレっぷり。
かなり桐乃を意識するようになってますね。(あくまで兄としてですが)
P.99の
お互い、かわいい妹を持つ兄貴というのは大変だな、赤城よ。
こんな台詞を何の疑問も抵抗もなく、素で言えるようになった京介お兄ちゃんは、オタ化と同じくもう戻れないシスコンへの道を歩み始めてると思います。第四章のロリコンを否定するあの絶叫といい、素敵すぎる。
そんなシスコン京介お兄ちゃんですが、恋愛関係以外での空気の読みっぷりは異常なので、相変わらずの良兄ぶりを発揮しています。やはり兄のキャラがいい兄妹モノは面白い。
桐乃の実義について
今回は桐乃が生まれた時の回想シーンが出てきます。
この描写を見る限り、さすがにもう義理オチはないでしょう。
生まれたときから知っている、手のかかる妹だ。
こんなモノローグを入れといて義理オチだったら、本を壁にぶん投げますよ。まあ、今までの伏線からして桐乃が勘違いしているという『Φなる・あぷろーち』的な展開はありそうな気がしますが。
作者について
質問:
先生にとって妹とは何ですか?
妹はともかくとして、あの兄を想像で書けるって凄いですね。てっきり作者はリアル妹持ちだと思っていたので、この事実にはかなり驚きました。