今回は三年生に進級した京介が、同じ学校に新入生として入学してきた黒猫に色々世話を焼いてあげる話。原作5巻の第一、二章にあたる部分です。
ハッキリ言って今までで一番つまらない回。
第8話の内容も酷かったですが、今回は輪をかけて酷い。桐乃が京介たちの前からいなくなり、出番がまったく無いというのが一番大きな理由ですが、これについては原作自体がそうなので仕方がない。問題はそれだけじゃなくて京介の描写自体が全然ダメなことです。
そもそも今回の話の元になっている原作5巻というのは、桐乃の不在によって、京介が自分にとっての妹(桐乃)の存在の大きさにようやく気づき、以降シスコン化が顕著になっていくという、俺妹のターニングポイントになる巻なのですが、そういう妹不在による京介の寂しさや心境の変化というのが、この第13話ではまったくというほど表現出来ていません。
例えば黒猫が何かと自分の世話を焼いてくる京介に対し、その心情と行動理由は今まで世話を焼いていた妹(桐乃)がいなくなったことから来ていると看破して、「私はあなたの妹の代用品ではないわ。莫迦にしないで頂戴」と言い放つシーン。
このシーンは5巻の見所の一つなんですが、アニメでは京介の心情が全く描かれてないので、この黒猫の言葉が唐突すぎて説得力が薄いです。原作ではこの後にあったはずの、先程の黒猫の言葉について京介が考え込み、桐乃について思いを馳せるシーンも削られています。
今回のラストにある京介が黒猫と一緒に下校するシーンでは、京介が妹がいなくなって寂しいと一応認めてますが、僕にはアニメの京介は全然そんな風に見えなかったです。
……というか、この京介の言葉自体が、この後の黒猫フラグを立てるような京介の台詞とそれに恥じらう黒猫の描写のせいで、印象が非常に薄くなってしまっています。
まぁ、この黒猫フラグは次回か次々回で木っ端微塵に砕け散るから別にいいですけど。(ネタバレにつき伏せ)
それと、もう一つ。
京介の赤城に対する
(ハァ。やれやれ、シスコンってのはつくづく病気だな――。なんて恥ずかしいやつなんだ。妹がいるくせに妹が好きとか、気持ち悪いにもほどがある。)
の後に続く、
(ケッ。お前の妹なんぞより、外見だけなら俺の妹の方がかわいいっつーの)
というシスコンモノローグが削られたのも痛い。
なんでこの美味しいシーンまで削ってしまうのか……今回の脚本を書いた人は、僕から言わせると全然わかってません。
あー、あと最後にこれは俺妹とはあんまり関係無い余談なんですが、僕にとってはとても大切なことなので、どうしても言っておきたい。
ゲーム研究会に貼ってあるポスターですけど、クロシェットの『あまつみそらに!』の美唯がいるのはいいとして、入り口に貼ってある「超義妹」ってふざけてるの? 馬鹿なの? 死ぬの? そこは「超実妹」にするべきだろ!!
2016年02月16日追記
すみません。『超義妹』というのは俺妹原作1巻のP.56にあるネタでしたね。失礼しました。