第13話は二期の第2話以来の、原作者である伏見先生の脚本。
原作11巻の高坂兄妹の過去編をアニメ化したものなんですが、実際はアニメオリジナルに近い話になっています。
感想
小学生の京介が家に帰ってくると、妹の桐乃が泣いています。
「お友達のお人形壊しちゃって喧嘩しちゃった、嫌われちゃったぁ、どうしよう……」と泣きながら話す桐乃に対し、
頭に手をポンと置き、「桐乃、俺に任せろ」と自信満々に言う京介。
この頭に手をポンと置く仕草は、この後、何度も出て来ます。
どうも、これは京介の癖みたいですね。
高校生になってからも、桐乃に対して、よくやっていますし。
兄が壊れた人形を直してくれたのを見て、嬉しそうな桐乃。
小さい頃の桐乃はお兄ちゃんっ子で、なんでも出来るお兄ちゃんに憧れていた。
徒競走で一番になったお兄ちゃんを見て、「お兄ちゃんすごーーい」とはしゃぐ桐乃。
親父の「よしっ」て感じの手が微笑ましい。
「お兄ちゃん、なんで一緒にお風呂に入っちゃダメなの?」
と不満気に尋ねる桐乃。
「もう、俺、子供じゃねーしっ」
と年頃の男の子らしく拒否する京介。
京介にそう言われても「お兄ちゃんと一緒にお風呂入るぅ」と、なお食い下がる桐乃。
そんな兄妹を見てクスクス笑う母。
何とも平和な子供時代です。
しかし、京介も大きくなるにつれて、妹とばかり遊んでられないと、桐乃と距離を置き始めます。
それでもたまには桐乃と一緒に出かけてあげる京介。
桐乃と二人で田村家に遊びに行きます。
田村家で魔法少女モノのアニメを見てご満悦な桐乃。
「ふひひぃ、可愛いなぁ……」
この頃から既にオタク化の片鱗が……。
いきなりキレだした桐乃を見て「何キレてんのお前?」と不思議そうに尋ねる京介に対し、「もう知んない! バカ!」と可愛くヤキモチを妬き、どこかに行ってしまう桐乃。
そんなある日、いつものように遊びに行こうとする京介に、ついていこうとする桐乃。
最初はダメだと拒否する京介ですが、必死に食い下がる桐乃を見て、「ついてこられたら、お前も連れてってやるよ」と条件を出し、走りだします。
しかし、兄との差は歴然で、どんどん離されていき、ついには転んでしまいます。
いや、お前が置いてったからでしょ。
ちなみに原作では転んだ妹に気づかず、そのままどこかへ行ってしまったはずですが、アニメでは桐乃を見つけ出します。原作者自ら変えたということは、さすがにこの時の京介は酷いと感じたのでしょうか? 僕はこの年頃の男の子なんて、あんなものだと思いますが。
ようやく、今の桐乃っぽくなってきました。
いや、そこは肯定しとけ。
京介もだんだん今の京介っぽくなってきました。
この仕草は今回2回目。
桐乃が京介を見返してやろうと決意した瞬間です。
これ以降、桐乃は勉強や陸上を頑張り始め、チート桐乃になっていきます。
しかし、桐乃が努力を始めて凄くなっていくのとは裏腹に、京介はどんどん堕落していきます。
そんな兄を見かねて、昔は格好良かったのに、一体どうしちゃったのかと問い詰める桐乃ですが、
「もうやめたんだよ、そういうのは。人生平穏が一番だって」という京介の言葉にショックを受けます。
「あんたなんか、あんたなんか……あたしの兄貴じゃない!」涙を流しながらブチキレ、走り去る桐乃。
(あたしは凄い兄貴に憧れてた。そんな兄貴を見返したくて、認めてもらいたくて、色々がんばってんのに――なんでとうのあんたが、怠けて、カッコ悪くなっちゃってんのよ!)
怒りのままにその足で麻奈実の元に駆けつけ、「あんたでしょ、絶対そう! あんたが兄貴になんかしたんでしょ! あたしの兄貴を返せーーーーーーっ」と叫ぶ桐乃。
しかし、見事に返り討ちに遭い、泣きながらふらふらと街中をさまよう桐乃。
このシーンは、小さかった頃、桐乃が京介に追いつけずに泣いていたのを見つけ出したシーンとの対比になっていますね。
しかし……。
「気安く話しかけないんでくんない! 兄貴じゃないくせにキモいんですけど!」と京介を拒否する桐乃。
ここから本格的な「冷戦」が始まります。
麻奈実の言葉を思い出し、怒りでソファーをガンガン蹴りつける桐乃。
「桐乃ちゃんが憧れてた「凄いお兄ちゃん」なんて最初からいなかったんだよ」
その言葉を否定する桐乃。
「そんなことないもん。兄貴は、あたしの好きなお兄ちゃんは、いつか絶対帰ってくるもん!」
時は流れ、中学1年生になった桐乃。
モデルの仕事を始め、あやせと初めて仕事で出会った時の会話。
「あたしの方がちょっとだけ先輩だから、わかんないことがあったらなんでも聞いて」
「ホントに?」
「任せなさい」と胸を叩く桐乃。
この台詞とポーズは明らかに京介の影響でしょう。
あやせにモデルの仕事を始めた理由を尋ねられる桐乃。
「それはね、憧れてた人の真似なんだ」
「憧れの人?」
「うん、今はもういなくなっちゃったんだけど、いつかその人が帰ってきた時、たっくさん自慢してやるんだ。どうだ、もう、あたしの方が凄いんだぞーって」
「そーなんだ、また会えるといいね、その人に」
「うん」
そんな麻奈実の言葉について悩んでいた時に、桐乃は『妹めいかあ お兄ちゃん大好き』というエロゲーに出会い、衝撃を受けます。
怪しい変装をして、妹モノのエロゲーが紹介されている雑誌を読み耽る桐乃。
エロゲーには、お兄ちゃんを好きになってもいい世界。
お兄ちゃんが妹を好きになってくれる世界。
お兄ちゃんと妹が結ばれる世界がありました。
そんな世界を初めて知ってはしゃぎまくる桐乃の姿を見てくれ、こいつをどう思う?
すごく……キモいです……。
あたしには誰にも言えない秘密がある。
(実の兄を好きなことですね)
自分では、もう、どうしようもないもの。
(兄への恋心でしょう)
そう、だってさ、失くしたものを見つけたと思ったから。
(失くしたものというのは、「いつか絶対帰ってくるはずの、あたしの好きなお兄ちゃん」)
とんだ勘違い。
あたしの憧れてた人は最初からどこにもいなかった。
「ここにある全部が桐乃なんだよっ! 一つでも欠けたらアイツじゃ無くなっちまうんだ!」
「これ見て、まだ認めねぇってほざくんなら、俺が桐乃の代わりに親父をブッ飛ばす!」
「俺に任せろっ!」
今の兄貴は昔みたいに自信満々、そんな風には言ってくれない。
今の兄貴は自分が平凡なやつだってわかってて、凄いやつじゃないって思い知ってて、それでも嫌々、渋々、妹のためにこう言うのだ。
まとめ
やっぱり原作者脚本回は格が違う!
うん、今回の話については、もう言いたいことは言ったので、今更、まとめで特に言うことがないです。
後は、8月18日から全世界同時放送される14〜16話を楽しみに待つのみ。
教会の「例のシーン」と「エピローグのあのシーン」だけはしっかり再現してください。
あの2つのシーンをアニメで見られたら、もう死んでもいい。
jitsumai.hatenablog.com