作品情報
『シスター・プリンセス』の原作者である公野櫻子先生による描き下ろし小説。全12巻からなる『キャラクターコレクション』のうちの1冊で、可憐視点の独白形式によるエピソードが7編掲載されています。
可憐について
名前 | 推定年齢 | 一人称 | 兄呼称 |
---|---|---|---|
可憐 | 13~15歳 | 可憐 | お兄ちゃん |
身長 | 誕生日 | 星座 | CV |
148cm | 9月23日 | 乙女座 | 桑谷夏子 |
ちょっぴり甘えん坊で優しい女の子。
ピアノが得意でお兄ちゃんが大好き。
感想
1 兄妹だっていいんだもん!
可憐がいかにお兄ちゃんのことが大好きかを語る、自己紹介から始まるお話。
可憐は子供の頃からお兄ちゃんのことが大好きで、大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになると決めていましたが、成長した今では、兄妹では結婚出来ないということをちゃんと理解しています。それでもお兄ちゃんのことを想い続ける可憐は、一途でとても可愛いらしいのですが……。
この話の中には、そんな可憐が(可憐のことを好きな)綾小路くんに兄妹では結婚できないことを指摘され、逆上して綾小路くんに平手打ちをかますという衝撃のシーンがあります。このエピソードによって、それまで多くの読者が可憐に持っていた「清楚で女の子らしい妹」というイメージが一変してしまい、いろいろと物議を醸しました。
綾小路くんから寄せられている好意にまったく気づかず、綾小路くんの発言に対する周りの反応も自分の都合の良いように解釈し、兄のことしか考えていない可憐は、これ以降一部の人からすっかり電波扱いされ、黒可憐などという二次創作ネタまで作られる始末。
正直、僕もこの可憐の反応はあまりに酷いと思ったし、綾小路くんには同情しましたよ。
ちなみに、黒可憐ネタは結構好きです。可憐の武器といえば、包丁とアイスピックが定番ですよね(笑)
2 愛の記念写真を撮ろう
お兄ちゃんの格好良さをみんなに教えてあげるために、お兄ちゃんの写真を欲しがる可憐のお話。
1話に勝るとも劣らない相変わらずの可憐の強烈な電波っぷりに、頭がクラクラします。
周りの友達にお兄ちゃん大好きであることをまったく隠さない可憐のズレた言動は、普通に引くレベルです。
3 お兄ちゃんとおつかい
可憐のママに頼まれて、お兄ちゃんとふたりでデパートにおつかいに行くお話。
電波具合は比較的低めで、お兄ちゃんとのおでかけでドキドキしちゃう可憐は、普通に可愛いです。
4 ピアノ発表会
タイトル通りピアノ発表会での出来事のお話。
発表会の場になかなか来ないお兄ちゃんのことを心配するあまり不安で頭がいっぱいになってしまい、周りの声も聞かず一人で会場を飛び出しちゃう可憐の電波っぷりが見どころ。可憐の思い込みの強さは、ちょっと怖いぐらいです。
5 パフェ大好き!
お兄ちゃんと遊園地でデートするお話。
この小説は全編が可憐視点の独白形式なので、地の文やお兄ちゃん視点というものがないです。(他の原作もそうですが)そのせいか、読んでるとまるでお兄ちゃんの意見や意思を無視して可憐が一人で勝手に喋っているように見えてしまうんですよね。この辺が可憐は電波というイメージを増幅させる一因になっているように思います。
6 お兄ちゃんと2人の夜は……
前回の遊園地デートの帰りに、お兄ちゃんをお泊りに誘った可憐。
お兄ちゃんが可憐の家にお泊りに来てくれるお話です。
可憐も一応年相応の分別はあるので、さすがに一緒にお風呂に入ろうとはしません。(お兄ちゃんの背中を流してあげようとはしますが、断られます。)寝るのも別の部屋ですが、昼間に行ったお化け屋敷のお化けを思い出して怖くなってしまった可憐は、お兄ちゃんの寝ている部屋を訪れ、一緒に寝ることに。
一緒に寝るといっても特に何か起きるわけでもないですし、子供の頃の思い出描写もあったりして、意味深なタイトルとは裏腹にほのぼのしたお話です。
7 可憐ちゃんとロケットの秘密
リピュアの可憐のキャラクターズパートの元になったお話。
可憐のおばあさんも、昔は可憐のようにお兄さんのことが大好きでお兄さんのお嫁さんになると叫んでいるような子供でしたが、結局は親の決めた言いつけに逆らえず他の人と結婚することに。おばあさんは、お兄さんから婚約祝いにもらったロケットに旦那さんの写真を入れるのですが、その下にこっそりお兄さんの写真を入れていたというなかなか凄いエピソードです。
お兄さんの方もおばあさんが婚約した時はものすごく落ち込んだようですし、かなりのシスコンだったみたいですね。
可憐はその話を知らなかったのですが、おばあちゃんからもらったロケットにお兄ちゃんの写真を入れてしまうあたり、可憐のお兄ちゃん大好きぶりは祖母の代からの遺伝も関係しているようです。
可憐はお兄ちゃんより好きになれる人なんて全然できそうもないけれど……おばあちゃんが教えてくれたとおり、いつも自分に正直に、きっときっとステキな女の人になって……将来、必ずお兄ちゃんを振り向かせられるように……なりたいです♡
この本の綾小路くんや友達に対する可憐のエピソードを見ると、あまり正直になりすぎるのも……とつい思ってしまいますが、この可憐の一途さは決して嫌いじゃないです。
まとめ
とにかく最初から最後まで、可憐のお兄ちゃん大好きぶりが伝わってくる内容です。
他の原作での可憐もお兄ちゃん大好きではあるのですが、この本の可憐のお兄ちゃん大好きぶりはちょっと尋常ではないレベルで、微笑ましいというより狂気を感じるほどです。
まぁ、それでも僕は可憐のことが好きですけどね。
ちょっとズレているところはあっても、お兄ちゃんに対する愛情は兄妹愛のレベルを明らかに越えていてガチですし、一途で健気なところは可愛いと思います。
シスプリの妹の中で一番ではありませんが、上位に入るぐらいにはお気に入り。なんだかんだ言っても可憐のことを嫌いなお兄ちゃんというのは、なかなかいないんじゃないでしょうか?
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