作品情報
『シスター・プリンセス』の原作者である公野櫻子先生による描き下ろし小説。全12巻からなる『キャラクターコレクション』のうちの1冊で、四葉視点の独白形式によるエピソードが7編掲載されています。
四葉について
名前 | 推定年齢 | 一人称 | 兄呼称 |
---|---|---|---|
四葉 | 11~13歳 | 四葉 | 兄(あに)チャマ |
身長 | 誕生日 | 星座 | CV |
149cm | 6月21日 | 双子座 | 半場友恵 |
大好きな兄をチェキするために、イギリスからやってきた妹。
ホームズが好きで、自らを名探偵と自称している。
チェキが口癖で、語尾のデスとクフフと笑うのが特徴。
感想
1 壊れたユニコーン
リピュアの四葉のキャラクターズパートの元になったお話。
四葉の自己紹介と兄の部屋で見つけたユニコーンの置物の話です。
あとは、それから……。
本当は、1番気になっていたのは……四葉のこと……好きになってくれるかな、ってコト……。
四葉、悲しくて泣きそうになっちゃった! だって、兄チャマがいない間にこんなことになっちゃって……。この足……接着剤でくっつかないかな? 兄チャマが帰ってきたら、きっと四葉のことキライになっちゃう……う、うわぁ――ん!
脳天気に見える四葉ですが、兄に好かれているかどうかを気にする繊細な一面もあります。
これについては後述。
2 犯人はこの部屋にいマス!
四葉の家に兄が来て、勉強を教えてくれるお話。
四葉が兄のために作ったドーナッツが1つ無くなってしまい、その犯人を一生懸命探そうとする四葉ですが……。
四葉は兄チャマにいろんなことを教わったよ! 四葉は国語があまりよくできないのだけれど、四葉がそう言うと、兄チャマは笑って、ずっと外国にいたんだから当たり前だよって、言ってくれたし、考え事をする時は、いろんなことをいっぺんに考えようとしないで、端っこから1つずつにした方がイイってことも教えてくれたの。
四葉に優しく接する兄。
良い兄ですねぇ……僕もこんな優しい兄が欲しかった。
3 出生の秘密を探れ
星占いの本で、兄との相性が最悪と書いてあるのを知ってしまった四葉は、兄の生年月日データが間違ってると思い、兄の本当の生年月日を聞くために、変装して兄の学校に忍び込むことに。
すったもんだの末、ようやく兄をみつけた四葉ですが、兄は男子トイレに入ってしまい……
「えっ、いやーん、兄チャマったらそんな……。四葉困りマス……♡ うーん、でも兄チャマのためなら……」
四葉思わず真っ赤になってモジモジしちゃったけど、……でも! でもでもでも! 兄チャマのためだったら……男子トイレだって突入ヤムナシです!
それは……真っ赤な顔で笑っている兄チャマでした。兄チャマは真っ赤なお顔で苦しそうに笑いながら……「四葉は女の子だから、男子トイレに入ったらいけないよ」って……。
「だって、兄チャマのためなら男子トイレだってナンノソノです……あ、あれれっ? なんで、四葉だって……きゃ――!!」
「ち、ち、ち、違いマス! ワタシ、四葉じゃないデス! ほぅら、よっく顔を見てください……アナタのかわいい妹の四葉ちゃんは、こーんなお顔はしてないデス……ま、まぁ、今日のトコロはこのへんでカンベンしてあげるとするデス♡ これからは四葉ちゃんをもっと大事にするデスよ――っ……」
うーん、四葉はアホの子可愛い。
男子トイレに入る兄を見て恥じらう姿は萌えます。
ちなみに生年月日については、うやむやのままです。
5 ムユウビョウの四葉
四葉の部屋に現れた謎の黒い影の正体を確かめるために、兄が四葉の家にお泊りに来てくれるお話。
四葉は「ちっとも狭くないから一緒のベッドでいいのに♡」って言ったけど、兄チャマは、「そーゆーことはできない……」んだって! 変な兄チャマ♡
まだまだ子供な四葉は、なんで一緒に寝ちゃいけないのかわからない様子。
四葉の年齢なら、別に一緒に寝ても構わない気がしますけどね。
本当はちょっぴり怖かったこと、兄チャマに知られちゃったけど、でもこんな風に夜中に2人でホットミルクを飲んでると……なんだかそんなことどうでもよくなっちゃいました! だからすっごく頼りになる兄チャマに……「やっぱり兄チャマ……大好きデス!」って言って兄チャマのほっぺにチュってしたのよ♡ 兄チャマ、ビックリしてたけど……もうそろそろ、四葉のキッス、慣れてくれてもイイのにね! 兄チャマ……今日はホントに……どうもありがとう……デシタ♡
影の件は無事解決し、兄のほっぺにキスする四葉。
無邪気で微笑ましいですね。
6 ビッグベンの下で
四葉がイギリスのブライマリースクールに通っていた頃のお話。
四葉はイギリスにいた頃のコトが……あんまり……好きじゃないです。
だって……。
四葉……なんだか、さびしかったから……。
いつも……いつも。
冒頭からシリアスな雰囲気で始まります。
イギリスのスクールは、日本の学校よりもずっとずっとキビシイのです。とくに女の子は……お行儀とか、マナーとか、いろいろ……とってもとってもメンドクサーイの! 四葉は、そういうのは苦手で、いつもディム……あ、寮母の先生のことなんだケド、そのコワーイ白髪頭の寮母先生から、怒られてばーっかりいたのよ。四葉がなにかするたびに、寮母先生がぴゅーーって飛んできて、四葉を叱るの。四葉、そんなにお行儀悪くしてるつもりないんだけどな……。でも、先生は、四葉のこと、「ちょっと変わってる」って言って……。
四葉も、最初はクラスの人達でやる劇に出る予定だったんだけど――演目は『アーサー王と湖のランスロット』で四葉はランスロットをやるハズだったの――でも……四葉がよそ見ばっかりして、失敗ばかりするって言って、途中からは……プロンプターになっちゃった。
それから……結局、四葉は1人で校舎を出ると、芝生の広がるひとけのないピロティの方へ抜け出して、その塀に腰掛けて足をブラブラさせてるしかできませんでした。だって……みんなは劇の練習してるから、一緒に遊ぶヒトもイナイし、校舎の中はどこにいってもパーティの準備をしてる子でいっぱいで……四葉、邪魔になっちゃうモン。
イギリスでの四葉は、上手く周りに馴染めず寂しい思いをしていたようです。
どうも四葉には発達障害の気があって、周りも持て余していたみたいですね。この本の1話で、四葉を好きになってくれるか気にしていたのと、兄に嫌われることを恐れていた理由は、イギリスでこういった寂しい体験をしていたからのようです。
兄チャマは遠く離れた日本で……今頃、なにをしてるのかな?
四葉……早く兄チャマに会いたいデス! 四葉が探偵になりたいのは、まだ四葉が小さい頃……おじいちゃんが『名探偵ホームズ』のご本をくれてからのことだけど、でも四葉に兄チャマがいるって知ってから……四葉、兄チャマのことを知りたい一心で……兄チャマをチェキしたくって……探偵のお勉強頑張るようになったんデス。今は四葉は兄チャマのこと、全然知らないの……。でも、四葉、予感がするの! 絶対絶対、四葉のこと、1番わかってくれるのはきっと兄チャマだ、って……。四葉のさびしい気持ち……兄チャマだけが埋めてくれるの。四葉、決めてるんだ♡ 兄チャマに会えたら、兄チャマのこといっぱいチェキして……今まで離れ離れになってた分もぜーんぶ取り返して……兄チャマのハート……四葉と一緒になっちゃうように……チェキしちゃうんだって……クフフフフゥ♡
日本にいる兄のことを思う四葉。
四葉が兄をチェキする理由、兄を大好きな理由が、ここを読むとよくわかりますね。
リピュアのアニメは、こっちの話を原作に使ったほうが良かったんじゃないかなと思うんですが。
7 流された三角
“お兄ちゃんの日”に兄とプールでデートするお話。
……兄チャマの水着。……きゃーー♡ 四葉、考えただけでもコーフンしちゃいマス! 兄チャマ、どんな水着を着るのかな? やっぱりセクシービキニかな? あっ、兄チャマの水着のお写真チェキしたら、ダメかな?
それと……兄チャマの水着の方は……キシシッ♡ なんだか……水着姿の兄チャマはね、なんだかいつもとちょっぴりチガウ感じで……まぶしくて……四葉、なんだか……モジモジしちゃってよく見れなかった♡ ホントは「兄チャマ、チェキよっ!」ってしようと思ってたのにな……。……ちょっと……失敗デスね……きゃっ♡
張り切って兄の水着姿をチェキしようとするも、恥ずかしくなってしまう四葉。
衛もそうですが、普段元気で、そういうのを気にしなさそうな子が恥じらう姿は萌えます、萌えまくります。
流れるプールでは、いつの間にか四葉が着けてた三角ビキニが流されてしまい、兄が助けてくれるのですが、
兄チャマって……兄チャマって……すごくタクマシイかもぉ……♡
かぶせられてモゴモゴしたタオルの中で、四葉……ちょっぴり顔が赤くなるのがわかりました。テヘヘッ……♡
そして……その日の帰り道……。
四葉、なんだか恥ずかしいのが直らなくて、ちょっぴりモジモジ黙っちゃいました。そしたら、なんだか兄チャマも黙ってて……。2人うつむいて歩いた……。……ケド、ケドね、四葉には、どうしても聞きたいことがあったんデス。それはね……。
「四葉の……胸……見た?」
四葉がそう言うと、兄チャマはフッて顔を上げて……それから日焼けした赤いお顔で、「全然見えなかったよ」って言って笑いました。
兄は全然見えなかったって言っていますが、実際はどうなんでしょうね?
顔が赤いのは日焼けのせいだけとは思えませんが……。
よかったぁ……♡ 四葉のだけ先にチェキされちゃったらどうしようっておもってたデス! 兄チャマのボディは……四葉が絶対先にチェキしちゃう! 四葉負けないんだからっ♡ 兄チャマ……四葉、まだまだ時間かかっちゃうかもしれないけど、その時まで、ずっとずっと……四葉のそばで……待っててね。
四葉はわかっていないようですが、結構大胆なこと言ってますよね。
まとめ
普段は明るい四葉ですが、そんな四葉だけに6話のシリアス話が光ります。
いつもと違う一面が見られる6話を読むと、四葉が一層愛おしくなりますね。
四葉の魅力が詰まった1冊で、3番目にお気に入りです。
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