作品情報
タイトル:人気声優のつくりかた
ブランド:MintCUBE 作品ページ
発売日:2017年1月27日
販売価格:9,800円(税別)
あらすじ
公式サイトのストーリー参照。
システム
クリックで読み進めていき、選んだ選択肢によって攻略キャラが変わる、一般的なエロゲ。
画面サイズは1280*720のワイド。
システムはかなり細かく設定できます。
メッセージ速度が最初から速めに設定してあるのは、設定の手間が省けて地味に嬉しいですね。
どうせ標準速度でプレイなんてしないですから。
プレイガイド設定にあるルートガイドというのは、選択肢でそのキャラのルートに入れる選択肢を教えてくれます。これを使えば攻略は簡単なんですが、一つ注意点が。小夏以外の女の子は基本無視するようにしないと小夏ルートには入れませんのでお気をつけください。八方美人はダメです。
絶頂カウンターはHシーンの時に射精シーンまであと何クリックかを教えてくれる機能……というのは半分正解で、女の子が絶頂に達する時も教えてくれます。(女性向けの機能なんでしょうか?)
サウンドのテスト音声もゲームの使い回しではなく、専用のボイスが用意されています。
細かい部分まで配慮が行き届いていて感心しました。
シナリオの尺は、共通ルートが3、4時間。
個別ルートは3時間といったところ。
長すぎず、短すぎずで、ちょうどいい長さだと感じました。
小夏のCGは27枚でHCGはうち11枚とかなりイベントCGが多め。
ヒロインが3人と少ない分、1人あたりのCGの配分が多いですね。
個人的にはキスCGとピロートークCGがお気に入りです。
妹について
名前 | 年齢 | |
---|---|---|
永倉 小夏(ながくら こなつ) | 兄の1つ下、高○1年生 | |
一人称 | 兄呼称 | |
わたし、小夏 | お兄ちゃん、おにいちゃん | |
身長 | 体重 | スリーサイズ |
152cm | 不明 | B87/W55/H84のGカップ |
CV | 原画 | シナリオ |
くすはらゆい | 浅川しな | 夜村卓、双葉亮一 |
備考 | ||
誕生日1月18日、血液型AB型 |
主人公の妹。
兄と同じ成香台(せいかだい)学園普通科の1年生。
兄と一緒に母親から舞風寮の管理人代理を任される。
コミュ力が高く、誰とでも仲良くなれる気さくな性格。
家の手伝いをよくしていたので、料理も得意。
ものすごく胸が大きいが、本人は特に気にしている素振りはなし。
物語当初は一般人だったが、アニメ好きで子役もやっていた兄の影響で、物語途中から自分も声優を志すことになる。
小夏の実義に関しては、作中で特に血の繋がった妹や実妹という表現はありませんが、義妹を匂わせる描写も一切無いので、実妹として扱います。
「すぅぅぅ……はぁぁ……んふぅ……お兄ちゃんの匂い、安心するぅぅぅ……」
「やっぱりお兄ちゃんに隠し事はできないかぁ。お兄ちゃんは妹のことなら、なんでもお見通しなんだねぇ。えへへへ」
「大好きだよ、お兄ちゃん……わたしのからだも、心も……全部ぜんぶ……お兄ちゃんのものだからね……」
兄について
主人公。
成香台学園芸能コース科の2年生で、友人の徹心と一緒に放送部に所属している。
母親がぎっくり腰で入院することになり、舞風寮の管理人代理を妹と二人で任されることに。
家族構成は母と妹の三人家族。
父はゲーム開始の一年ちょっと前に亡くなっており故人。
母親はボイスやイラストもあり、高○生の子供がいるとは思えないほど若くて美人。
顔はかなり小夏似です。
普段は真面目な常識人で、周りへの気配りもできる優等生ですが、声優やアニメが好きで(祐果子の大ファン)Hなことにも普通に興味があるという三枚目寄りなところもあり、親しみやすいです。元役者で子役の経験ありのため、声優業界についてもそれなりに知識があったり、放送部なので機材も使えたり、料理も普通にこなせるなど、ややスペック高めのエロゲ主人公という感じですね。
兄としては申し分無し。
妹とはとても仲が良く、お互い通じ合っていて、冗談も言い合えるという理想的な関係。
何かと妹のことを気にかけていて、妹が困っていたら迷わず助けに行くというシスコンぶりもグッド。
イベントCGで顔も出ますが、かなりのイケメン。
瞳の色こそ同じですが、小夏とはあまり似てないのが残念(どちらかというといつみの方が似てる)
(なんだか、泣いてしまうのを必死に堪えたような声だった。妹のそんな声を耳にしてしまったら、動かざるを得ない。それが『兄』って生き物なんだから)
(小夏、今日も頑張っているかな。頑張る妹を応援してやるのは、兄の義務だからな)
「そうだな。俺は小夏のファンで、兄貴で、恋人だからな。他の人を見てる余裕なんてないよ」
シナリオ
モデルや声優などの学生が住んでいる女子寮「舞風寮」の管理人であった母親がぎっくり腰になってしまい、母親の代わりに小夏と二人で舞風寮の管理人代理をやることになった主人公。学校に通いながら管理人の仕事をこなしていくうちに、売れない声優でありクラスメイトでもあるいつみ、主人公の憧れの人気声優である祐果子さん、そして妹の小夏など、それぞれのヒロインと交流を深めていきます。
そんなある日、小夏に声優の才能があることが分かり、小夏は声優を志すことに。
元子役だった兄からアドバイスを貰いつつ声優としての勉強を頑張っていた小夏は、業界の知り合いの推薦もあって、いきなり人気アニメのメインヒロイン役に大抜擢されます。
(ここからネタバレあります。未プレイの方はお気をつけ下さい)
新人声優として仕事をちゃんとこなすために、兄や先輩声優であるいつみ、祐果子さんに支えてもらいながら頑張る小夏。しかし、声優として知識も経験も足りない小夏は、上手くできない自分や、先輩声優の嫌がらせなどのプレッシャーから体調を崩してしまいます。落ち込んでいた小夏は、優しく励ましの言葉を掛けてくれる兄に対し、つい想いを抑えられなくなってしまい、キスをします。
キスがきっかけで微妙にギクシャクする二人。
そんな中、小夏に恋愛アドベンチャーゲームのお仕事が舞い込みます。
小夏の役はサブヒロインの妹役。
小夏は台本の台詞にかこつけて兄をドキッとさせてからかうのですが、兄はその台詞を逆に利用して小夏に自分の想いを告白し、今度は兄の方からキスをします。(この一連の流れは、キスCGと相まって、非常に良かったです)
兄と結ばれて幸せいっぱいの小夏は、吹っ切れたように、元気に仕事をこなします。
意地悪な先輩にもしっかり立ち向かい、逆にやり返す小夏。
そんな幸せな日々を過ごす兄妹ですが、二人が恋人になったことは周りに隠したまま。
大切な人たちに隠しごとはしたくないと考えた二人は、二人の関係を親しい人たちにだけは話すことに。(この辺りは周りが妙に物分かりが良すぎて、ちょっと拍子抜けでしたね。もう少しドラマがあると盛り上がるんですが……。)
エピローグについても少々物足りなさがあって、声優モノとしては綺麗にまとまっているのですが、できればもうちょっと兄妹ならではの二人の関係を描いて欲しかったです。
(ネタバレここまで)
他ルートの小夏
いつみルートでは、当然出番は少なくなるのですが、いつみの口から兄と付き合っていることを知らされた時の小夏の反応が泣けます。最初は兄に彼女ができたことを笑顔で祝福しようとするのですが、内心ではやはりショックで、話しているうちに思わずいつみの前で涙を流す小夏。
「あははっ。びっくりです、お兄ちゃんに恋人ができちゃうなんてっ」
いつみ「そんなに意外かな……?」
「意外ですよぉ。だってこの1年くらいはずーっと、どこか上の空っていうか、つまらなそうにしてたんですもん。そんな風にひねくれてたら、絶対モテないのになーって思ってたんです。お仕事しなくなっちゃってからのお兄ちゃん、本当は絶っ対お芝居したいはずなのに、口では『家族のため』とか綺麗なこと言ってて。だったらわたしが『声優やる』って言ったら刺激になるかな? とか思ったんですけど全然で――」
「ぇ……?」
いつもの笑顔の小夏ちゃん。
そんな彼女の顔から、不意に涙が溢れ出した。
「ぇ、ぁ…………あれ? っ……なんで……? やだ、ごめんなさいっ、お祝いしなきゃってお話なのに……変ですね、わたし」
――ぁぁ。もしかしたら、小夏ちゃんは。
「小夏ちゃん。わたし……」
「でも……っ……そっか……。っ、わたしじゃ、なかったんだ……。お兄ちゃんのこと、助けてあげるんだ……て、思ってたんだけどなぁ……っ……」
好きだったのかもしれない……啓人のことを。兄妹としての好きではなく、一人の人間として。本人がそのことを自覚しているかは、分からないけれど。
小夏は良い妹ですねぇ……。
親バレ、周りバレ
ネタバレなので隠します。構わない人は反転して読んでください。
二人の関係をいつみ、祐果子さん、音杏(のあ)に話しますが、祐果子さんと音杏はあっさり受け入れてくれます。いつみだけは兄妹で付き合うことを心配しますが、真剣に話してわかってもらえます。母親にも話すのですが、「本当にそれでいいの?」と思うぐらいあっさり二人の関係を認めてくれます。
禁忌、背徳描写
ほとんど無いです。
小春はお兄ちゃんを好きになることに疑問や罪悪感をほとんど持っていませんし、兄の方も相手が妹で周りには認められない関係だという自覚はありますが、そのことに対して必要以上に悩んだりしませんし、実際作中でこれといった障害もありません。
結婚や子供についても、不自然なぐらい触れないです。
意図的にその手の描写を避けているような節があって、この辺は残念でした。
まとめ
この作品は、兄妹の関係が心地良かったですね。
二人の関係がいかにもなブラコン、シスコンという感じではなく、ごく自然に仲がよくて、お互いを大事に思っているのが感じられるのが良かったです。
寮の管理人代理を引き受けるところでは、当たり前のようにお互いの気持ちをわかっているところとか、亡き父の仕事に対する想いとか、下手に強調せずにサラッと兄妹の絆を描くライターさんの力量に感心しました。(シナリオ自体は問題があっさり解決するなど、ご都合なところが多かったですが……)
兄妹で似ている描写(容姿以外)が多いのも○。
兄妹で同じことを考えたり、同じ反応をしたり、そういう描写があると兄妹らしさが感じられてグッと来ますね。
一つ気になったのが、恋人というのを強調しすぎかなと。
妹であり恋人という二人の関係は良いのですが、結ばれた後に会話やモノローグでやたらと兄が小夏のことを恋人と表現するのが、妹モノとしてはマイナスに感じられました。
小夏が兄のことを呼び捨てにするわけではないですし、別に恋人という表現を使っちゃダメというわけじゃないんですが、この頻度はさすがにちょっと……。
細かい点に不満はあるが、全体的に見れば声優モノとしても妹モノとしても良い作品
お気に入り度(10点満点) 9