神楽鳥 雛 『ひよこフェスティバル!』(依存系・無口、大人しい、健気、泣き虫)

作品情報

タイトル:ひよこフェスティバル!
ブランド:Ex-iT 作品ページ
発売日:2012年5月11日
販売価格:4,200円(税別)

『ひよこストライク!』のスペシャルアイテム。
116ページのムック本に、20本のショートエピソードが収録されたDVD-ROMがおまけで収録されています。
『ひよこストライク!』の製品版がなくても遊べますが、前作をプレイしていることが前提の内容ですので、前作のプレイはほぼ必須。

システム

クリックで読み進めていく、一般的なエロゲ。

ウインドウサイズは1024*768。
システム設定は一通りのものは揃っていて特に問題なし。
システムは『ひよこストライク!』とまったく一緒です。

CG鑑賞モードと回想モードは無し。

僕の環境だけかはわかりませんが、ショートエピソードを読もうとすると、なぜかマウスクリックでの文章送りが出来ないことがあります。(エンターキーは可)
一度コンフィグ画面を開いて、元の画面に戻すと直るんですが、ショートエピソードを読もうとするたびに、毎回やらないといけないので非常に面倒でした。

妹について

名前 年齢
神楽鳥 雛(かぐらどり ひな) 兄の1つ下、高○1年生?
一人称 兄呼称
私、雛 おにいちゃん
身長 体重 スリーサイズ
154cm 不明 B82/W51/H78
CV 原画 シナリオ
藤森ゆき奈 やすゆき 小林公示
備考
3月17日生まれ、AB型

主人公の妹。
休学中の学生。

性格は口数が少なく大人しい。
現在は訳あって学校には行かず、実家から遠く離れた兄のアパートで引き篭もり生活を送っている。
家事は得意で、家の事はほとんど雛がやっている。
好物はおにいちゃんが好きなもの。

昔から自分に優しかった兄だけが心の拠り所で、兄がいなくなったら死ぬんじゃないか?というぐらいの依存レベル。

雛のCG枚数は2枚。
内訳はイベントCG1枚に、HCG1枚。
雛に頭を後ろから抱きしめられるCGがお気に入り。

「おにいちゃんは……このままのおにいちゃんが、一番だもん」


「……ヒナ美容室のまたのご利用……お待ちしております」


「あんなにいっぱい出したら……赤ちゃん……できちゃうよ?」

兄について

主人公。
私立桜紡糸(さくらぼうし)学園2年生。
家族構成は両親と妹の雛の4人家族。
北海道の寒さを嫌って親元を離れ、アパートで一人暮らしをしながら関東の学園に通っていたが、今は妹の雛が転がり込んできて、二人で暮らしている。

人付き合いが苦手で、友達は少ない。
人の気持ちにかなり鈍感なところがあり、愛想がなく不器用ではあるが、根は真面目で常識人。
趣味は絵を書くこと。
この手のゲームにしては珍しく、ヒロイン視点からの立ち絵有り。(ボイスは無し)

家事は苦手なので基本的に雛に任せているが、妹にすべてを任せるのは心苦しいので、皿洗いだけは手伝っている。
学校に行かず家に引き篭もっている雛の事を、兄として心配しているが、口数が少ない雛の考えが掴めず、今は見守ることにしている。
かなりの良兄です。

シナリオ


20本のショートエピソードから好きなのを選んでプレイできます。
プレイ時間は、エピソード1本につき大体10分から20分ぐらいですが、中にはHシーンだけで5分かからず終わるようなのもあります。

既に読んだエピソードがわかりづらいのが難。
既読のエピソードには、何らかの印が付くと良かったのですが……。

雛のエピソードは3本。
これ以外のエピソードで雛が出てくるのはいくつかありますが、いずれもほんのちょっとの出番ですので、雛目当てならこの3本を読むだけで十分です。

個人的にはウタカタの「さよなら、真」、セツナの「教授を追いかけて ~セツナ大成功編~」、獅子王の「僕の妹を紹介します」、夏美の「恋のアプローチ」は面白かったのでお勧め。
特に「恋のアプローチ」は1時間というボリュームで夏美と恋人になる過程を描いていて、他のシナリオに比べて明らかに力の入りようが違います。

(ここからネタバレあります。未プレイの方はお気をつけ下さい)




「おにいちゃんといっしょ」

プレイ時間は15分程度。
前作のエピローグ後のお話。

アクシデントが続き、約束した時間より家に帰るのが遅くなってしまい雛を泣かせてしまった兄は、雛を納得させるため、どちらの愛情がより深いか勝負することに。
ルールは相手から離れた方が負けというもので、負けた方は『何でもひとつ、命令をきかなければいけない』というもの。

お互い相手から離れられないということで、イチャイチャしまくる兄妹の姿はバカップルそのものです。
尿意が我慢出来ず、兄の前で恥ずかしそうにおしっこすることになる雛が可愛い。

勝負は結局兄の負けになるのですが、罰ゲームで雛が出した兄への命令は非常に可愛いもの。
雛の可愛さと面倒くささ全開のエピソードです。

CGは全て前作の使い回しで新規は無し。

「幼いころのように」

プレイ時間は10分ぐらい。
雛が兄のアパートに転がり込んできて一ヶ月後ぐらいのお話。
休みだから髪を切りに行こうとする兄に対し、自分が兄の髪を切ってみたいと言い出す雛。
妹に髪を切ってもらう兄というレアシチュが見られるお話です。

普段から自分の髪を切っている雛だけあって、カットは普通に上手いです。
特に何があるわけでもない、ほのぼのしたお話。

雛に後ろから頭を抱きかかえられる新規CG有り。

「制服……好き……?」

プレイ時間は5分から10分程度。
前作の雛ルートで雛と爛れた二人だけの生活を送った後に、今後、雛とのことをどうするかを決める重要なシーンがあるのですが、そこからのIF展開です。

前作ではここで非常に難しい3択が3つもあり、ちゃんと正解を選ばないと雛エンドに辿り着けなかったのですが、今回は一択の選択肢を選ぶだけなので楽ちんです。
ここで兄が出した答えは、前作の選択肢になかった愛欲。

翌朝、雛に起こされた兄は、学校をサボって制服姿の雛と騎乗位でHすることに。
出す場所は中。
尺は短く、描写も薄いです。
CGは前作の制服騎乗位CGに差分を追加したもの。

他のすべてはいらない。雛といっしょにどこまでも堕ちていくという退廃的なENDです。





(ネタバレここまで)

親バレ、周りバレ

ネタバレなので隠します。構わない人は反転して読んでください。
無し。

禁忌、背徳描写

「制服……好き……?」のエピソードの背徳感はなかなかのもの。
閉じた世界で、未来のことなど何も考えず愛欲に耽る兄妹……いい。

ムック本について



116ページということでなかなか分厚いです。

「ひよよん。」のモノクロ版

公式サイトに掲載されている4コマ漫画「ひよよん。」
公式サイトに掲載されている11本に、『ひよこイズム!』に掲載の1本がモノクロで掲載されています。

モノクロ原画

各キャラクターのイベントCGの原画がモノクロで掲載されています。
『ひよこストライク!』の全てのイベントCGだけでなく『ひよこフェスティバル!』のイベントCGも掲載。
ラフは全てキャラ担当の佐藤ヨシヒサさんと小林公示さんのコメント付きで、かなり読み応えあります。

各キャラについてのコメントも書いてあるのですが、『ひよこイズム!』とはまた違った内容です。
メインヒロインだけでなく、サブキャラまで網羅されてるのがなにげに凄い。

没ラフの世界

販促関係の没ラフ、『ひよこリズム』のジャケット案、『雛といっしょ』のジャケ案と『ちよ子等身大バスタオルのラフが掲載されています。

描き下ろしオリジナル短編小説集

『セツナとウタカタ、研究がんばるもん』~ウタカタノーマルED後~
『無防備な彼女』~ちよ子と夏美、幼少期~
『おねえちゃんと、おとうと』~理々乃エンド後の理々乃回想録~
『神社について、黒岩と』~いずれかのルート進入中での、黒岩とぷーさんの会話~
『目覚め』~本編より二年前、実家にて~

計5本。
いずれも4~5ページで、挿絵有り。
最後の「『目覚め』~本編より二年前、実家にて~」が雛のお話です。
兄と雛の視点による実家での出来事で、本編ではほとんど出てこなかった両親についても描写されています。

妹の雛が甘えてこなくなったことを寂しく思いつつも、いつまでもこのままじゃいけないと妹離れを決心する兄と兄に妹以上の好意を持ってしまい、その事に罪悪感を覚えて悩む雛のすれ違いが描かれた内容。

まとめ

全エピソードを読むと、プレイ時間は大体4~5時間ぐらいとなかなかのボリューム。
ただ、雛のエピソードだけだとプレイ時間は1時間もかかりません。
雛目当てだとコストパフォーマンスはかなり悪いので、他のエピソードも楽しめるかどうかが鍵。
ショートエピソードは短いですが、どれもよく出来ています。

今となっては非常に入手困難だと思いますが、『ひよこストライク!』という作品を気に入った人なら、多少無理してでも手に入れる価値はあるかと思います。
当時、ちゃんと購入した自分をめっちゃ褒めたい。

雛のめんどくさ可愛さは相変わらず健在、オンリーワンの可愛さがあります
お気に入り度(10点満点) 9

別のキャラのレビューを読む

おまけ

プレイした際のTwitterでの呟きを別記事にまとめました。
良かったら参考にしてみてください。