橘木 理帆 『家の妹』(お兄ちゃん子系・ぐーたら、甘えん坊、自信家)

作品情報

タイトル:家(うち)の妹
ブランド:Argonauts 作品ページ
ジャンル:「おかえり」と迎えてくれる妹がいる同棲ADV
発売日:2018年11月30日
販売価格:抱き枕カバー付き豪華限定版:12,800円(税別)、パッケージ版:2,600円(税別)、ダウンロード版:2,400円(税別)

「うちカノ」シリーズ第二弾。
僕は前作である『家の彼女』は未プレイです。

あらすじ

公式サイトのストーリー参照

システム

クリックで読み進めていく、一般的なエロゲ。
選択肢での分岐はなく、シナリオは一本道で、プレイ時間は4、5時間ぐらい。
画面サイズは1920*1080のワイド画面。

システムは基本的なものは揃っています。
体験版ではウインドウサイズの変更ができなくて不便でしたが、製品版では変更できるようになっていました。
右クリックでウインドウ消去がメッセージウインドウ上じゃないと効かないのは、そのまま。
メッセージ速度が初期設定で最速になってるのは、地味にありがたいですね。
あと、体験版の時には気づかなかったんですが、画面エフェクトの省略機能が無いですね、左クリックである程度省略はできるので、そこまで問題はなかったですが。

妹視点あり。
裸立ち絵あり。
ボイスの途中で立ち絵が切り替わるのは珍しくないですが、CGの差分まで変化するのは初めて見た気がします。
サブキャラの立ち絵は『かまいたちの夜』のようなシルエット表示でボイスも無し。
低価格作品なんだから、こういうところの予算や手間はガンガン削っていいと個人的には思いますね。

修正ファイルあり(パッケージ版のみ)

妹について

名前 年齢
橘木 理帆(たちばなき りほ) 兄の4つか5つ下、高◯3年生
一人称 兄呼称
お兄ちゃん、おに~ちゃん、おにーちゃん、あなた
身長 体重 スリーサイズ
156cm 不明 84/54/86
CV 原画 シナリオ
奏雨 やまかぜ嵐、桜坂つちゆ(SDキャラクター) 木葉
備考
特に無し

学園の3年生。
部活はバスケ部で部長だったが、今は部長の引き継ぎも終わり、引退している。

外ではしっかり者で通っているが、家にいる時は素で飾ったりしないのでちょっとだらしなく、家事なども全然できない。
兄とはベッドで一緒に寝たりするぐらい仲が良い。

理帆の実義ですが、パッケージの裏面には「作中での妹とは血縁関係を意味するものではありません」と書いてありますが、作中に何度も実の兄妹や血の繋がった兄という表現が出てくるので、実妹で問題ないと思います。

理帆のCG枚数は23枚。
内訳はイベントCG13枚に、HCG10枚。
お風呂上がりで乳首がちら見えしてるCGと添い寝CGがお気に入り。

(お疲れのお兄ちゃんは、妹が支えてあげないとね。ウンウン)


「お兄ちゃんは、嫌? 普通じゃない妹なんて……嫌い?」


「でもお兄ちゃんのためならやったげる♪ それが妹のありがたみ」

兄について

主人公。

社会人1年生。
普通にお酒を飲んだり、車を運転しているところから、大卒の22、3歳と思われます。

家族構成は両親と妹の4人家族。
一人暮らしをしていたところに、妹の理帆がやってきて、二人で住むことに。

性格は社会人らしく落ち着いていますが、これといった趣味があるわけでもなく、ちょっと淡白なところがあって、面白みに欠ける印象。
半年とはいえ、一人暮らしをしていたので、一通りの家事はできる。
妹に対しては、かなりの心配性で過保護なところがあり優しい良い兄ですが、女心にはかなり鈍感。
CGで顔出ししていますが、やや童顔でかわいい感じの顔でした。

「理帆が普通だろうが、あるいは普通じゃなかろうが……僕が、お前を嫌いになるはずないだろ」


「僕も理帆のことが好きだ……女の子として」


「分かったよ。そうだな……僕にとって、理帆はいるだけでありがたい」

シナリオ

物語は、一人暮らしの主人公のところに、妹の理帆が遊びに来ているところから始まります。
その後、兄妹の母親がノロにかかってしまい、感染を防ぐために理帆が主人公の家に2、3週間ほど住むことに。そこからしばらく二人だけの生活が始まります。

兄妹の生活ややり取りは、わりとリアルな感じで、自然。
理帆がお風呂上がりに上半身裸で出てきたり、寝起きで無防備な格好を見せたりと、恥ずかしがりながらもなんとか兄を意識させようと頑張るところは、可愛かったです。兄妹とはいえ、やっぱり恥じらいは大事!

(ここからネタバレあります。未プレイの方はお気をつけ下さい)





母親のノロも落ち着いて、理帆が実家に帰ることになるのですが、帰る直前に今度は父親にノロが移ってしまい、結局理帆は年末まで兄の家で暮らすことに。
元々心配性だった兄ですが、理帆と暮らしていくうちに、だんだんそれが酷くなって、妹が一人で家にいると考えると不安がどんどん強くなり、日常生活に支障をきたしてきます。それは子供の頃に出かけたハイキングで理帆を一人にしてしまったことが原因なのですが、そのトラウマを克服するために、兄は理帆と一緒にハイキングに行くことにします。

山頂で夜景を見ながら、妹にトラウマについて正直に話すことで、お互いわかりあう二人。兄の話を聞いて、兄が自分を意識してくれないのは子供と見られているからだと感じた理帆は、兄に自分の気持ちを告白することにします。

街のベンチでいきなり理帆にキスされて告白された兄は、最初戸惑いますが、とりあえずしばらくカップルとして過ごし、兄妹でも上手くやっていけるか試すことに。
カップルとして過ごしたり、デートしたりするうちに自然と気持ちが高まり、二人は結ばれます。

結ばれた後は仕事終わりにHしたりという日々が続き、クリスマスも二人で過ごし、年末になり理帆が家に帰り、理帆のセンター試験、二次試験、合格発表、卒業式と経て、また理帆が兄の家に戻ってきたところでEDで。

最初は料理が全然ダメだった理帆が、二人暮らしを続けるうちにだんだんと料理が上手くなるのは妹の成長が感じられて良かったですね。
残業で仕事は忙しいけど、家に帰れば愛する妹がご飯を作って待っててくれるというのは、社会人にとってはたまらないシチュです。「妹のありがたみ」を感じますね。
あと、レアシチュとして妹にお酌してもらってビールを飲むというのがありました。エロゲの主人公ってほとんどが学生なので、これはなかなか新鮮でしたね。

EDの後はAfter Daysという後日談あり。
理帆は大学で漫画研究会に入ってオタサーの姫みたいになり、百合マンガを描いて兄と一緒にコミケに参加するようになるんですが、この後日談いるかな? と思いました。一応合間にHシーンもありますが、別にマンガは関係ないですし、兄妹ならではという内容でもありませんし、あまり必要性を感じませんでした。






(ネタバレここまで)

親バレ、周りバレ

ネタバレなので隠します。構わない人は反転して読んでください。
親バレも周りバレも無く、兄妹の関係は最後まで二人だけの秘密です。二人とも、両親に対して申し訳ないという気持ちは持っていますが、両親の理想の息子や娘にはなれないと割り切っています。兄が両親にけじめとして結婚は無理かもしれないと伝えるのですが、父親は子供はいるだけでありがたい存在だと言ってくれ、母親も自分の思うように生きなさいと理解を示してくれます。ここはちょっとジンと来ました。

まとめ

何というか、盛り上がりに欠ける作品ですね。
普通なら告白シーンとか結ばれるシーンとかクリスマスとか理帆が家に帰ってしまったときとか理帆の大学受験とかED付近で、何か事件やアクシデントなどが起こり、読む方はそういうところでハラハラしたり、気分がグッと盛り上がったりするものなんですが、この作品の場合、大した山や谷もなく、普通に淡々と進んでいくんですよね。

別にテキストが読みにくいとかつまらないとかそういうわけでもないんですが、あまりに淡々と進んで盛り上がりに欠けるので、読んでてどうにも作業感が漂います。
主人公である兄も真面目で良い人ではありますが、どうにも淡白で面白みがなく、なんで理帆がこの兄をここまで好きになったのか、よくわからなかったです。
兄を好きになった切っ掛けも作中で語られませんでしたし。

理帆についても、外ではしっかり者だけど家ではぐーたら、料理は苦手だけど家事は得意、普段は不真面目だけど目標があれば集中力を発揮するなど、色々特徴はあるんですが、「理帆といえばこれ!」という強烈な個性がないので、全体的な印象が薄いです。
可愛いか可愛くないかといえば、間違いなく可愛いんですけどね。

作中で兄妹がやたらと「普通の兄妹はそんなことしない」とか「普通じゃない」と言って、自分たち兄妹は普通ではないことを強調してましたが、僕から言わせればあまりに普通の兄妹過ぎて、こいつら何言ってんだ状態でした。

一定以上のクオリティは保っていますし、決して悪い作品ではないんですが、プレイして面白かったかと言われると微妙としか答えられない。僕にとって『家の妹』はそういう作品でした。

シナリオに盛り上がりがない作品は面白くないです
お気に入り度(10点満点) 8

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おまけ

jitsumai.hatenablog.com
プレイした際のTwitterでの呟きを別記事にまとめました。
良かったら参考にしてみてください。