注:この作品は隠れ実妹系の作品です。妹の存在自体がネタバレなのでなるべく伏せてはありますが、それでもプレイ時の楽しみを損なう恐れがあります。ネタバレが嫌な人は引き返してください。
作品情報
タイトル:古色迷宮輪舞曲(ふるいろめいきゅうロンド) ~HISTOIRE DE DESTIN~
ブランド:Yatagarasu 作品ページ
ジャンル:運命操作アドベンチャー
発売日:2012年7月27日
販売価格:8,800円(税別)
あらすじ
公式サイトのストーリー参照。
システム
このゲームには言葉(キーワード)、運命量、フローチャートなどが登場し、一般的なエロゲとはかなりシステムが異なります。
詳しくは公式サイトのシステムページを御覧ください。
セーブはオートセーブになっていて、自由にセーブは出来ません。Hシーンだけは回想モードで見られますが、気に入ったシーンをセーブで保存しておいて、すぐに見返すということは出来ないようになっています(システム的には、一応どのイベントにも飛ぶことは出来るようになっていますが、一部のイベントは一度しか見られないものもあったり、どこにどのイベントがあるのかを覚えていないといけなかったり、運命量の操作が必要だったりするので不便)。
ウインドウサイズは1280*720のワイド(変更可)。
システム設定は一通りのものは揃っていますが、右クリックでウインドウが消せないのが難。
修正パッチはありますが、それを当てても誤字脱字はチョコチョコあります。
ちなみに、これを書いてる時点で、パッチはリンク先が消滅していてダウンロード出来ません。
僕はDL版を購入して、最初からパッチ適用済みだったので問題なかったのですが、パッケージ版の人はどうしてるんですかね?
プレイ時間は、攻略サイトを見ながらプレイして、コンプまでに20時間ぐらいでした。
2019年7月9日追記
コメント欄で教えてもらいましたが、修正パッチは名和桜というサイトからダウンロード出来るそうです。
直リンクは出来ないので、パッチ・データベースからブランド一覧でYatagarasuを選んで検索し、名和桜をクリックした先のページからダウンロードしてください。
妹について
名前 | 年齢 | |
---|---|---|
名波 咲(ななみ さき)(ネタバレなので伏せ) | 兄の1つ下、高○1年生? | |
一人称 | 兄呼称 | |
私 | 貴様、行人(ゆきと)、ゆきと、お兄ちゃん、兄さん(ネタバレなので伏せ) | |
身長 | 体重 | スリーサイズ |
不明 | 不明 | 不明 |
CV | 原画 | シナリオ |
藤森ゆき奈(ネタバレなので伏せ) | 稲垣みいこ | 西村悠一、坂元星日(サブ) |
備考 | ||
隠れ実妹(傲岸不遜系・ツンツン、毒舌、ウサギ)(ネタバレなので伏せ) |
主人公の妹。
私立さつき丘学園1年生。
最初は出てこないが、物語が進むと米国から帰ってくる。
帰国子女だが英語は苦手。
喋り方は父や兄の影響で男らしく、兄に対しては、やたら尊大な態度を取ってくる。
甘味と野菜、ウサギが好き。
目と髪の色は兄と同じ。(ネタバレなので伏せ)
妹のCG枚数は全部で22枚。
内訳はイベントCG18枚に、HCG4枚。
お風呂とキスシーンのCGがお気に入り。
作中で実の妹と何度も出てくるので、実妹は確定。
「……金輪際、貴様を兄とは思わない」
「今日この時より貴様を『妹相手に欲情を催す変態』ではないかという疑念は捨てよう! 貴様こそ、私の兄に相応しい男だっ!!」
「ここにいる行人の感覚、言葉は……私だけのものだ。私だけが感じて、私だけが持って行くものだ……」(ネタバレなので伏せ)
兄について
主人公。
私立さつき丘学園2年生。
家族構成はゲーム開始時点では父親との2人家族。
後に妹がいることが判明する。
父親は仕事で渡米しており、母親は幼い頃に亡くなっているので、現在は学生用マンションで一人暮らしをしている。
物語冒頭で、「紅茶館・童話の森」という喫茶店でアルバイトをすることになる。
任侠映画が好きで、義理人情や仁義を重んじる性格。
立ち絵とパートボイスあり。
「一応弁解しておきますが……あれは咲の思い込みで、俺はシスコンでもなければ、そういう趣向もないですよ」
「咲……俺は……俺はっ……! お前を助けたいっ……犠牲になんてしたくないっ!」
「自分の運命を変えられるのは自分だけだ」
シナリオ
主人公が謎の少女に1週間後に死ぬと宣告され、それを回避するため、狂った運命の輪を元に戻そうとするお話。
この作品、妹が本格的に登場するまでの、最初の10時間が辛いです。
決してシナリオがつまらないわけではないですが、妹が登場しないシナリオを10時間かけて読むのは、かなりキツかった……。大変だからこそ、妹が登場した瞬間はめちゃくちゃテンション上がるので、一概に悪いとは言えないのですが。
最初に出会った時の妹の態度はツンツンです。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、兄には妹についての思い出や記憶がないのに、妹は兄について知っているというアンバランスな状態。
プレイヤーと主人公の視点を重ねるという意味では正解かもしれませんが、突然出てきたキャラが妹だと言われても感情移入しづらいですね。態度や口調も妹らしくありませんし、最後まで、兄妹の過去の思い出がほとんど描写されないのもマイナス。
兄妹描写についても、イマイチ。
一応、目や髪の色が同じだったり、兄妹の仕草や考え方が似ている、名前の由来などという描写があるにはありますが、先程書いた理由もあって兄妹らしさはあまり感じられません。
妹の兄呼称が最後まで呼び捨てで、両想いになっても態度が変わらなかったのも兄妹感の薄さを助長していますね。お兄ちゃん呼びに変化して、もうちょっと妹らしさを出してくれれば、今までとギャップが出て萌えられたと思うのですが……(作中で、ちょっとだけお兄ちゃんや兄さん呼びをするシーンはありましたが、そこは結構萌えました)。
主人公である兄も、あまり好きになれなかったですね。
妹が登場した時点で、兄には他に助けたい女性がいて、兄の優先順位が◯◯>妹というので、まず萎えます。
(ここからネタバレあります。未プレイの方はお気をつけ下さい)
中盤、◯◯を助けるために必要なことだったとはいえ、共犯者に唆されて一葉を自分に惚れさせるように仕向けて抱いたり、一葉と和奏を何度も殺すシーンはドン引きしました。これが◯◯のためではなく、最愛の妹を助けるためという理由で兄がやっていたなら、納得もしたし、感情移入できたと思うんですが、後で改心するとはいえ、◯◯を助けるためなら妹ですら犠牲にしようとする兄の思考回路には、まったく共感出来なかったですね。
兄が妹を好きになった理由、妹が兄を好きになった理由も、曖昧でわかりづらかったです。兄妹に限ったことではないですが、とにかく、この作品はキャラの描写が圧倒的に足りないんですよね。一部のヒロインの扱いも悪く、言っちゃ悪いですが、真相に至るための「踏み台」。申し訳程度に用意されている個別エンドも、かなり適当です。
他には妹がトゥルーヒロインと見せかけて、最後は「彼女」が美味しいところを持っていくのも……。
僕自身、彼女のことは可愛いと思いますし、あのおまけも楽しみましたけど、やっぱり妹であのおまけを楽しみたかったですね。相手が妹であれが出来たら本当に最高だったんですが……(もちろんプレイヤーではなく兄で)。
(ネタバレここまで)
親バレ、周りバレ
ネタバレなので隠します。構わない人は反転して読んでください。
無いです。
禁忌、背徳描写
ほとんどないですね。
兄は相手が妹だとわかっても、あまり気にしませんし、妹の方は多少気にしますが、大した問題や障害にはなりません。
まとめ
『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』と『EVER17』をプレイしているかどうかで、かなり評価が分かれる作品だと思います。僕はこの2作品をプレイ済みだったので、どうしても既視感が邪魔をして楽しめなかったですね。シナリオやトリック自体はよく出来ているので、エロゲ初心者の人なら、それなりに楽しめるかもしれません。
妹に関してはシナリオの項目で書きましたが、ハッキリいって微妙です。
兄妹感が薄く、兄妹描写もイマイチでは褒めようがない。両想いになった後のイチャラブもほとんど無いです。
作中で死の扱いがやたら軽いのも合わなかったですね。
別のルートに行けば、あっさり生きてる状態で会えるので、作中キャラが死んでも衝撃が全然無いし、緊張感も薄かったです。
キャラについての描写も不足しているので、キャラ萌えや感情移入もしづらい。妹以外で気に入ったのは、舞さんぐらいです。
シナリオ系作品としても、エロゲーとしても、妹モノとしても中途半端
お気に入り度(10点満点) 8