『妹りれき』2巻(完結)の感想

作品情報

妹の本音を語るのは…検索履歴だけ!?


「遺書 病気 書き方」「結婚式 どんな感じ」
「歌 下手 つらい」「運命の人 出会い方」などなど・・・
口をきいてくれない妹・いくみとの距離を縮めるため、
検索履歴を頼りにその素顔を知ろうと奮闘する兄・咲太郎。
2人は、昔のような仲の良い兄妹に戻れるのか・・・!?
妹の本心も遂に明かされる、新感覚ショートコメディー完結巻!!

上記はAmazonの内容紹介より転載。

2巻は、12件目から26件目(最終話)まで掲載。

この作品、当初は週刊少年サンデーでの連載だったのですが、作者の体調不良でサンデーSに移籍することになり、その後わずか数ヶ月で連載終了になってしまったという不遇な経緯を持つ作品です。

感想

jitsumai.hatenablog.com
兄妹については、前巻の感想に書いたので省略。







ところどころに挿入される、子供の頃の兄妹描写は相変わらず良いです。




2巻はいくみの可愛い描写もだいぶ増えています。


注:ここから作品の重大なネタバレがあるのでお気をつけください。










今までいくみが何を考えているのかは断片的にしか読者に示されなかったのですが、23件目ではとうとういくみ視点が登場し、ラストで兄が履歴を見ていることを実はいくみが知っていたという衝撃の事実が明かされます。

これに関しては、まったく気づかなかったですね。
ところどころ変な履歴あるなぁとは思ってましたが伏線だったとは……。

読んでて気になったのが中学生の頃にいくみが見てしまった「妹 うざい」という兄の検索履歴。
これ、てっきり何かの誤解かと思ったんですが、そういうわけじゃなかったんですね。
まぁ、思春期の男の子が妹をうざいと思うのはよくあることですが、この件については結局フォローどころか特に触れられることもなく終わってしまったので、ちょっとモヤモヤしたものが残りました。



超ブラコンないくみは可愛いんですけど、それが見られるのはラスト付近だけというのも惜しい。

ラストシーンも手を繋ぐとか腕を組むというわけでもなく、袖をちょんと掴むという中途半端な絵面なので、結局兄妹の関係がどういう風になったのかイマイチ想像しづらいです。







ネタバレここまで。

まとめ

うーん、もったいない……。
作者の体調不良と言われればどうしようもないですが、やっぱり2巻で終わるのは早すぎですね。
この作品のテーマである履歴の使い方についても、ラストで上手くまとめてはいますが、展開が早すぎて物足りなさを感じます。

今更こんなことを言ってもしょうがないですが、兄が履歴を見ていることをいくみが知っているということを1話で明かしてしまい、2話以降は前半で兄視点のエピソード、後半は妹視点で実は妹がどう思っていたかを描く、という風にしていれば可愛いいくみをもっと見られたし、兄がキモいと言われることも少なくなって、読者の興味を引くこともできたんじゃないかなぁ……。

兄妹描写は良かったし期待もしていただけに、どうにも中途半端な感じで終わってしまったのが残念でした。