『氷の鱗』のネタバレ感想

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注:この記事は『氷の鱗』のネタバレが多大に含まれております。
まだ読んでいない方は、楽しみが損なわれる可能性がありますし、そもそも読んでることを前提に書いているので、お気をつけください。

『氷の鱗』


2/パドドゥより
初見だと気づかなかったですが、ここのかすみは、ユキと仲良さそうにしてるマオに対してめちゃくちゃ怒ってますね。


3/闇に笑う黒より
ユキは気づいてませんが、かすみは暗に「ユキには才能がない」と言ってます。
タイトルの「闇に笑う黒」というのは霞のことですね。
マオを利用して、ユキを自分から離れられなくしようというかすみの計画はここから始まっています。


4/サクラクラクラより
櫻庭はケンカと解釈していますが、仕事系のお守りをいらないというユキの発言は、ユキのかすみに対する「(かすみに)そんなもの必要ない」という信頼を表してますね。


ここのユキの発言は、かすみと兄妹でなければよかったのに(それなら何の問題もなく愛し合えた)という、ユキの心の内が垣間見えますね。


5/渦より
かすみは、もうこの時点でマオを切り捨てる気満々ですね。


7/僕のコッペリア(前編)より
昔のユキ。
ユキがバレエを始めたのは兄の影響っぽいですね。


このユキの最後の表情……。


8/僕のコッペリア(後編)より
一番大事な物=ユキでいいんですよね?


この頃のかすみは本当に良い兄だったのになぁ……。
ユキをプリンシパルにしてあげるという約束は、のちにちゃんと果たされます。


このユキの眼……。
ユキはサヤカのことが嫌いだったようですし、かすみとサヤカの破局も、ユキが意図的に誘導したような節がありますね。



かすみを誘惑するユキ。
純粋に良い兄だったかすみがおかしくなったのは、間違いなくユキのせいですね。
ここからすべてが狂っていきます。


9/スパイダーネストより
バレエの実力がマオ>ユキになるということを予測しているかすみ。
実際この通りになるんだから、かすみの眼力は大したものです。


例え絵でも、ユキがマオの傍にいるのが気に入らないかすみ
独占欲は相当強いですね。


マオがユキに手を出したことに気づいてガチギレなかすみ。
独占欲は(以下略)。


10/闇のち雨より
吉谷兄妹の瞳の色と肌の質感は同じらしいです。


11/いーじゃん!いーじゃん!スゲーじゃん?!より
血液を入れ替えれば何かが変わるかもしれないというかすみの発言は、ユキとの血の繋がりを意識したものですね。
ユキもそうですが、この兄妹は血の繋がりを障害としか捉えてないのが残念です。
余談ですが、かすみの気持ち悪いという発言は、マオと血の繋がった兄弟になんてなりたくないという意味ですね、ひどい(笑)。


15/赤の虚飾より
昔のかすみは本当に良いお兄さんだったみたいですね。
アキラは吉谷兄妹の関係に気づいていますが、反対はしていません。


16/吉谷 霞の心裏学より
旅行先でユキに「結婚」指輪を渡すかすみ。


彼女と最近疎遠だとマオに話すかすみ。

一見ラブラブで上手く言っているように見える兄妹ですが、この2つの行動には「ユキをマオに取られるのではないか?」というかすみの不安な「心裏」が垣間見えますね。


20/腹を割って話そうより
「必死だね……僕もだけど」の部分に、かすみの本音が出てます。
一見余裕そうに振る舞っているかすみですが、内心ではかなり不安なようです。




酔ってアキラに本音を話すかすみ。
アキラとは昔からの付き合いだけあって、本音をさらけだせるみたいですね。
もしアキラと付き合っていたら、今こんな風にはなっていなかったかもしれないと後悔しているのでしょうか?

ちなみに会話に出てくるトランジってのは、こういうものらしいです。
妹との心中を考えるぐらい、かすみの心境は不安定なご様子。


マオにした彼女と疎遠発言は、意図的ではなく落ち度であることがわかる描写。
この時のかすみは酔ってますし、信頼性は高いでしょう。
かすみの言う通り、兄妹の結婚は愛だけじゃ出来ませんね。


ユキが生まれた時の描写。
妹の名前を兄が付けるって珍しいですね。


21/貴女ノ為ノ此ノ命。より
実妹描写。
今更ですが、二人が血の繋がった兄妹であることは疑いの余地がないでしょう。


かすみは人間としてはアレですが、妹を愛しているという部分に関しては本物なんですよね。


これは第8話でユキがかすみを誘って一線を越えた時の話ですね。
「お人形」というのはもちろんユキのことです。


カスミが櫻庭の発言に過剰反応するのは、マオの存在を恐れているからですね。


この櫻庭の発言は的を射ています。
かすみでは壊れたユキを直せない。
直せる可能性があるのは、櫻庭やマオなんですよね。


マオから誕生日プレゼントの指輪をもらうユキ。
この指輪は、今後何度も出てくるキーアイテムです。


ユキからマオの指輪を取り上げるかすみ。
大人げないなぁ……。


かすみに取り上げられたマオの指輪を返して欲しいというユキ。
かすみはコンクールが終わった後に、ユキが自分とマオのどちらを選ぶか試すつもりなのか、ここではまだ返そうとしません。


22/ドンキホーテ第一幕より
バジル=かすみ、キトリ=ユキという比喩表現ですね。
まぁ、実際はバジルの方が必死なんですが(笑)。


ここもかすみとユキの比喩ですね。
「これはいけない恋じゃないもの」という部分を暗くする作者さんのセンスが光ります。



23/バジルのヴァリアシオンより
兄妹の関係を否定して地雷を踏みまくるマオ。
マオに悪気はないのでしょうが、どうにもデリカシーに欠けるところがありますね……。



ここは『氷の鱗』のラストの伏線ですね。
ドン・キホーテが櫻庭、ロレンツォがマオかな。
細部は結構違いますが……。


ここでユキの様子が変なのは、かすみのバジルを見てかすみに対する恋心が溢れるのと同時に、かすみとの関係に不安を感じているからですね。
不安を感じている原因は、さっき連発していたマオのデリカシーのない発言です。


ここでカスミがいうユキを助けてというのは、コンクールの話ですね。
ユキに勝って、自分の才能の無さという現実を教えてあげてほしいと言っています。
マオがいう頸動脈云々については、かすみのマオに対する感情を自分でも気づかないうちに察しているのでしょうか?


マオのデリカシーのない発言に傷つき、櫻庭に泣きつくユキ。
息子のフォローをしなければいけない父親も大変だ(笑)。



24/呪縛音より
櫻庭にかすみとの関係を話すユキと引き続き息子のフォローをする櫻庭。
ユキの精神は相当不安定になっています。


ユキを抱こうとするかすみ。
「僕しか映ってない」という台詞が、かすみの独占欲と不安をよく表しています。


初めて僕に抱かれた時の気持ちというのは、恋人としてではなく、兄に対する気持ちのことですね。
櫻庭とマオの影響でユキのかすみに対する気持ちが揺れ動いているのを、かすみは敏感に察しています。



25/オデット、グランアダージョより
ユキの踊りのミスを指摘したりせず、更にその最中にキスをするというらしくないことをするかすみ。
コンクール後のユキの選択次第では、もう2度と一緒に踊れなくなるかもしれないという不安からの行動かな?

本人も別のところで語っていますが、かすみはユキのことに関しては結構臆病なんですよね。



28/決戦より
ユキを煽ってひっぱたかれるかすみ。
かすみの意図については後に語られるので、後述。


櫻庭にあったかさを感じるユキ。
この理由についても後述。


予定通りにユキはマオに破れ、ユキを壊すことに成功するかすみ。



29/憎しみの独り芝居より
マスコミにマオとユキを紹介するかすみ。
子供が出来た時の隠れ蓑として、マオを利用するための仕込みですね。


ユキに対するアンサー。
コンクール前にユキを煽ったのはユキに足りないものを引き出すため、コンクール後にマスコミの前でユキを悪く言ったのは、自分を悪者にしてユキを守るため、ということですね。





かすみがマオに手を出した理由。
妹を手に入れるためにここまでやるかすみには、空恐ろしさを感じます。


ユキに選択を迫るかすみ。
一見、ユキに選択権があるように見えますが、ここまでのかすみの仕込みを考えると、答えは明白ですよね。


30/千秋楽より
ユキの罪悪感を煽るかすみ。
最後まで手は抜かないですね。



もはや脅しに近い。
自分を選ばなければ、第ニのマオが誕生すると言ってるようなもんですからね。


マオに指輪を返し、かすみを選ぶユキ。


現実を見せつけて、ユキの逃げ道を塞ぐかすみ。
本当に残酷ですね……。


かすみを越えて氷の鱗を溶かす。
これは『ミスター残念賞』のラストで部分的に果たされます。
こいつらってのは、かすみとユキですね。


影山さんとかすみの会話。
ユキがバルコニーから飛び降りようとする伏線です。


3/君を思い出せば後悔だらけで真っ黒になったより
ユキが飛び降りようとした理由については、続編の『ミスター残念賞』でユキ自身が語っていますね。


櫻庭が懐かしいと感じる理由。
初めて人を好きになった時と同じ気持ち(かすみへの気持ち)=年上の頼れる男性に対する憧れ、つまりかすみと似ている櫻庭に惹かれていたということですね。
そして、そんな櫻庭に似ているマオにも惹かれかけていたのでしょう。
この辺については前話でかすみが語っていましたが、かすみは本人よりユキの気持ちを理解していますね。


マオに会いに来るユキ。
マオは結局エトルタの太陽にはなれず、エスポワール止まりだったようです。
マオの復讐が達成されるのは続編でですね。



櫻庭の願いをかなえる為にマオの指輪は受け取るが、マオのことは受け入れないユキ。
これ以上マオを自分たちのことに巻き込みたくないという、ユキなりの優しさなのでしょう。



ユキの望みは、兄のかすみが塗りつぶしてしまったマオが、自分を取り戻すこと。
これは櫻庭の望みでもあります。
ユキの望み=かすみの望みなので、間接的にかすみの望みでもありますね。
続編でかすみがマオやアサトにやけに協力的なのは、ユキの望みを叶えるためです。


各自、その後の話より
あまり幸せそうに見えないんですが……。


ユキがかすみを選んだことが幸せなのかどうかは、正直疑問。
僕にはユキがかすみを壊してしまったことと、自分のせいでかすみがマオにしたことに対する罪悪感で、かすみを選んだようにしか見えないんですよね……。
その選択だって、ほとんどかすみの誘導ですし。
まぁ、周りの見方がどうあれ、本人が幸せだというなら、そうなのかもしれませんが。

『氷の鱗』のネタバレ感想はここまで。
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思ってた以上に長くなってしまったので、『ミスター残念賞』のネタバレ感想は別記事に分けました。