『にえるち』の感想

作品情報

にえるち (Feelコミックス)

にえるち (Feelコミックス)

2ヶ月差の異母兄弟であるセラとルミナ。 父と二人の母たちに仲良く育てられた結果、男女として惹かれ合い、一線を越えかける。 親への発覚、別離、再会を経て、彼らが選んだ道は―― 異母兄弟の10年愛

上記はAmazonの内容紹介より転載。(異母兄弟とありますが、兄弟ではなく、兄妹の話です)

全1巻の一般漫画です。

注意

この作品は、いわゆるNGな要素がかなりあります。
兄が他の女とキスしたり、女性のヒモになるクズい部分があったり、妹が兄以外の男とセックスしようとしたり、水商売をやってタバコを吸ってたり。こういった要素がどうしても苦手で受け入れられない人は、ブラウザバックした方がいいでしょう。

ただ、個人的にはそんな理由でこの作品を読まないのは非常にもったいないと思います。

感想

相当重い作品です。

父親はどうしようもないクズですし、浮気相手との関係を含め、家庭環境は複雑。兄のセラは自分が浮気で生まれた子供であることに、コンプレックスを持っています。

この作品に関してはネタバレ無しで読んでほしいので、詳しくは書きませんが、一般で、兄妹恋愛、近親相姦、妊娠、出産、子育てまでやる凄い作品です。
特に心理描写が素晴らしいですし、背徳感もありますので、そういうのが好きな人にはたまらない一品。

そこらのエロゲの妹シナリオなんて束にかかっても敵わないぐらいの良作なので、騙されたと思って読んでみてください。この1巻で完結していますし、漫画だから値段もそんなに高くありませんので、たとえ外してもそんなに痛くはないはずです。

ネタバレ感想ページ

上記のリンク先は既読者向けの解説です。
未読の人にとってはネタバレの嵐なので、未読の人は絶対に読まないでください。面白さが半減します。

この作品に関しては、先がわからない状態で「この先どうなるんだろう?」とドキドキしながら読んでほしいので、軽い気持ちでネタバレを見てほしくないです。
しつこいようですが、リンク先には作品を読んでから進んでください。

非処女キャラについて

非処女キャラについて

(作品の重大なネタバレあります、お気をつけください)

昔、『りびんぐゲーム』という漫画があったんですよ。
この作品には非常に純朴そうなヒロイン(15歳、社会人)がいて、主人公(25歳、社会人)に好意を寄せてくるんですね。主人公も彼女のことが気になっていたのですが、年齢的な差もあってなかなか手を出せなかったところに、実は彼女は非処女だったという過去が明かされましてね。

当時高校生だった僕にはとても衝撃的な展開だったのですが、主人公は彼女の初めての男は俺なんだと勝ち誇るクソガキに対し、「それがどうした、今彼女が好きなのは俺なんだよ」という感じに堂々と受け答えして、論破するんですね。(記憶で書いてるので、細かい部分はちょっと違うかも……)

それを見て、僕は主人公の大人な態度に非常に感銘を受けたのと同時に、彼女が非処女であることに嫌悪感を覚えた自分が恥ずかしくなりましたね。

ぼくのマリー 1 (ヤングジャンプコミックス)

ぼくのマリー 1 (ヤングジャンプコミックス)

(作品の重大なネタバレあります、お気をつけください)

りびんぐゲーム』の後に読んだ作品ですが、この作品は終盤になると、主人公が初期から想いを寄せていたヒロインが、実は昔付き合っていた男がいて非処女だったという衝撃の事実が発覚します。

それまで彼女に抱いていた憧れや幻想を破壊された主人公は、ショックで彼女を散々罵倒するんですが、それを見て僕はなんて情けない男なんだろうと思いましたね。

僕はこの2作品を読んで、女性を処女、非処女で差別するのはよくないということを学びました。

僕にはリアル妹が2人いるのですが、妹に彼氏がいると知った時、結婚した時、子供ができた時は、兄としてそれなりにショックを受けましたし、正直あまり面白い気分ではなかったです。

……が、妹が幸せになるのは当然良いことですし、兄として邪魔するわけにもいかないので、そういう内心はおくびにも出さず、普通に祝福の言葉をかけましたね。

当たり前ですが、妹が非処女になったからという理由で嫌いになったりはしませんでした。非処女だろうが、結婚しようが、子供を産もうが、妹が妹であることに変わりはありませんからね。

最近(特にここ数年)は、ヒロインが処女であるのが当たり前で、過去に男と付き合ったり、非処女だったりするのはNGという風潮がありますが(特にエロゲ)、僕はこの風潮は好きじゃないですね。

この風潮ができるきっかけになったのは、2004年にelfから発売された『下級生2』のたまきの件が大きいと思いますが、

参考記事
dic.nicovideo.jp
dic.nicovideo.jp

これはたまきが非処女だったから叩かれたというよりも、明らかにメインヒロインで処女だと思われるようなキャラが非処女でだまし討ちのような形になったのと、たまきの発言やシナリオにユーザーを不快にさせる要素が多かったのが大きいと思います。

これが3、4番手ぐらいのキャラで、ちゃんとしたキャラやシナリオだったら別に問題にはならなかったでしょう。(実際、作中の香月というキャラはいかにも男性経験など無さそうにみえて、実際は非処女という設定でしたが、たまきのように叩かれたりはしなかったです)

まぁ、僕も嫌いな義妹オチを見つけたら叩きますし、そんな偉そうなことを言える立場でもありませんが、最近のエロゲヒロインの処女傾向はちょっと異常なんじゃないですかね?

僕個人としては、たくさんヒロインがいるなら、一人ぐらい過去に男と付き合っていたり、非処女だったりするキャラがいても別に構わないと思うんですが。(この辺はブランドカラーもありますし、仮にクロシェットまどそふとゆずソフトあたりがとち狂って非処女ヒロインを出したりしたら、叩かれるのは間違いないでしょう)

非処女キャラを出してユーザーに叩かれるリスクを負うよりは、無難な処女キャラで固めた方が安全というメーカーの判断は理解できます。でも、その結果できる作品が、萌え以外は何も無い、読んでて退屈な眠くなるような作品ばかりだとしたら、ユーザーがエロゲに飽きて離れていってしまうのは必然だと思います。

こういう「エロゲのヒロインは処女じゃないといけない」という風潮ができたのは、エロゲメーカーが悪いというよりは、非処女キャラを叩きまくった声の大きい一部のユーザーに問題があったと思います。そういった叩きはクリエイターや企業などの萎縮を招きますし、作品の自由度が狭まるのでやめて欲しいんですけどねぇ……。

発売前に非処女であることを隠しておいて、後出しでヒロインの非処女が発覚するとユーザーが怒るのはしょうがないとして、せめて発売前にキャラ紹介で非処女を明言するか匂わせていればOKぐらいの寛容さはあっても良いんじゃないでしょうか?


最後になりますが、この記事を書くにあたって、事前にツイッターでアンケートを取ってみました。
母数がそれほど多くないので、どこまで世間の実情を反映しているかは保証できませんが、このアンケートを見る限りは、非処女キャラを許せない人は少数で、許せるかどうかは作品内容によるという人が半数近くなのがわかります。残りの許せると気にしないという層を合わせると半数近くは非処女キャラに寛容のようです。

ヒロインは絶対に処女でなくてはならない。
こんな馬鹿げた風潮が、少しでも変わってくれると良いのですが……。

『イモコン』第34話「因縁」の感想

ganma.jp

感想はネタバレありなので、先に34話を読んでから読むことをお勧めします。


感想

白石父とデュプリー父が試合開始直前に登場。

白石父が匠に彼女ができたか聞いていましたが、匠はそういうのにまったく興味無さそう。
対して織依の方の反応は微妙ですね。今のところ想い人がいるって感じではないですが。

会話でレジーヌという女性が出てきましたが、カレルの母親かな?
白石父との関係は不明。

カレルはヨーヨーを武器に戦うみたいですね。
服装を含めて格好良いです。
jitsumai.hatenablog.com
白石父、デュプリー父、レジーヌの項目を追加。デュプリー兄妹、サーシャ兄、ジャンデル・レイボーンの項目に追記。

『たがいの罅』250~251公開

『たがいの罅』250~251公開

250

別に御嵜が悪い人間じゃないのはわかっていますが、兄目線で見ると、妹と仲良くする男性キャラというのはどうしても好きにはなれないですね。和音もガードが緩いところありますし、どうにも見てて心配になってしまいます。

本館の方では本編漫画ピクモフページも更新されています。