作品情報
『シスター・プリンセス』の原作者である公野櫻子先生による描き下ろし小説。全12巻からなる『キャラクターコレクション』のうちの1冊で、鈴凛視点の独白形式によるエピソードが7編掲載されています。
鈴凛について
名前 | 推定年齢 | 一人称 | 兄呼称 |
---|---|---|---|
鈴凛 | 12~14歳 | 私(わたし)、リン(幼少時) | アニキ |
身長 | 誕生日 | 星座 | CV |
152cm | 7月9日 | 蟹座 | 神崎ちろ |
メカいじりが大好きな妹。
兄のために役立つ発明品を作ろうと日々頑張っているが、お金が足りないと兄に資金援助をお願いするちゃっかりしたところも。
料理は苦手。
感想
1 レースのハンカチ
鈴凛の自己紹介とクラスメイトの小森さんとのお話。
私の家は……アニキと私の2人兄妹。
なかには誤解している人もいるようですが、原作は兄と妹2人の兄妹関係が基本です。(原作3期のみは妹が12人いるという設定で妹同士の関係が描かれましたが、それ以降は元に戻りました)
主人公(兄)に12人の妹がいるというのは、ゲームとアニメのみの設定ですよ。
理科の授業で、実験中に希塩酸のビンを倒してしまった鈴凛。
クラスメイトの小森さんが貸してくれたハンカチを汚してしまい、新しいのを買って返そうとする鈴凛ですが……
「あ……あの……私のお姉さまになってください♡」
そして私の方へたたたっと走って……腕の中へ。
う、ウソでしょ?
……ア、アニキ……私……ど、どうしよう!?
なぜか唐突な百合展開に。
ちなみに話はここで終わりで、この後どうなったかは不明。
この後の話でも小森さんは一切出てきません。
なんなんですかね? この話は。
2 お掃除大好き!
鈴凛が部屋の大掃除をしている最中に見つけたラジコンの水上飛行機の思い出話。
資金援助のおねだりをするたびに……アニキが快く「いいよ」って言ってくれる時は、わぁー私ってば愛されてる♡ って思えてホントに嬉しいんだけど……でも、いつか嫌われちゃったらどうしようって……。最近はそんなこともチラッと考えたり……しなくはないのよね。アニキだってホントはもう彼女とか……いてもおかしくない年だしさ、まして……お金のかかる妹の面倒なんか……見てらんないって思うの、当たり前かもしれないもの……。
人によっては、「がめつい」だの「お金目当て」だの言われたりもする鈴凛ですが、兄に対して罪悪感はちゃんと持っている模様。
ちょっぴり切ない要素もありますが、仲の良い兄妹の微笑ましいお話です。
4 幽霊でガッポリ!
幽霊の噂を聞いた鈴凛が、兄と一緒に教会の墓地へ出かけ、幽霊の映像を撮ろうとするお話。
幽霊の映像を撮ってTV局に高く売りつけようと張り切る鈴凛。
しかし、いざ幽霊に出会った途端、怖がって兄にしがみつく姿はなかなか可愛かったです。
5 東風が吹いたら
リピュアの鈴凛のキャラクターズパートの元になったお話。
鈴凛の祖父であるジジとの思い出話。
原作を読むと、アニメのアレンジぶりがいかに素晴らしいかがよくわかります。
この話に関しては、間違いなくアニメの方が良い出来です。
7 もうひとつの未来
鈴凛の夢であるアメリカ留学とメカ鈴凛に込めた思いが語られるお話。
でも私……メカ鈴凛を作っていくうちにだんだんわかってきちゃった。これって、アニキのためなんかじゃない……メカ鈴凛を置いていきたいのは……本当は私自身のため……。だって……もしも、私のいない間に……アニキが私のこと忘れちゃったりしたら……。うぅん。そうじゃない……正直じゃないね、私……。
本当は……本当は思ってた……アニキのとなりの……いつも私がいた場所を……私が目を離したスキにほかの女の子に取られちゃったりしたら、どうしようって……。……そんなことを考えていたくせに……。
珍しく乙女チックな鈴凛。
だから……。メカ鈴凛は、いざっていう時のために用意した私の……形代。
いつまでも、アニキのそばにいられる、私の身代わり……。
きっとね……この子が内気すぎるのは……私がこの子に……アニキと仲良くなりすぎないでほしいって……どこかで思っているせいなのかもしれないね……。