前置き
前から思ってたんですけど、エロゲのプレイって面倒くさくないですか?
フルプライスの平均的な萌えエロゲなら、大体プレイ時間は共通ルートで3、4時間、ヒロインの個別ルートが2、3時間*4~5人で合計約12~20時間ってところだと思うんですが、毎日平均10時間から12時間働いている社会人ゲーマーの自分には、空いた時間でこれだけの時間を捻出するのは結構厳しい。
なかなかエロゲをプレイするまとまった時間が取れないので、ついつい手軽に見れるアニメや漫画、低価格のエロゲなどに流れがちです。そういった状況では、気になってもプレイできないエロゲが増えるばかり。
フルプライスのエロゲって大抵ヒロインが複数いますよね?
エロゲでもっとも一般的なジャンルの学園モノだと、大体4~5人の作品がほとんどです。
その中には大抵1人か2人ぐらいは気になったヒロインがいて、気に入ったら体験版をプレイし、面白かったなら購入。購入した後は、時間のある人なら全員攻略。仕事や勉強が忙しかったりして時間が無い人、毎月たくさんプレイするヘビーエロゲーマーのような人はお気に入りヒロインだけ攻略して満足して、それ以外のヒロインは流し読みしてさっさと終わらせるか、sagaoでセーブデータを当てて回想シーンだけ見る。……なんてのがエロゲユーザーの一般的なプレイスタイルでしょうか?
でも、これってかなり無駄がありませんか?
まず、全員攻略する時間がある人の場合ですけど、先程も書きましたが、作品のお気に入りヒロインなんて大抵1人か2人ぐらいですよね? お気に入り以外のヒロインについては「一応買ったからにはコンプまでプレイしないともったいない」とか「プレイするからには全員攻略におまけルートまでプレイしてCG100%にしないと気が済まない」とか、そういう理由でプレイしていませんか? 別にエロゲをプレイする理由は人それぞれなので、個人の勝手といえばそれまでですが、僕はこれって効率が悪くて、かなりの時間の無駄だと思います。
共通ルートでヒロインと出会い、一緒に行動したり、ヒロインの悩みを解決したりしていくうちにお互いの好感度が上がり、ヒロインの個別ルートに入ったら、主人公がヒロインに対する自分の気持ちに気づき、悩んだ末に告白。めでたく結ばれた後は、イチャイチャしながら何回かHしてるうちに、二人の間に何らかのトラブルが起き、それを乗り越えたらハッピーエンド。
これがエロゲのテンプレなわけですが、これを各作品、ヒロインごとに何度も繰り返すのは結構辛いし、どの作品も似たような展開なので、読んでてすぐに飽きます。ほとんどの人はお気に入りキャラ以外のシナリオなんて内容をさっさと忘れてしまい、再プレイすることはほとんど無いでしょう。
次にお気に入りのヒロインのルートだけプレイする人の場合ですけど、たかだか1人か2人のルートをプレイするためだけに、わざわざ高いお金を出すのってもったいなくないですか? そんなの気にならないというゆとりのある人かお金持ちなら別でしょうけど、普通の学生や社会人なら、毎月のエロゲ代って馬鹿にならないと思いますし、時間的にはともかくとして、金銭的には非常に効率が悪いです。
メーカーからすると「ヒロインをたくさん用意すれば、1人ぐらいはユーザーの気に入ったキャラがいるだろう」というつもりかもしれませんが、エロゲユーザーからすると「お気に入りのキャラ以外のヒロインは別に必要ない」わけですよ。
その他のヒロインのルートは「IFの世界でのおまけルート」に過ぎません。
(上記はあくまで一般的なエロゲやユーザーを想定した話です。シナリオゲーやゲーム性のある作品なら別でしょうし、違う考えの持ち主もいると思いますが、話がややこしくなるので、ここでは置いておきます)
本題
さて、ここからが本題です。
要はですね、エロゲユーザー的には共通ルートとお気に入りヒロインのルートだけあればいいんですよ。
例えば体験版で共通ルートを無料配布し、気に入ったヒロインがいればそのヒロインが攻略できるルート分のゲーム内容を、公式サイトや各ダウンロード販売サイトなどで、1500円から2000円ぐらいでダウンロード購入できるようにするというのはどうでしょうか?
各エロゲショップでヒロインのルートごとをパッケージでバラ売りという選択肢もありますが、これはコスト的にかなり無駄がありそうなので、現実的ではないと思います。(おそらく人気のあるヒロインだけが売れてしまい、人気が無いヒロインは売れずに投売りされるでしょう)
すべてのヒロインをプレイしたい人や分割は嫌だという人向けには、全部まとめたパッケージ版を買えばOK。
つまりユーザー側に選択肢を複数用意すれば良いわけです。
……とまあ、これはエロゲ業界の人やエロゲユーザーなら一度は考えたことがあると思うし、実際に似たような例として『彼女のセイイキ』や『9-nine-ここのつここのかここのいろ』、『Pure Marriage ~赤い糸物語 まどか編~』の様な作品もあります。僕はフルプライスより、この形式の方がありがたいので、どんどん広まって欲しいですね。
もう一つ考えたのが、作品のヒロインを2、3人ずつに分けたセット売り。
これも『真剣で私に恋しなさい! A』で既に行われているのですが、それとはまたちょっと違うやり方です。
エロゲって原画家やシナリオライターが複数の作品が多いですよね? 担当を複数にすることによって、それぞれの作業量と負担を減らし、発売までのスパンを短くして販売するというのは大抵のメーカーがやっていることですが、それをフルプライスの1つの作品として売るのではなく、ミドルプライスで半額ぐらいで売ることってできないんでしょうか?
たとえば同じ世界観で同じ主人公にヒロインが4人いる○○という作品を9800円で売るのではなく、Aという原画家とA'というライターがヒロインaとb、Bという原画家とB'というライターがヒロインcとdをそれぞれ2人ずつ担当し、Aが担当する○○ab編ではヒロインaとbが攻略でき、Bが担当する○○cd編ではヒロインcとdが攻略できる4900円のミドルプライス作品として、2つに分けて販売するというやり方です。
これならプレイヤーはフルプライス作品に比べ、4分の1の時間(ヒロイン1人しか攻略しない場合)と半分の金額で気に入ったヒロインを攻略できます。
特典に関しても、フルプライス作品で6店が各ヒロインの描き下ろし特典を付ける場合、お気に入りのヒロインの特典は1つか2つの店しかないという状況になりがちですが、この販売方法なら○○ab編に6店が描き下ろし特典を付けるとして、aのキャラの描き下ろし特典が3店、bのキャラの描き下ろし特典が3店になります。同じく○○cd編ならヒロインcとdにも同じように6店が3つずつ描き下ろし特典を付けられるので、買う方としてもフルプライス作品よりお店の選択の幅が広がります。(値段が安い分、複数買いもしやすい)
実際にやるとなると、いろいろと問題もあるかもしれませんが(ミドルプライスでフルプライスと同じ特典がつけられるのか? とか)、一つのやり方としてどうでしょう?
タイトルに書きましたがヒロイン4~5人でフルプライスの作品はもはや時代遅れではないか? と思います。時代や状況に合わせて、制作や販売方法を変える時期がエロゲ業界にも来ていると僕は思うのですが……。