御法 光 『運命予報をお知らせします』(依存系・ヤキモチ妬き、健気、積極的)

作品情報

タイトル:運命予報をお知らせします
ブランド:ヨナキウグイス 作品ページ
ジャンル:ADV
発売日:2013年4月26日
販売価格:8,800円(税別)

あらすじ

公式サイトのストーリー参照。

システム

クリックで読み進めていき、選択肢でシナリオが分岐する、一般的なエロゲ。

この作品はシナリオの進み方が少し特殊で、各ヒロインが登場する共通ルートが終わると、ヒロインAがメインの共通ルートが始まり、そのヒロインと良い仲になったところで分岐が登場、ヒロインAを選ぶとヒロインAエンド。ヒロインAを振ると今度はヒロインBがメインの共通ルートが始まり、また分岐。これを繰り返してシナリオが進んでいきます。次のヒロインに行くためには、必ずヒロインを振る必要があります。『妹のおかげでモテすぎてヤバい。』でも同じようなシステムがありましたが、好意を寄せてくれたヒロインを振って泣かせてしまうのは、かなり心が痛みますので、ご注意を。

共通ルートの長さは飛び飛びでプレイしたので不正確ですが、8時間ぐらい? 各ヒロインルートは短めで、1時間~1時間半ぐらいで終わってしまいます。

ウインドウサイズは1024*768で非ワイド。
2013年でこの解像度のゲームはわりと珍しいような……。
システム設定項目は少なめですが、必要最低限のものは揃っています。

右クリックがメッセージウインドウ消しではなくシステム設定呼び出しのみで変更不可、シーンジャンプ、バックログからシーンに戻る機能が無いのは困りましたが。

誤字脱字はかなり多いです。どうでもいいシーンならともかく、大事なシーンで誤字や脱字をされるとかなり盛り下がるので、やめて欲しいんですけどねぇ……。

観月ルートでは台詞とボイスが合ってないところもあったり、ボイス設定の箒木(ははきぎ)先輩の名字が間違ってたり、箒木先輩のボイス音量を下げると他のキャラの音声まで下がってしまったりと細かいバグがありますが、修正ファイルは無し。
コンプしてもCGモードの最後の1枠が埋まらないのは仕様のようです。

裸立ち絵は無し。

妹について

名前 年齢
御法 光(みのり ひかり) 兄の1つ下、高○1年生?
一人称 兄呼称
わたし 兄さん、お兄ちゃん(幼少時)、にーさん(幼少時)
身長 体重 スリーサイズ
不明 不明 不明
CV 原画 シナリオ
唯香 夕霧 ルクル
備考
9月24日生まれ

主人公の妹。
紫明(しめい)学園1年1組の学生。
生徒会執行部で書紀を務めている。

兄と同じく他人が苦手で友達がいないが、執行部の人間とだけは仲が良い。
兄のことは大好きでアプローチもしているが、兄には本気に取られず相手にされていない。
独占欲は強く、兄が他の女の子と仲良くすることを快く思っていない。

光の実義は公式サイトのキャラ紹介実妹と紹介されてますし、作中でも実の妹という表現があるので、実妹で間違いないと思います。

光のCG枚数は19枚。
内訳はイベントCG13枚に、HCG6枚。
夕日でのキスシーンと兄をかばうCGがお気に入り。

「お昼休みに兄さんに近づいていた女子学生は、わたしの敵ですか?」


「わたしに欲情したら、いつでも手を出してくれて構いませんからね」


「わたしは全てを捨てて、兄さんと共に生きられます。お父さんとお母さんに認められなくても、誰に認められなくても、兄さんと一緒にいますから」

兄について

主人公。
紫明学園2年1組の学生。

家族構成は両親と妹の4人家族。
父親は一流企業の商社マンなのでめったに家にはおらず、母親と妹と一緒に暮らしている。(両親は光ルートに登場し、台詞もありますが、立ち絵やボイスはありません)

コミュニケーションが苦手で、友達のいない学生生活を送っている……という設定だが、実際はわりと普通のエロゲ主人公。
捻くれて後ろ向きすぎるところはありますが、ヒロイン相手には冗談も言うし、コミュニケーションもちゃんと取れています。

妹とは仲が良くとても可愛がっていて、重度のシスコン。
妹との関係は共依存と言えるレベル。

「言っとくけど、僕のお前に対する溺愛っぷりは全国でもトップクラスだと自負しているぞ? シスコンであることを誇りに思ってるくらいには、僕はお前のことを愛している」


「だったら妹に萌えられる僕のような存在は、とても幸せなことだなって。近すぎても尚、僕はお前に萌えられる。兄貴冥利に尽きるよ」


「好きなんだ。光のことが、好きだから。今、この愛情が一時のものでないと確信しているから――僕は、逃げないんだよ」

シナリオ

過去の出来事によってトラウマを抱え、クラスでも孤立していた主人公が、今までの自分を変えるために臨時庶務選挙を通じて生徒会入りし、各ヒロインと仲良くなっていくのが最初の共通ルート。

妹の光は、最初から好感度MAX状態。
兄も相当なシスコンですが、それでもあくまで兄妹の範囲内での仲の良さ。
多少妹が踏み込んできても、兄妹だからということで、一線を越えたりはしないという状態がしばらく続きます。

そんなある日、自分への誕生日プレゼントはべろちゅーが欲しいと言い出した光に対し、頬ならいいかとキスをしようとした兄が、事故で唇にキスをしてしまったことがきっかけで、今まで抑えていた光のストッパーが外れてしまいます。

これまでと違う距離感で兄に甘えてくる光は、登校時に恋人繋ぎをしてきたり、一緒の布団で寝ようとしたり、おはようのちゅー(頬)をしてきたりします。そんな光の行動に戸惑い、光に対してどう接すればいいのか悩み始める兄。

しかし、光はそんな兄の曖昧な態度は許さず、ハッキリと兄を愛していると執行部の面々の前で宣言します。この宣言を受けて妹としっかり向き合うことを決めた兄は、周りに相談しながら、妹のことを真剣に考え始めます。

ちなみに、ここまでが共通ルートです。この後、光から誘われたデート後に選択肢が出てきて、そこから妹ルートに分岐します。


(ここからネタバレあります。未プレイの方はお気をつけ下さい)






光に好きだと伝え、恋人関係になる二人ですが、両親に対してどうするかという問題が立ちはだかります。
キスをして、セックスもして、お互いもう戻れないと覚悟を決めた二人は、この先のことを考えて、両親に二人の関係を正直に話すことに。

両親に二人の関係を話すと、父親には殴られて罵倒され、母親もショックを受け、涙を流します。子供たちのことを心から愛していた父親が、信じていたはずの息子に裏切られて激昂する姿は、見てて辛いです。

両親に反対された光は、認めてくれないなら駆け落ちすると言って、一人で家を飛び出してしまいます。

残された兄に対し、「二人の関係は世間が絶対に認めないし、駆け落ちなんてしたらまともな人生は送れない。今は良くても将来絶対に後悔するから元の関係に戻れ」と、正論を持ち出して説得にかかる父親。

兄は「光と同じように家族も大事だから、全てを捨てて逃げ出す無責任な駆け落ちなんて絶対にしない。絶対に両親に自分たちの交際を認めさせる」と宣言し、家を飛び出した光の元に向かいます。

これ以上書くと、これからプレイする人の楽しみを奪ってしまうので省略しますが、ラストはちゃんとハッピーエンドで終わります。欲を言えば、子供が出来るところまでやって欲しかったですが……。

ちょっと気になったのが、なんで子供の頃(篝火先輩や箒木先輩に会う前)の主人公は排他的だったのか特に説明がないことですね。家庭環境に問題があったわけでもないですし、これといった理由や原因もないのにそんな風になるものかな? と不思議に思いました。





(ネタバレここまで)

他ルートの光

システム上、他の女の子を攻略するには、光を振らなくてはいけません。兄に振られて号泣する光を見るのは、マジで心が痛みます。
ちなみに光は兄に振られたあとも普通に登場しますし、兄が他のヒロインのことで悩んでいたら、自分の兄への気持ちを抑えてアドバイスもしてくれます。とても良い妹ぶりなのですが、兄に振られた後、何とか気持ちを切り替えて普通の兄妹になろうと努力する光は、見てて痛々しいですね。光が出てくるたびに複雑な気分になります。

幸い光は一番手なので、光目当てなら最初の分岐で光を選び、そこでゲームを終わらせるのがベストな選択です。無理して他のヒロインのシナリオを読む必要はありません。

ただ、サブキャラの林檎は攻略こそ出来ませんが、キャラとしては非常にいい味出してますし、好みは別れますが箒木先輩もなかなか面白いキャラなので、余裕があればメインシナリオである篝火先輩ルートぐらいはプレイすることをお勧めします。個人的には観月先輩が可愛くて気に入っています。

親バレ、周りバレ

ネタバレなので隠します。構わない人は反転して読んでください。
両親の反応については、シナリオの項目に書いたので省略。
林檎は、二人の関係をあっさりと受け入れてくれます。執行部のみんなは、戸惑いながらも、二人を心配し、受け入れようとしてくれます。両親以外はぬるい反応ですね。

禁忌、背徳描写

かなりあります。
二人とも兄妹で結ばれるのは禁忌だと理解していますし、そのことについても真面目に考えています。駆け落ちという話も出てきますし、重めな内容ですが、解決自体はわりとあっさりなので、ここは賛否が別れるところだと思います。

まとめ

光ルートは、短いながらも兄妹恋愛モノとしてはかなり良い出来です。
兄妹の関係だけでなく、両親に対してどうするかも真面目に考えていて、背徳感あります。僕は背徳感のあるシナリオが大好きなので、非常に気に入りました。
恋人になってからのイチャラブが少なめなのと、問題の解決がややあっさりしているのは残念ですね。

あとは、もうちょっと光の見た目が可愛かったらなぁと思いました。
光のことは、愛情は重めで積極的なのに、いざ兄に迫られると恥ずかしがったりするところが可愛くて気に入ってるので、あのキャラデザはもうちょっと何とかならなかったのかと、思わずにはいられません。

光ルートは、背徳感のある兄妹シナリオが読みたい人にお勧め
お気に入り度(10点満点) 10

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