『魔法科高校の劣等生 1 入学編<上>』の感想

作品情報

魔法。それが伝説や御伽噺の産物ではなく、現実の技術となってから一世紀が経とうとしていた。そして、春。今年も新入生の季節が訪れた。国立魔法大学付属第一高校―通称『魔法科高校』は、成績が優秀な『一科生』と、その一科生の補欠『二科生』で構成され、彼らはそれぞれ『花冠』(ウィード)、『雑草』(ブルーム)と呼ばれていた。そんな魔法学校に、一組の血の繋がった兄妹が入学する。兄は、ある欠陥を抱える劣等生(ウイード)。妹は、全てが完全無欠な優等生(ウイード)。どこか達観したような面持ちを見せる劣等生の兄と、彼に肉親以上の想いを寄せる優等生の妹。二人がこのエリート校の門をくぐったときから、平穏だった学びの園で、波乱の日々が幕開いた。

上記はAmazonの内容紹介より転載。


ライトノベル

この作品は『小説家になろう』という小説投稿サイトに掲載されているWEB小説を文庫化したものらしいのですが、僕はそちらは未読です。

妹について

名前は司波 深雪(しば みゆき)。実妹
国立魔法大学付属第一高校の1年生。
成績優秀な一科生(ブルーム)所属。
一人称は「わたし」
兄の呼称は「お兄様」
年齢は15歳で兄の1つ下。

ほぼ完全無欠の優等生。
学業も魔法の実力も人一倍優秀で、エリートが集う第一高校の入学式で新入生総代を務めるほど。
容姿端麗で人当たりも良く、家事も普通にこなすと欠点らしい欠点が見つからない。
ただし、重度のブラコン。

兄に対しては敬語を使い、食事の世話など何かと兄に尽くしている。
兄への愛情は強く、かなりのヤキモチ妬き。
普段は落ち着いた性格だが、兄のことになるとタガが外れやすい。

「それでは、行って参ります。……見ていてくださいね、お兄様」


「すみません、お兄様。わたしの所為で、お兄様の心証を」


「深雪ではお気に召しませんか? お兄様は七草先輩のような方がお好みですか? それとも渡辺先輩のような方がお好みですか? 本日は、随分親しくお話されていたご様子……」

兄について

名前は司波 達也(しば たつや)。
国立魔法大学付属第一高校の1年生。
劣等生の二科生(ウィード)所属。
年齢は15歳で、妹とは生まれ月が11ヶ月違いの同級生。
家族は父親がいるらしいが、母親については触れられていないので不明。
父親はほとんど家にいないらしく、実質兄妹の二人暮らし。

魔法の実技は苦手だが、ペーパーテストは入試で一番を取れるほど優秀。
魔法機器の技術者である、魔工技師を目指している。
美人な妹と違い容姿は平凡で、あまり似ていない。(イラストを見る限りは充分美男子ですが……)
性格は理知的というか、ややシニカルで、人の行動や態度の裏を読んだり、自分や周りにとっての損得を計算した言動を取ることが多い。

妹に対しては優しく、兄らしい包容力のある態度を取っている。
妹の頭に手を置き、髪を撫でるのが普通になっている程度にはシスコン。
今のところ妹に恋愛感情を持っているような素振りは無し。

「嘘じゃないって。でも、お前が俺のことを考えてくれているように、俺もお前のことを思っているんだ」


「それにな、深雪。俺は楽しみにしているんだよ。お前は俺の自慢の妹だ。可愛い妹の晴れ姿を、このダメ兄貴に見せてくれよ」


「もしもし、深雪さん? 何か誤解されてはいませんか?」

感想

どうも掴みが弱いですね。
WEB小説の文庫化ということで、商業小説とは一味違った内容を期待していたのですが、思ったよりは普通の内容でした。魔法と科学技術を組み合わせた独自な設定はありますが、それ以外の部分についてはオーソドックスな学園モノという感じです。

妹の深雪に関しては、個人的に優等生な妹というのはあまり好みじゃないので、どうもグッとくるものが無いですね。ただ、220ページからの深雪の独白を見るかぎり、兄に対する愛情はかなり強そうですし、結構黒い部分や裏の面も持ち合わせているみたいなので、現時点では抑えられているそういう部分が表に出てきたら化けるしれません。

兄の達也の方はどう見ても劣等生ではないですね。
深雪いわく本物の天才らしく、むしろ完璧超人に近いです。魔法の実技が苦手ということになってますが、それは体術で補っていて戦闘は強いですし、冷静で頭もいい。妹想いの良兄ではあるのですが、どうも欠点がなさすぎて面白みに欠けるのが気になります。

まとめ

この1巻に関してはまだまだ導入部なのか、世界観の説明とキャラ紹介、伏線の提示がほとんどのため、話的にはあまり面白くなかったです。少なくとも現時点では「これは凄い!!」みたいなのは感じられませんが、話が進んでいけば面白くなりそうな雰囲気はあるので、次巻以降に期待。
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