『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の高坂兄妹の過去についての予想と考察

高坂兄妹の過去について何となく思いついたので書いてみます。
予想と考察といっても正確に展開を予想するというよりは、願望というか、こうだったら面白いなという方向性でやっているので、ちょっとしたお遊び程度ぐらいの軽い気持ちで読んでください。
ぶっちゃけかなり適当です。

昔の桐乃について

まず桐乃についてですが、俺妹のアニメの配信版(12話のTRUE ROUTE以降)のOPに登場した『子供の頃の高坂兄妹がプールで遊んでる写真』を見る限り、この頃の高坂兄妹の仲は悪くなかったようです。

おそらく子供の頃の桐乃は相当なお兄ちゃん大好きっ娘だったんじゃないでしょうか? 何かと言えばお兄ちゃんにまとわりついて、一緒に遊んでくれとせがむような。京介もそんな妹をそれなりに可愛がっていたと思われます。

そんな仲の良かった高坂兄妹が冷戦に突入するきっかけについてですが、一つは京介の心変わりではないかと。

これは実際に妹がいる僕の経験上から言いますが、小学生の頃の兄というのは、妹をうっとうしがる年頃だと思います。妹と一緒に遊んでいると「あいつ妹なんかと遊んでるぞ」という感じで、友達にからかわれたり、バカにされたりしますし、自分はゲームや外で身体を動かすような遊びがしたいのに、妹はままごとや人形遊びをして遊ぼうなどと言い出したりします。

男の自分と幼い妹では体力や好みの違いで遊びが合わないので、出来れば男友達と一緒に遊びたいのに、妹はそんなことお構いなしに「遊んで、遊んで」とまとわりついてくる。そんな妹をうっとうしいと感じるようになった京介が、桐乃を邪険にし始めたのではないかと。

そして、そんなある日、京介は桐乃に対し決定的な一言を口にします。
「お前とはもう一緒に遊ばない」とか「お前は足手まといだから、俺の後についてくるな」とか。
小学生である京介からすると、それほど重要ではない、ある意味当然のつもりの言葉なんですが、(京介はこの事を大した事と思ってないので、覚えていない)お兄ちゃん大好きな桐乃は兄から拒絶され、ものすごいショックを受けます。

これをきっかけに高坂兄妹には溝が出来、一緒に遊ばなくなり、冷戦状態に突入したのではないかと。

そして桐乃がそれまで持っていた兄への好意や愛情は、これをきっかけに強い憎悪や嫌悪感に変わっていきます。兄が大好きであればあるほど、それがひっくり返った時の感情は反対側に強く振れるものです。

そして桐乃は自分を拒絶した兄を見返すために、学校の勉強や陸上に打ち込み始めます。
それは兄についていけず足手まといだった自分が兄と対等になるため。
自分を見てくれなくなった兄の注意を自分に向けるため。
そして兄に自分を認めてもらい、いつかまた、昔のように一緒に遊んでもらうため。

(余談……というかこれは少々こじつけくさいですが、桐乃が『星くず☆うぃっちメルル』を好きになった理由は、魔法で華麗に変身する魔法少女に対し、変わりたいという自分の変身願望を重ねあわせたためだったりすると、面白いかも)

冷戦のもう一つの理由としては、これと前後して、兄妹では結婚出来ないという事実を桐乃が知ったことではないかと。そして、それを吹き込んだのは高坂兄妹の母親である佳乃ではないか?と僕は予想します。
なぜそう思うのか? それは7巻の285ページ近辺を読んで、妙な違和感があったからです。

この場面で桐乃がリビングで泣いてるのを目撃した母親は京介に向かって「ついに妹に手をだしたのね!?」と叫びます。これは母親が隣の奥様から「高坂兄妹が駅前で仲良く腕を組んで歩いていた」という情報を聞いていたからなんですが、それにしても桐乃が泣いているのを見かけただけでこの発想は飛躍しすぎです。

昔、母親である佳乃はあまりにお兄ちゃん大好きな桐乃のことを心配して、桐乃に「兄妹では結婚出来ないんだからお兄ちゃんを好きになってはいけない」と、固く釘を刺したんじゃないでしょうか? そして、そんな子供の頃の桐乃を知っている母親は、最近また仲良くなってきた兄妹を見て、密かに警戒心を抱いていた。そう考えると、母親の過剰な反応にも納得がいきます。

兄妹では結婚出来ない事実を知った桐乃は、兄への気持ちを忘れ、諦めるために、人一倍の努力をしてチート桐乃になっていったのではないでしょうか?(さきほど書いた「兄に自分を見てもらうため」と「忘れるため」というのは一見矛盾しますが、桐乃の心には兄と同じく兄(妹)に対する嫌いという感情と好きという感情が矛盾することなく共存していると考えればおかしくはありません。高坂兄妹は似たもの兄妹ですから)

京介の心変わりと桐乃の兄離れ、この2つが重なったのが高坂兄妹の冷戦の原因と僕は考えます。
京介の方も自分に近づいてこなくなった桐乃にせいせいしているうちに何となく話さなくなり、家での居心地が悪くなった京介は、居心地のいい田村家に入り浸るようになり、ますます妹との距離が離れていく。そして1巻の状態に至ったというのが、僕の高坂兄妹の過去についての予想(というか妄想)です。

桐乃が麻奈美を嫌いな理由

これは兄の幼なじみで、昔から兄と特に仲が良い麻奈美に対しての桐乃の一方的な嫉妬ややっかみだと思います。
たとえば子供の頃「今日は麻奈美と遊ぶから、お前とは遊べない」みたいなことを、よく京介に言われてて、何かと自分と京介の間に入ってくる麻奈美を嫌っていた、という感じかと。別に麻奈美自体が桐乃に対してなにかしたとか、そういうのではない気がします。

麻奈美は京介のことが好きなのに、これまで告白するとか付き合うとかそういう行動に出ようとしなかったのは、自分と京介の幼なじみという居心地のいい関係を崩したくなかったというのもあるでしょうが、昔から桐乃の京介に対する気持ちを知っていて、遠慮していたというのもあるんじゃないかと。麻奈美は黒猫と並んで高坂兄妹の仲を応援する立場になる重要な人物だと睨んでいます。

桐乃が妹モノのエロゲを好きな理由。

これは兄である京介に愛されなくなった桐乃が、ゲーム内で兄に愛される妹を自分に投影すること(桐乃自体にそういう意識はない)で、自分の心を(ついでに身体も(笑))慰めていたのではないかと。アニメの第9話(伏見先生描き下ろし脚本)を見る限り、これ以外の解釈はしづらいです。

たぶんネットか何かで妹モノのエロゲの存在を知ってそういう世界があることを知った桐乃は、エロゲにどんどんハマっていったのでしょう。桐乃は「現実に兄のことを好きな妹なんているわけないでしょ?」と言いつつも、実際には自分の中に兄の京介に対する好意があって、その矛盾を抱えながら妹モノのエロゲをプレイしているのではないでしょうか?

最後に

大体こんな感じですかね?
最初に言いましたけど、この予想と考察はかなりの部分を勘と思いつきに頼っているので、正確性は保証しません。「こうだったら面白いな」ぐらいのかなり適当なものですので、あんまり真面目に受け取らないでください。
jitsumai.hatenablog.com