高谷 唯依菜 『Sweet Room 〜ふたりだけの秘密の甘い空間〜』(ツンデレ系・小悪魔、健気、一途)

作品情報

タイトル:Sweet Room 〜ふたりだけの秘密の甘い空間〜
ブランド:UNDEAD 作品ページ
ジャンル:妹同居型ラブラブ恋愛ADV
発売日:2006年6月30日
販売価格:5,800円(税別)

あらすじ

公式サイトのストーリー参照。

システム

クリックで読み進めていき、選択肢でシナリオが分岐する、一般的なエロゲ。

ウインドウサイズは800*600。
古いゲームなので、システム設定は最低限のものしか揃っていません。
クリックしてもボイス継続の機能がないのとスタッフロールが飛ばせないのが痛い。誤字や脱字も結構あって、わりと目立ちます。
BGMが5曲しかないというのも手抜き感ありました。

裸立ち絵あり。

プレイ時間はコンプまでに8~10時間ぐらい?
ミドルプライスだけあって、ボリュームはあまりないです。

妹について

名前 年齢
高谷 唯依菜(たかや ゆいな) 兄の3つ下、高○3年生?
一人称 兄呼称
わたし、唯依菜 お兄ちゃん、おにいちゃん、あんた
身長 体重 スリーサイズ
158cm 不明 B82/W56/H83
CV 原画 シナリオ
芹園みや JOY RIDE JOY RIDE
備考
4月8日生まれ(牡羊座)、B型

主人公の妹。
学生。

受験勉強のために、兄の住むアパートにやってくる。
昔はおとなしくて泣き虫でお兄ちゃん大好きな女の子だったが、成長した今はすっかり性格が変わってしまい、ツンケンした態度で、兄をからかってくるように。
普段は生意気な妹だが、ぬいぐるみに話しかける子供っぽい一面も。

唯依菜が受験のために、家を出てきたということなので、唯依菜は高○3年生と考えて間違いないでしょう。(高◯受験で中◯3年生の可能性もありますが、そうすると唯依菜が小学3年生の時点で兄のことを本気で好きになったことになるので、ちょっと無理があります)
作中に実の妹という描写があるので、実妹は確定。

唯依菜のCG枚数は51枚。
内訳はイベントCG16枚に、HCG35枚。
ぬいぐるみに話しかけてるCGとウルトラマンのCGがお気に入り。

「え~…、マジ? キモ~イ! そんなんじゃ、デートだって出来ないじゃん!」


「でも…、それでも…、わたしはお兄ちゃんが好き…。たとえ世界中を敵に回したとしても、わたしはお兄ちゃんが大好きなの…。この気持ちは一生変わらないよ…」


「お兄ちゃんを唯依菜の魅力でメロメロにしてやるんだもんっ! もう、唯依菜のコトしか考えられないようにしてやるんだから覚悟しといてよねっ!」

兄について

主人公。
大学生。

家族構成は両親と妹の4人家族。
6年前に家を出て、都会で一人暮らし中のところに、妹の唯依菜がやってくる。

唯依菜が来る前は、プチ引き篭もり状態。
性格は、やや情けないところはあるが、普通のエロゲ主人公。
童貞で、Hなことにも興味津々。
生まれてこの方、彼女もできたことがないので、妹の唯依菜にバカにされている。

唯依菜とは6年ぶりの再会で、最初は妹だとわからなかったが、一緒に過ごすようになってからは、昔のことを思い出し、なるべく兄らしくしようと頑張ることに。
顔出しは無しの、目無し主人公です。

「くわ~っ! ああ言えばこう言うっ! そんなに俺をからかうのが面白いのかっ?!」


「そんな事ないよ。唯依菜みたいな妹は世界中探しても、どこにもいないよ。確かに振り回される事も多いけど…、俺のたった一人の可愛い妹だ」


「俺にとって、一番大事な事は、世間体とか、常識とか…、家族ですらなかった…。俺にとって、一番大事なのは…、唯依菜…、お前一人だけだ…」

シナリオ

物語は、主人公の住むアパートに見知らぬ女の子が訪ねてくるところから始まります。
女の子は宇宙人を自称していて、地球の調査のために主人公の家に泊めて欲しいと言い出します。
当然疑う主人公ですが、相手が自分のことをなぜか色々と知っているのと、可愛い女の子というのもあって、泊めることに。

家に入ってきた女の子は調査ということで、キスしてほしいと言い出します。
地球の運命がかかっていると言われた主人公は、女の子に不思議な懐かしさを覚え、迷いながらもキスするのですが、キスした瞬間に全てを思い出します。
女の子が6年間会っていなかった妹の唯依菜だということに。

この導入部は上手いですね。
6年間会っていなかったということで兄は相手が妹だと気付かないのですが、とっさにそれを利用して兄を罠にハメる唯依菜の小悪魔ぶりが、よく表現できています。
兄の方も最初は気付かないのですが、ところどころで違和感を覚え何かを感じ取っているという描写が良いです。

妹とわかってからは、兄妹として一緒に暮らすことになるのですが、ちょっと頼りない兄が、理不尽でわがままな妹に振り回されるという兄妹描写は、なかなか楽しいです。ちょっと俺妹っぽいですね。(こっちの方が発売は先ですが)
定期的に妹視点が入るのですが、そこでの唯依菜は普段と違い素直で可愛い妹なので、ギャップ萌えも味わえます。

その後、唯依菜の持っていた手帳の内容から、唯依菜の気持ちを知ってしまった兄は、唯依菜に告白されます。
しかし、実の兄妹ということで、すぐには受け入れられない兄。
そんな兄の気持ちを理解した唯依菜は、何とか自分を好きになってもらおうと猛烈なアタックを開始します。

『三つのお願い』の一つを使って兄とキスしたり、裸エプロンスク水姿、ぱんつなどを見せて誘惑したり、お互いのオナニーを見せ合ったり、一緒の布団で寝てフェラしたりと、唯依菜は兄に自分を女の子として見てもらおうと努力します。

しかし、兄の方は、兄妹ということがネックになり、どうしても覚悟が決まりません。
勇気を振り絞って誘ったエッチを兄に拒否された唯依菜は、兄のことを諦めて田舎に帰ろうとします。

(ここからネタバレあります。未プレイの方はお気をつけ下さい)



バッドエンド

この時の選択で唯依菜に田舎に帰るように勧めるとバッドエンド。
只の仲の良い兄妹に戻るということで、唯依菜は田舎に帰ってしまいます。エピローグもあっさりしてますし、スタッフロールも流れないという寂しいエンドです。

ハッピーエンド

田舎に帰ろうとする唯依菜を引き止めるとこちらへ。
兄は、自分の中にある唯依菜を好きだという気持ちを認め、唯依菜の気持ちを受け入れることにします。

唯依菜と結ばれた後は、Hしながら二人で楽しい日々を過ごします。
しかし、楽しい日々はいつまでも続きません。
受験はあくまで兄に会うための口実に過ぎなかった唯依菜は、受験する学校の試験を受けず、現実から逃げるように、全てを忘れて残った時間をいつも通り過ごして欲しいと兄に言います。

兄とずっと一緒にいたいと願う唯依菜ですが、兄は将来への不安から、まだ覚悟が決まらず、唯依菜は実家に帰ることに。
最後の思い出に唯依菜を抱いた後、唯依菜は兄にお別れを言わないまま、黙って帰ってしまいます。

その後、唯依菜が置いていったラブレターを読んで唯依菜の本当の気持ちを知った兄は、ようやく覚悟を決め、唯依菜を迎えに行くことに。この後の流れは今までの選択肢によって、兄が唯依菜を迎えに行くか、唯依菜が勝手に戻ってくるかという違いはありますが、話の流れは基本的に同じです。

唯依菜を追い返すエンド

序盤での茸騒動の時に、唯依菜のオナニーを見せてというお願いを断るとこのエンドに。
あまりに理不尽な唯依菜の態度にキレた兄が、母親に電話して唯依菜を実家に送り返します。唯依菜から開放された兄は、自宅で自慰行為に没頭し、引き篭もりに磨きを掛ける日々を送ることに……。

SMエンド

ボンテージを着た唯依菜にいいようにされて悦ぶ兄。
肉欲に溺れた二人は、現実から逃げ、いつしか倒錯した関係に……というまったく救いの無いエンドです。

只の兄妹に戻るエンド

最後の方の選択肢で、唯依菜のお願いをきかないを選ぶとこのエンドに。
只の兄妹に戻ることを決める二人。唯依菜は実家に帰ってしまい、取り残された兄は、また一人に。
唯依菜が帰ってから、自分にとって唯依菜がどんなに必要な存在であったか気づくが、時既に遅し……。




(ネタバレここまで)

親バレ、周りバレ

ネタバレなので隠します。構わない人は反転して読んでください。
ハッピーエンドでは田舎に帰り、両親に二人の関係を話します。母親には泣かれますが、必死の説得と唯依菜の決意を聞いて、最後には応援してくれます。父親は口を利いてくれなくて許しは貰えませんが、その内許してくれそうな雰囲気。ただ、これらはモノローグであっさり説明されるだけなのが残念。

禁忌、背徳描写

かなりあります。
二人とも兄妹の恋愛や近親相姦が世間では認められないことを理解していますし、それについてかなり悩みます。しかし、悩んだ割に、解決方法はわりとあっさりでご都合なので、少々茶番くさいですね。

まとめ

前半は、唯依菜との生活が楽しく、兄妹の恋愛や近親相姦についても真面目に考えられているシナリオで、良作の予感がしていましたが、唯依菜と結ばれてからは、ライターさんが力尽きたのか、時間がなかったのかわかりませんが、急に展開が適当になってしまうのが残念。

選択肢でエンディングが分岐するという仕様上、しょうがないのですが、唯依菜はとっくに覚悟を決めてるのに、兄の方はなかなか覚悟を決めず、最後の方まで煮え切らない態度を取るのもマイナス。

最後も、散々悩んだわりには、あっさり物事が解決してしまうので、今までのやり取りは一体何だったんだ……と脱力します。

中盤までは良作、最後までプレイすると凡作
お気に入り度(10点満点) 8

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おまけ

jitsumai.hatenablog.com
プレイした際のTwitterでの呟きを別記事にまとめました。
良かったら参考にしてみてください。