妹口 あさひ 『お兄ちゃん、キッスの準備はまだですか?』(しっかり者系・お兄ちゃん大好き、お姉ちゃん、ポニーテール)

作品情報

タイトル:お兄ちゃん、キッスの準備はまだですか?
ブランド:Tinkle Position 作品ページ
ジャンル:妹みんなでいちゃらぶしちゃうADV
発売日:2016年4月28日
販売価格:5,800円(税別)(価格は普及版のもの、オリジナルは8,800円)

あらすじ

公式サイトのストーリー参照。

妹について

名前 年齢
妹口 あさひ(せぐち あさひ) 兄の1つか2つ下、高○1、2年生?
一人称 兄呼称
お兄ちゃん
身長 体重 スリーサイズ
154cm 不明 B75/W56/H79
CV 原画 シナリオ
橘 まお K子 大和うみ
備考
7月7日(七夕)生まれ、A型、キスの形式は自然派キス

主人公の妹。
妹口家の長女で学生。

まひる、やよいとは違う制服を着ていることから、高○1年生か2年生と思われます。
あさひについて受験や就職の話がまったく出てこないのと、『おにキスH』のあさひとの会話で「本来だったら今頃お兄ちゃんも花の学園生活の真っ最中なんだし……」という会話があったので、3年生はないでしょう。

長女らしくしっかり者で、お兄ちゃんのサポートをしたり、妹の面倒もちゃんと見てくれるなど頼りになる妹ですが、完璧というわけではなく、ちょっぴりドジであわてんぼうところも。
兄とは年長者同士ということで、色々と通じあうものがあり、仲は非常に良い。

あさひのCG枚数は19枚。
内訳はイベントCG8枚、HCG11枚。
兄のTシャツを来て扇風機に当たってるCG(乳首が見えてるやつ)とお兄ちゃんの背中におぶさって本を読んでいるCGがお気に入り。
こういう兄妹ならではの無防備さは、兄妹感あって良いと思いました。
お風呂で横になっているHCGも非常にエロくて良い感じです。

「好きだよ、お兄ちゃんも、お兄ちゃんとのキスも」


「それでも、だよ。悪い所はきちんと注意する。年上である私達の責任だよ……ちゅー」


「お兄ちゃんとキスするのは好き。でも……ルールの中でしかお兄ちゃんとキス出来ないのは……嫌」

兄について

主人公。
年齢は作中の会話などから高○3年生と思われますが、学校には行かず、骨董屋の跡取りとして母親の手伝いをして妹たちを養っています。

家族構成は母親と妹4人の6人家族。
父親は既に他界。

家事は得意で、妹たちのお弁当は毎朝自分で作っているほど。
とにかく妹たちのことが大好きで、妹たちのためなら何でもする超シスコン。
妹たちのことを甘やかしすぎて、母親やあさひにたしなめられることも。

あさひのことは年が近いのと、一番長く一緒にいるということで、信頼して頼りにしています。
お互い年長組として、妹たちのことをしっかり考える保護者的な側面も。

「まず、俺は妹が大好きだ。好きで好きで大好きで超好きだ」


(甲斐性は無いかもしれない。力も頭も無いかもしれない。それでも、妹を幸せにしてあげたいという気持ちだけは誰にも負けはしない)


「時間が、距離が、立場が――――違う!自分以外の何かが妹との問題を解決してくれるなんて、本当に妹を思っているお兄ちゃんがするべき事じゃない!」

シナリオ

物語は妹たちとの朝から始まります。

妹たちと一通りのやり取りをした後は、母親の命令で鑑定士の勉強をすることになり、勉強に集中するために、妹たちとは離れて暮らすことになります。
しかし、今までずっとべったりだったのを、いきなり引き離すのも可哀想ということで、母親が作る夜食を兄に届けた後ならイチャイチャして良いということに。

ところが、初日に妹全員がお兄ちゃんの部屋に押しかけた結果、翌日に寝坊して学校を休むことになってしまいます。その結果、お兄ちゃんへ夜食を届ける夜食当番はその日1人だけで、夜食当番はその日一番たくさんお兄ちゃんとキスした人がなるという新しいハウスルールが作られます。

あさひが夜食当番になった場合、デザートやサンドイッチを食べさせあったり、一緒に漫画を読んだり、あさひにマッサージをしたりという感じで一緒に過ごすのですが、Hなトラブルが発生したのをきっかけに、お互い相手を意識してしまい、二人の仲がぎこちなくなる……という感じに。

「お兄ちゃん、最近のやよいに対してのキス……さすがに強引すぎない?」
それは、長女としての一種の反抗を迎え始めている妹への心配と。
「私たちが通ってきた様な、キツい思いをさせたくないってのは解るけど……でも」
世間的な価値観と、自分達の価値観と、その狭間で苦しんだ長女だからこその、言葉。
「私も……あれくらいの時は、大変だったから…………」
「…………」
言葉が出ない――――あさひの言いたいことは、痛いくらいに理解しているつもりだから。
「やよい、さ。お兄ちゃん呼びを、必死に兄さん呼びに変えようとしてるでしょ? あれ、なんでか解る?」
「…………周りの連中が言う、普通、の価値観との違いに苦しんでるんだろ?」
俺の返答に、あさひは細い首をゆっくりと縦に振る。
「キスは好きな人とするもの、ウチではもう常識だけど――――でも、それが根付くまでは……大変だったでしょ?」
少しだけ弱々しく紡ぐあさひ。
「そう、だな……お前の時も大変だったからな」
大好きな家族に対する愛情表現が他人と少しだけ違う。その現実は、まだ多感だった頃の俺達を大いに悩ませた。
俺とあさひには単なる昔話で……たぶんやよいの今。

これは共通ルートの出来事なんですが、このあさひと兄のやり取りはものすごく良いですね。
年長者である兄や姉として、自分たちと同じ苦労を妹にさせたくないと心配する二人の姿は、まさに兄妹。二人だけの兄妹では表現できない、複数妹ならではのやり取りです。

この後の詳細は省きますが、兄とあさひでは考えが微妙に違っていて、あさひが簡単に納得しないところが良かったです。兄のいうことに何も考えず従うわけじゃなく、長女としてちゃんと自分の考えも主張するあさひの姿勢には、感銘を受けました。
兄の妹というだけじゃなく、妹たちの姉でもある長女あさひというキャラクターを象徴しているやり取りだと思います。

(ここからネタバレあります。未プレイの方はお気をつけ下さい)






あさひルートに入ると、ぎくしゃくした二人の関係を元に戻すように母親から発破をかけられます。
妹たちからの応援を受け、連絡が取れないあさひを探しにいく兄。無事あさひを見つけ出した兄は、あさひに語りかけます。

「俺達以外の、周りの常識ってさ、いくら家族だからって言ってもキスはしない……これが普通だったよな?」
「…………うん」
「でも、家族でキスをした時、以前に俺達が出した答えは、家族でキスして何が悪い、これが俺達の家族愛の形だ、そうじゃなかったか?」
「……そう、だけど」
「今回と前回、何が違う?」
「え?」
「迷ってるのは理解できる、理由も理解できる。でも……好きだって気持ちがあるから、俺達の家族愛の形を、俺達のふつうを、わざわざ周囲に合わせる必要があるか?」
「……」
「もう一度言うぞ。俺はあさひが好きだ。あさひの事が大好きだ――――家族だからって、好きになっちゃいけないって言うのが、ウチの普通だったか?」
「違う……けど……」
「家族を好きになっちゃ駄目、とか。そう言うのは他の連中に勝手に言わせておけばいい。お兄ちゃんはあさひの事が大好きだし、あさひも俺の事が大好き、それで良いじゃないか! むしろそうであって欲しいぞ俺は!」
「ぷっ……ふふ…………なにそれ?」
「一世一代の愛の告白……という訳でも無いな。俺の愛は俺の妹達に対しては尽く唯一無二だからな」

結ばれた後は、二人ともHにハマってしまい、しばらくはH三昧の日々が続くのですが、そんなある日、突然あさひからキスしたくないと言われてしまいます。
あさひの真意が掴めないまま、あさひと決めたルールを守り、あさひとのキスを我慢する兄。しかし、そのせいであさひとの仲はぎくしゃくしてしまい、他の妹たちにも心配をかけてしまいます。

二人の関係を見かねた母親におつかいを頼まれた二人は買い物に出掛けるのですが、そこで出会った幼い兄妹たちがきっかけになり、ようやくあさひからキスが解禁され、兄はあさひの真意を知ることに。

どうして、あさひは兄とのキスを拒んだのか?
この理由がどうにも納得できないというか、スッキリしないんですよね。

「キスを禁止したら他の家族への罪悪感がマシになるかと思った」というのはまだわかります。自分が兄の特別になっているということ、その関係を周りに内緒にしていることで、他の妹や母親に対し罪悪感を抱くあさひの気持ちは理解できます。

ただ、その後に、あさひが「家族みんなと分け隔てなくエッチしあえるほど仲のいい家族になれたらいいなって思うんだ」と言い出したのには、「え?」と思いました。

「自分一人だけが幸せになるだけじゃ満足できないから、皆にも幸せになってもらいたい」「お兄ちゃんに私一人だけ特別に愛されるのは不公平だから、他の皆も私と同じように愛してね」というあさひの主張は、理屈の上ではわからなくもないですが、感情的に受け入れるのは難しい。
僕の価値観的には、どうしても「本当にそれでいいの?」って思ってしまいます。

EDでは兄はまだあさひ以外の家族には手を出していない状態ですが、いずれは兄も他の家族に手を出し、皆で幸せになるのでしょう。まぁ、本人たちがそれでいいというならいいのですが、見ている側としてはどうにもすっきりしないEDでしたね。






(ネタバレここまで)

親バレ、周りバレ

ネタバレなので隠します。構わない人は反転して読んでください。
妹たちや母親には最後まで二人の関係を隠したままでバレはありません。

禁忌、背徳描写

それなりにあります。
兄もあさひも兄妹で結ばれるのは世間では認められないと理解してますし、周りには隠そうとします。

まとめ

結ばれるまでのあさひは良かったんですが、それ以降が微妙でした。
告白後はH三昧になったと思ったら、急なシリアスが入り、その解決の過程やEDも納得し難いもの。

作品のクレジットを見る限り、出来の良かった共通とあさひルートは同じライターさんが書いてるはずなのに、どうしてこうなった感が否めません。
あさひルートは非常にもったいない出来でしたね。

妹でありお姉ちゃんでもあるあさひのキャラは良かったんですが……
お気に入り度(10点満点) 7

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