作品情報
タイトル:After... Story Edition
ブランド:Ciel 作品ページ
発売日:2005年8月26日
販売価格:3,800円(税別)
2003年6月27日に発売された『After...』と同年12月19日に発売されたファンディスク『After... -Sweet Kiss-』をまとめたスペシャルプライス版。(アドベンチャーパート以外のアクセサリーは収録されていません)
あらすじ
公式サイトのストーリー参照。
妹について
名前 | 年齢 | |
---|---|---|
高鷲 渚(たかわし なぎさ) | 兄の2つ下 | |
一人称 | 兄呼称 | |
あたし | お兄ちゃん | |
身長 | 体重 | スリーサイズ |
152cm | 38kg | B76/W53/H78 |
CV | 原画 | シナリオ |
みちる | Tony | さとだみつひこ |
備考 | ||
魚座のA型、BADルートで兄以外の男に犯される展開有り |
主人公の実妹。
霧ヶ杜学園1年生で、兄と同じ学校に通っている。
外では大人しくて引っ込み思案だが、兄のいる家では明るいという、外と家では性格が違うタイプ。
料理が得意でかなりのお兄ちゃんっ子。
カメラが好きで写真部に所属しているが、ゲーム序盤に掛け持ちで兄のいるワンダーフォーゲル部に入部する。
ヤンデレの素質有り。
「あ、おはよ、お兄ちゃん」
「ねぇ、お兄ちゃん、りんご飴、欲しい」
「そんなの嫌だから……ね、約束して、絶対にあたしより先に死なないって、ね?」
兄について
主人公。
霧ヶ杜学園3年生。
両親は海外赴任中で不在なので、現在は実家で妹と二人暮し。
性格は素直になれない感じの思春期的な男子学生。
趣味はワンダーフォーゲルで、二人の友人と共に部活もやっている。
少し考え方が古いというか、硬派で男らしさにこだわるところがあり、女には男の考えや気持ちなんてわからないという、男女差別的な発言が目立つ。
肝心なところでへたれることが多い。
普段の妹に対する態度はややそっけないが、内心では妹のことをとても大事に思っている。
シナリオ
シナリオは二部構成。
雪山登山前の夏、秋、冬の日常を描いた一部と登山後の二部に分かれています。
一部は海や夏祭り、学園祭に体育祭、クリスマスに初詣にバレンタインに卒業式など、イベントが盛りだくさん。渚や仲間と共に、さまざまなイベントを体験します。
印象に残るものをいくつか挙げると
- 海で、ボートから落ちた渚に抱きつかれる
- 文化祭のお化け屋敷で、怯えた渚に抱きつかれる
- 友人である慶生と渚の関係が気になってやきもきする
- 初詣で渚が暴漢に襲われているのを助ける(描写的にはかなりNG、妹を独占したいという人は回避推奨)
- 渚が兄を想ってオナニーをしてるのを見てしまう
- バレンタインに渚からチョコを貰う
- 卒業式での渚とのキス(CG有り)
萌えるイベントがたくさんで、兄が妹のはずの渚を女性として意識する描写も多く、渚に対する思い入れはかなり深まります。
兄妹の子供の頃の思い出話もあり、兄妹描写については文句なし。
渚ルートでは渚と両思いになり、卒業式後いよいよ登山に出発します。
(ここから致命的なネタバレがあります。未プレイの方はお気をつけください)
二部は登山後です。
ネタバレのため細かいことは省きますが、兄は事故で死んで肉体を失い、精神だけが友人の慶生の身体に入ることになります。(慶生の身体に兄と慶生の二人の精神が入るという状態)
兄は表向きは死んでいることになってるので、渚は最愛の兄を失ったと思い込んでショックを受けます。
二部のシナリオは明るかった一部とうってかわって、ものすごく暗い展開です。
バッドルートでは渚が慶生にレイプされ(兄は慶生の身体の中から見てるだけで何もできない)、小汚い男達に犯され、最後は自殺と悲惨な展開になります。(こう書くと慶生が悪人のように見えますが、慶生は渚のことが好きでその思いが高じての暴走なので、一応情状酌量の余地はあります)
ハッピールートでは兄は渚に自分が慶生の中で生きていることを告げます。
慶生は改心しこの世から消えてしまい、兄は慶生の身体をもらい慶生として生きることで、渚と結ばれることになります。
兄妹であるが故に好き合っても結ばれることは許されない二人だったのですが、結果としては事故のおかげで二人は合法的に結ばれます。
この点については当時あったソフ倫の近親相姦描写規制をくぐりぬけた見事な展開だと素直に感心しました。精神は確かに兄とはいえ、身体はあくまで慶生なのでちょっとすっきりしないんですが。
それと兄が山で死ぬ原因になった学文路(かむろ)という人物がいるのですが、このことを逆恨みした渚の言葉が印象的なので紹介。
「どうしてあなたは生きているのに、お兄ちゃんは死んだの? あなたが死ねばよかったのに! だから、代わってよ。あなたがお兄ちゃんの代わりに…返してよ…お兄ちゃん…返してよ……」
「だって、そうじゃない……お線香をあげてなんだっていうの? それであの人は満足? あたし…許せない……絶対に満足させない…お兄ちゃんが苦しんだのと同じだけ…ううん、もっと……」
更に思いつめた渚は学文路(かむろ)を包丁で刺そうとします。
先の台詞といい、この行動といい、普段は優しくて健気な渚とのギャップにドキドキしました。
シーン自体は短いですが、渚はヤンデレ好きな人にもお勧めです。(渚が包丁を持って血塗れになっているCGも有り)
(ネタバレここまで)
親バレ、周りバレ
ネタバレなので隠します。構わない人は反転して読んでください。
親バレはなし。周りバレは渚が兄を好きなことに気付いた慶生が兄に「まさか、兄妹で何もしてないよな?」と問い詰める場面があります。兄は「し、してるわけないだろ!妹だぞ、渚は!」と否定しますが、実際は既に両想いでキスまでしているため、動揺したのが慶生に勘付かれ、結局はバレます。ハッピールートでは慶生は最終的に二人の仲を認めます。
幼馴染の香奈美も二人の気持ちに気付いていたことが渚エンドでわかりますが、反対はなく祝福します。
葛藤、背徳描写
かなりあります。兄も妹の渚も兄妹で愛し合うのはいけないことだと認識していて、兄妹なんだから兄妹以上の関係になってはいけないと悩みます。
Story Editionに含まれているSweetKissでのエピソード「渚〜Anytime be with me」はお勧めで、寝てる渚の胸を触り、その後に渚のことを考えて自慰をして罪悪感を感じるシーンと、卒業式後の話で、両想いにはなったけど兄妹だから体の一線は越えられないとお互い悩み、渚が兄のベッドに忍び込んでオナニーをするシーンは良かった。
この葛藤やギリギリ感は実妹ならではです。
まとめ
実の妹がレイプされるという展開は実妹キャラ好きにとっては論外でしょう。
なまじ渚が可愛いだけにダメージがデカイです。
ただ、選択肢で回避できるので見たくない人は見ないで済みます。(共通ルートでのレイプ未遂とハッピールートでの慶生と渚のキスだけは回避できません)
しかし、これらのマイナス要素を差し引いても兄妹の描写は素晴らしい。
兄が次第に妹を意識していく描写、渚に近づく慶生に対しての兄の苛立ちと嫉妬、子供の頃の思い出、兄妹で愛しあうことへの背徳感、渚が兄を好きになったきっかけと、実妹モノのお約束を見事に押さえています。
そして何よりこの作品で最も評価したいのは、近親相姦の描写が禁止されていた時代に、兄と妹が結ばれる話を書いたことです。
精神は兄だが肉体は他人なのでOKというのは、あの名作『こころナビ』並の上手い抜け道だったと思います。(偶然ですが、この作品と『こころナビ』は発売日が同じ)
シナリオには問題があるが、渚が可愛いのと、葛藤、背徳、兄妹描写は素晴らしい
お気に入り度(10点満点) 9