『アニメ版 俺の妹がこんなに可愛いわけがない』第15話「俺の妹がこれで最終回なわけがない」の感想

全体の感想

今回でアニメ版俺妹もいよいよ最終回。
内容は留学した桐乃から突然来たメールを受けて、京介がアメリカまで桐乃に会いに行き、連れ戻すのがメイン(黒猫の呪いなんて無かった)。原作5巻の第四章にあたる部分です。

まずはOPでの桐乃無双。
これはいいですね。前2話では桐乃が登場しなかった分、余計に桐乃の存在が引き立ちます。

前半パートでは妹のことを思い出す京介をちゃんと描いていて、好感触。13、14話では京介の描写が微妙でしたが、ここにきてようやくちゃんとやってくれました。

後半パートでは、いよいよ京介が飛行機に乗ってアメリカまで桐乃に会いに行くんですが、父親にも桐乃からメールが来てたってのは、改悪に思えます。ここは「兄である京介にだけ」連絡するという事実が、桐乃にとって京介がそれだけ特別であるという意味を感じさせてくれるはずなんですが……。

ただ、そんな不満点もこの後の展開で帳消し。
アメリカでの京介と桐乃のやり取りに関してはまったく文句無し。

自分がいなくて寂しかったかと京介に尋ねる桐乃、それに寂しかったと素直に答える京介。
桐乃にシスコンと言われ否定しない京介。
京介に悩みを打ち明ける桐乃、それを受けて一緒に帰ろうと桐乃を必死に説得する京介。
「俺の妹だ!」「お前がいないと寂しいんだよ!」「じゃないと俺、死ぬかもしれない」という京介の決め台詞とその台詞を受けて赤面する桐乃。
『irony』の歌と共に流れる「ありがとね、兄貴」という桐乃の台詞。

この流れは実に素晴らしい。
アニメ3話の京介による親父説得以来の名シーンです。

EDも桐乃メインの回想シーンが流れますし、総じて良い最終回だったと思います。(最後の謎ジャンプだけは意味がわかりませんが……)

アニメの演出について

今回は細かい演出の部分でも上手いと思ったところがあったので、二つほど紹介。

一つ目は京介とエロゲをプレイしてるシーンでの「久しぶりに思いっきり『好きなこと』出来るわけだからさ」の台詞の時に京介に向けた桐乃のチラ見。
ちなみに原作五巻では『好きなこと』をエロゲーをプレイすることだと京介は思い込んでますが、(281、282ページ)本当の意味は『兄と一緒にエロゲーをプレイすること』だと思います。

そしてもう一つ。
空港で桐乃と黒猫が「桐乃がリアに『たまたま絶好調の時』に勝負して勝った」という話をしてる時に、黒猫が京介をチラ見するところと、黒猫に絶好調の時がいつだったのかを突っ込まれて「ふん!」と桐乃がそっぽを向いたときに、京介がいてビックリするところ。
しっかり見てればわかると思いますが、桐乃が絶好調の時というのは京介が桐乃に一緒に帰ろうと言った直後のことです。この二つをアニメでは原作以上に上手く表現していると思いました。

まとめ

終わりよければすべて良し。
5話の桐乃の嘘告白の削除、8話のオリジナル展開、12話のGOODEND、13、14話での黒猫無双など、いろいろと不満のあった俺妹アニメですが、今回の最終回は文句無しの素晴らしい出来でした。
正直もっと酷い最終回を予想していたのですが、全然そんな事はなかった。

全体的に見ても俺妹のアニメは主題歌、作画、演出、声優さんの演技など高いレベルでまとまっていたと思います。この出来なら十分第2期にも期待できると思うので、楽しみにしています。
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