あらすじ
公式サイトのストーリー参照。
システム
クリックで読み進めていき、選択肢で各ヒロインルートに分岐する、一般的なエロゲ。
ウインドウサイズは1280*720のワイド。
システム設定は一通りのものは揃っていて、特に問題なし。
立ち絵は一つの台詞の中で、何度か変化したりしますが、頻度はそれほど多くないです。
体感的には、以前プレイした『ワガママハイスペック』よりちょっと少ないかなぐらいでした。
テキストは基本的には主人公の一人称ですが、ところどころで別のキャラの視点が入り、ヒロインの心情などがわかるようになっています。
最近のエロゲでは、ほぼ標準装備のSDキャラですが、この作品のSDキャラは特に可愛くてレベル高いです。
シナリオの最中にSDキャラによるイベントCGが出てくるのですが、どれも可愛くて見てて楽しかったです。
悪い部分としては、シナリオの合間にアイキャッチが入るのですが、これが設定でエフェクトを切っても、クリックしても飛ばせないのが地味にストレス溜まりました。(Ctrlキーなら飛ばせますが、未読メッセージまで飛ばしてしまう……)
妹について
名前 | 年齢 | |
---|---|---|
臣苗 鈴(おみなえ りん) | 兄の1つ下 | |
一人称 | 兄呼称 | |
私、鈴、リン | お兄ちゃん、おにいちゃん(幼少時) | |
身長 | 体重 | スリーサイズ |
150cm | 不明 | 不明 |
CV | 原画 | |
鹿野まなか | 白もちさくら | |
シナリオ | 備考 | |
仙道佳帆 | 誕生日は12月3日(射手座)、左利き |
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主人公の妹。
私立芦ノ宮学園1年生。
部活動は兄と同じ電脳研究部に所属。
性格はしっかり者で、両親のいない臣苗家の家事のほとんどをこなしている。
特に料理の腕前は、周りにプロ並みと褒められるほど。
兄の面倒を見るのが好きで色々と世話をやいているが、単に甘やかすだけではなく、ちょっとだらしない兄を母親のように叱ったりという一面も。
兄とは非常に仲が良く兄妹関係も良好だが、だからといって好意を直接口にしたり、べたべたしてくるようなことはなく、一定の距離は保っている。
鈴のアバター(電脳世界での鈴の分身)はリンといって、ナースの格好をしています。
性格はしっかり者の鈴と違って、元気で甘えん坊。
ちょっとヤキモチ妬きなところがあって、他の女の子と仲良くしていると可愛いヤキモチを妬いてきます。
お兄ちゃんに褒めてもらいたがるところや頭を撫でて欲しがるところなど、普段、鈴が表に出さない本音が垣間見えて非常に可愛いです。
鈴の実義については、公式で実の妹と紹介されてますし、作中でも実の妹という描写が何度もあるので、実妹は確定。
パッケージによく書いてある「登場人物に血縁関係は云々……」という邪魔な表記も無し)
鈴のCG枚数は16枚。
内訳はイベントCG10枚(鈴8枚、リン2枚)に、HCG6枚(鈴3枚、リン3枚)
兄におんぶされてるCGと事後に兄と毛布に包まっているCGがお気に入りです。
専用のキスCGがなかったのが、非常に残念でした。
「あははっ! いいよ、私が起こしてあげるから。お兄ちゃんのお世話するの、好きだしね」
「だって……鈴が、傍にいて欲しいのは……お、お兄ちゃんだけ、なんだから……」
「お兄ちゃんは、鈴のお兄ちゃんで……この世で、いちばん大切な人……だよ。えへへ……」
兄について
主人公。
私立芦ノ宮学園2年生。
電脳研究部の副部長を務めている。
家族構成は両親と妹の4人家族で、現在は両親は仕事の都合で海外にいて、妹の鈴と二人暮らしをしている。
性格はゲームが好きなこと以外はこれといって特徴のない、テンプレエロゲ主人公。
妹以外の女性とはあまり接する機会がなかったため、女の子は少し苦手で自信がないが、部活動を通じて、少しずつ女の子と仲良くなっていく。
妹の鈴のことはとても大事に思っていて、何かと鈴のことを気にかけているという良兄。
しっかり者の鈴には頭が上がらず、家ではちょっとだらしないところも。
(こんなことを遠慮なく言い合えるのは鈴だけだ。鈴も気兼ねなく接してくれるから、俺も鈴の前でだけはちょっとだらしないところを見せられる)
「……俺は、鈴のことを……もちろん、妹としても好きだけど……それ以上に、女の子として、大好きだ」
「……きっと、許してくれない人はたくさんいるだろうな。父さんや母さんにだって、話せない。でも、鈴ひとりじゃない。俺も一緒だ。苦しいことも辛いことも、一緒に背負っていく」
シナリオ
物語は電脳研究部の賑やかな活動から始まります。
これといった説明のないまま、いきなり主人公やヒロインが喋りだすので最初は戸惑いましたが、話が進むと登場人物についてや、主人公が電脳研究部に入部した経緯などが、説明されます。
夏休みの序盤に兄妹の朝食シーンがあるのですが、ここのシーンはしっかり者の妹とちょっとだらしない兄の遠慮のないやり取りという描写が非常に良くて、引き込まれました。
部活動を通じて女の子と仲良くなっていくうちに、主人公は顧問である梅宮先生が開発中のND(ネットダイブの略)型恋愛ゲーム『リアルリンクプロジェクト』のモニターテストへの協力を頼まれます。
ND型恋愛ゲームというのは、電脳世界で自分のアバターを作って、ゲーム内のアバターとの恋愛をシミュレーションするというもの。
『リアルリンクプロジェクト』とはそのゲームを通じて、リアルの男女が交際することを目的としたゲームです。
そのゲーム内のアバターは電脳部員のヒロインたちを模したもので、正体は主人公にもプレイヤーにも最初からわかっています。
ちなみにゲーム内のアバターはAIという風にヒロインたちには説明していますが、実際は主人公やヒロインたちが操作しています。
この事は主人公や梅宮先生とその弟の椎菜だけが知っていて、ヒロインたちは自分以外のアバターをAIだと思っているので、普段は見せない本音を見せてくれるというのが、この作品の面白いところ。
主人公は、自分だけが知っているのは相手を騙しているみたいだと罪悪感を持ちますが、先生にテストに必要なことだと説得されて協力することに。
あくまでテストなので、最初はグループ交際という形で、ヒロインのアバターたちと電脳世界で一緒に過ごしていくのですが、その最中リアルの方で部活の活動資金が足りないという問題が発生。
それを解決するためには、生徒会に対して部活動の実績を作って示す必要があるということで、電脳研究部のみんなで町内の夏祭りのPRをすることに。
夏祭りが終わった後は、テストの続きで、アバターのみんなと電脳世界のプールに行ったり、電脳研究部のみんなで海に遊びに行ったりするところで共通ルートは終了。
共通ルートは大体3、4時間ぐらい、この後の個別ルートは3時間ぐらいの長さでした。
(ここからネタバレあります。未プレイの方はお気をつけ下さい)
鈴ルートに入ると、今までのようなグループ交際ではなく、鈴のアバターであるリン1人にターゲットを絞って、テストを行うことになります。
リアルや電脳世界で接していくうちに、だんだんと相手を意識していく兄妹。
ここの描写は非常に丁寧で尺もかなり長めに使っており、兄妹の微妙な距離感や過去の思い出、妹視点などを使って、効果的に表現されています。
着替え中にうっかり妹の部屋に入ってしまうという定番イベントに加え、妹に肩車(in電脳世界)やおんぶという萌えるシチュも押さえてますし、プレイしていて、非常にもどかしいようなドキドキする展開が続き、兄妹が両想いになるまでの過程がじっくりと味わえます。
両想いになった後も、すんなり行くわけではなく、いくつか障害があるのですが、兄がヘタレることもなく、ちゃんと妹のことを考えて行動してくれるので、ストレスは感じなかったです。
この過程も兄妹の過去や思い出、鈴が持っているスズなど伏線を巧みに活用していて良かったです。
特に、幼い鈴が兄のためにしっかり者になっていく過程は切なくて、感動しました。
鈴と結ばれた後もすぐ終わったりせずに、デートやイチャラブがちゃんと用意されているのも嬉しい。
エピローグも、ちょっと切ない感じはありますが、二人の明るい未来をちゃんと感じさせるものでした。
(ネタバレここまで)
他ルートの鈴
どのルートでも、鈴は兄が他の女の子と仲良くなるのをサポートしてくれますし、恋人になっても、ちゃんと祝福してくれます。
特に綺新先輩のルートで、落ち込む主人公の嘘を見抜き、励ます鈴は良かったです。
このシーンは兄妹の絆を感じましたね。
攻略する順番ですが、僕は最後に鈴にしましたが、これで正解だったと思っています。
先に鈴ルートで鈴の隠された気持ちを知ってしまうと、他のヒロインを攻略した時に、どうしても鈴のことが気になって集中出来なかったでしょうから。
ちなみに他のヒロインのシナリオも、おまけである梅宮先生以外はどれも面白かったので、普段は妹しか攻略しないという人も、出来れば他のヒロインのシナリオも読むのをお勧めします。
親バレ、周りバレ
ネタバレなので隠します。構わない人は反転して読んでください。
梅宮姉弟は二人の関係に気づいていますが、二人の気持ちを考えて気づいていないフリをしてくれます。それ以外の人たちに二人の関係がバレることありません。
禁忌、背徳描写
かなりあります。
二人とも兄妹で恋人になることに罪悪感を持っていますし、二人の関係も周りに秘密にしようとします。
誰かに二人の関係を非難されたりするような鬱展開こそないですが、二人の関係についてお互い真剣に考えていて読み応えありました。
特典について
今回はソフマップで購入しました。
当時、ちゃんと特典付きで買った自分の慧眼を褒めたい。
オフィシャルアートブック
キャラの設定集や初期案、未使用デザイン、特典や雑誌やイベントやスタッフブログなどに描き下ろされたイラストなどが掲載されています。
設定集は主人公である兄のもあるんですが、身長180cmというのにびっくりしました。
本編に背が高いという描写なんてあったかな? 顔出しもされてますが、なかなかのイケメンです。
ナツイロココロログオリジナルサウンドトラック
初回版特典のサントラです。
なにげに、この作品音楽も良いんですよね。
シンセを多用したフレーズが世界観に合っていて、聴いてて心地よいです。ゲームのミュージックモードで作曲者がわざわざ全曲にコメントを入れていることからも、力の入れようが伺えます。
ちなみに収録されている主題歌やエンディングテーマは残念ながらshortバージョンです。
電脳研究部ドキドキハーレムドラマCD
ソフマップ特典の録り下ろしドラマCDです。
トラックは1つで長さは34分16秒。
内容は梅宮先生が作成したND型恋愛ゲームの新型のAI開発ツールの実験に、電脳研究部のヒロインが協力するというもの。
ツールの力でHな本音を解放された主人公とヒロインが、主人公を模したAIアバター(実際は本人が操作している)やヒロイン同士でHなことを始めるという内容です。
電脳世界の出来事とはいえ、綺新先輩と鈴のキスシーンがあるのが、ちょっと気になりました(そういうのいらないです)。
個人的にハーレムは嫌いですし、ヒロインが痴女っぽくなるので微妙でした。
唐突に百合要素入れられても「お、おう……」としか言いようがないです。
まとめ
ここ数年にプレイした中では、一番の出来です。
妹の可愛さ、兄の良兄ぶり、兄妹描写、兄妹の思い出、背徳感、結ばれてからのイチャラブとどれを取っても自分の好みにドンピシャ。
これを超える作品に出会うのは、しばらく難しいんじゃないか……と思うぐらいです。
最近プレイした作品は背徳感が薄いものが多くて、そこがちょっと物足りなかったのですが、この作品はそんな僕の心の隙間をピタッと埋めてくれました。
プレイ前は設定的に『こころナビ』のパクリかとちょっと斜に構えていた部分もあったのですが、今はそんなことを考えていた自分をぶん殴りたい。
もっと早くこの作品をプレイするべきだったと後悔しています。
非常に丁寧で読み応えのある兄妹の物語
お気に入り度(10点満点) 殿堂入り
おまけ
jitsumai.hatenablog.com
プレイした際のTwitterでの呟きを別記事にまとめました。
良かったら参考にしてみてください。