作品情報
- 作者: よしむらなつき
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2011/09/27
- メディア: コミック
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
- 作者: よしむらなつき
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2013/04/27
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (2件) を見る
全2巻。
ロボット? な兄とその妹が巻き起こす、ちょっとHなドタバタラブコメディ4コマ漫画。
変に期待させてもいけないので最初に書いておきますが、この作品地雷です。
その事を念頭に置いて、ゆめゆめ忘れないように、お気をつけください。
妹について
名前は佐々木 ゆゆ子(ささき ゆゆこ)。
高校1年生の16歳。
一人称は「私」
兄呼称は「お兄ちゃん」「おにいちゃん」「お兄たん」
元気で明るい性格。
黒髪ロングの美少女で胸も大きめ。
当然男子にもモテるが、シスコンの兄の妨害のせいで、彼氏が出来ないのが悩みの種。
ロボット?な兄をおかしいと思っており、冷たく当たる事もあるが、素直になれないだけで、実際はかなりのブラコン。
料理の腕は壊滅的で、ゆゆ子の料理を食べるとなぜか爆発する。
心霊現象が苦手だったり、音痴だったりと何気に欠点が多い。
「兄がロボットなら、妹は実妹じゃないのでは?」と思うかもしれませんが、これについては後述。
わずか2巻の物語ですが、ゆゆ子の衣装のバリエーションがなにげに凄い。
浴衣、ネコ耳、水着、バニースーツ、学ランにサラシ、メイド服、振袖、巫女服、ツインテール姿、ウェイトレス姿、魔女っ子姿、鬼娘と、これでもかと可愛い姿を詰め込んでます。
兄について
名前は佐々木 一悟(ささき いちご)。
高校3年生の18歳?(作中でハッキリとは書かれてないので、推測)
外見はロボっぽく、言葉も「ギー」とか「ギギギ」だが、なぜか妹を含め、他の人にはこれで通じる。
頭が取れたり、目からビームを放つなど奇行が多いが、妹以外の人間からはちょっと変わってる人ぐらいに思われてる程度で、周りに普通に馴染んでいる。
家族構成は両親と妹の4人家族。
両親とは普通に同居している。
超シスコンで、妹に近づく男は目からビームを発射したりして、容赦なく撃退する。
妹の事は大好きだが、恋愛感情ではなく、兄としての独占欲に近い。
妹に迫られたりすると動揺するヘタレな一面も。
鏡見姉弟について
この漫画には主人公兄妹以外に、鏡姉弟というのが登場し、姉のネネは一悟に、弟の晶はゆゆ子に恋心を抱いていて、事あるごとに二人にアタックしてきます。
基本的に兄妹には相手にされてないし、アタックはほとんどギャグ調で結局酷い目に遭うことが多いのですが、この姉弟は準レギュラーで出番がかなり多いうえに、2巻の後半辺りになってくると、兄妹の方も満更でもないという態度を取り始めるので、兄妹モノとして楽しみたい僕にとってはかなり邪魔な存在に感じました。
ちなみにこの姉弟の関係に恋愛要素は微塵もなく、姉(ドS)におもちゃにされる弟(ドM)という感じの関係ですので、そっち方面に期待してはいけません。
感想
特に印象に残った回を紹介していきます。
ACT.14
バレンタイン回にして、この作品一番の神回。
ネネが作った惚れられ薬チョコを食べてしまった一悟。
その姿を見たゆゆ子が兄を大好きなブラコンになってしまい、お兄ちゃんにベタベタしまくるという素晴らしい回です。
す、素晴らしい!
薬の力で兄を好きになるなんて邪道? いやいや、大丈夫。無問題。
実はネネが作った惚れられ薬は失敗作で、ゆゆ子はプラシーボ効果で、兄に対して素直になっていただけというオチなので。
ACT.37
雪山で遭難した兄妹が裸で身体を温め合うという話。
これは出オチで、モノローグもこの時点では誰のものかわからないので、「まさか相手は晶とかいうオチじゃないだろうな?」と疑心暗鬼になりながら読み進めていたのですが、ちゃんと相手は兄だったので安心。
ACT.39
妹の可愛さを皆に知らしめるため、兄が勝手にゆゆ子をアイドルオーディションに推薦応募し、ゆゆ子がアイドルになってしまうというお話。
結局、ゆゆ子の音痴が理由でアイドルを辞めることになるのですが、
「私はお兄ちゃんの1番でいれたらそれでいいの…」
あのツンツンだったゆゆ子がサラッとこんな台詞を言うとは……感涙。
ACT.40
最終回です。
兄の正体に改めて疑問を持ち、必死で探ろうとするゆゆ子。
しかし、ネネに「一悟さまが例えロボットでもただの人間でも、ゆゆ子さんの兄で家族で大切な人なことは何も変わりありませんわよね☆」と諭され、兄の正体を探ることは諦めます。
そして、昔の事を思い出すゆゆ子。
天使がゆゆ子の兄への幼い恋心を封印するために奥の手を使い、兄の姿がロボットに見えるようにしてしまったという事実が明かされます。
1話の開始時点で、ゆゆ子には4歳の頃から兄はロボットに見えてたみたいなので、この設定は明らかに矛盾してるんですが……。
他にも兄の背中のコンセントプラグの存在、胸の自爆ボタン(ゆゆ子ではなく晶が認識している)の説明もつかない。まぁ、ギャグ漫画の設定に細かくツッコむのも無粋ですが……。
あと、兄のことが好きなゆゆ子を変な子呼ばわりする天使の存在は色んな意味で許せん。
……とまぁ、色々言いたいことはありますが、とりあえず置いといて、問題はこの後。
兄がネネと付き合ってるっぽかったり(よりによって恋人つなぎ……)、
こ、こんな余計な描写いらねぇ……。
2巻の途中辺りから、兄妹の鏡見姉弟に対する態度が、満更でもないという感じになってきて、嫌な予感はしていましたが、まさかこう来るとは……。
上の画像はACT.39のものですが、兄が人間に見えないということは、まだゆゆ子が兄を(恋愛的な意味で)好きということになります。
しかし、最終回で兄が人間に見えるようになったということは、つまりゆゆ子の兄への恋心が消えたということになりますよね?このオチだと、僕にはどうやってもそういう風にしか解釈出来ないのですが、ややこしいのが、最後に兄がロボットになっているところ。
兄が本当にロボットだった場合、ゆゆ子が実妹という事実が揺らぐんですよね。
この辺、明らかにぼかしてあって、確証が持てません。
まとめ
最初に書きましたが、地雷です。
結局最後は、兄も妹も他の人と良い仲になります。
兄も妹も最初はお互いブラコン、シスコンで、散々期待を持たせておいて、最後にまっ逆さまに叩き落とすこのオチは酷い……。
まるで某作品みたいですね。(特大級の地雷なので、間違っても手を出さないように)
他にも、冒頭で妹が他の男子と付き合ってキスまでしそうな関係になっていたり、妹の下着姿や裸などを晶やモブの男子に見られたり、ネネにゆゆ子がキスされたり、(不可抗力とはいえ)兄がネネを押し倒したり、ネネの頬にキスするシーンもあったりと微妙にイラッとさせられるシーンが多いです。
妹の実義も曖昧ですし、どうにもすっきりしない、読後感の非常に悪い作品です。
兄妹描写は良いし、子供の頃の思い出描写もちゃんとあるし、妹は本当に可愛いんですけどねぇ……もったいない。