『妹アンソロジーコミック』の感想

作品情報

妹アンソロジーコミック (IDコミックス REXコミックス)

妹アンソロジーコミック (IDコミックス REXコミックス)


タイトル通り妹メインの、一般向けアンソロジーコミック。
全9作品中実妹モノが5作義妹モノが1作、姉妹モノが3作。
全162Pで価格は680円。

作品一覧

作品名 作者名 ページ数
『ナースシスター』 米田和佐 24P
『お兄ちゃんは心配性』 あなぽん 12P
『Twin Sisters』(義妹) 真西まり 24P
『ちかっchu』 水鳥なや 12P
『ヒヨノすてっぷ★』(姉妹) 葉月翼 16P
『和菓子屋さんの日常』その1(姉妹) 日向ハヤト 14P
『和菓子屋さんの日常』その2(姉妹) 日向ハヤト 12P
『待ち人と来たる』 里牧マコト 20P
『風邪引いてLOVE』 ゆーじ 16P

感想(実妹モノのみ)

『ナースシスター』 米田和佐 24P (特にお気に入り)


身体の弱い妹が、風邪を引いた兄のために一生懸命頑張る話。
妹視点です。

丁寧語、うーたんというぬいぐるみを持ち歩き話しかける、頑張り屋でお兄ちゃん大好きと、この妹は文句無しに可愛いです。
兄の方も妹が小さい頃から面倒を見ていて、妹がいなくなった時には風邪を押して探しに行くなど良兄。お話の方は起承転結がしっかりしていて読みやすく、絵も綺麗と全く欠点がない。
この本で一番上手くまとまっている作品だと思います。

『お兄ちゃんは心配性』 あなぽん 12P


ファミレスでバイトを始めた妹を心配した兄が、変装して妹のバイト先をこっそり見に行く話。
兄視点です。

うーん、お客に絡まれた妹を兄が助けて感謝されるという、あまりによくある話しすぎて特に書くことがないです。

『ちかっchu』 水鳥なや 12P  (お気に入り)


家にクラスメイトの女の子を連れてきたお兄ちゃんに妹がヤキモチを妬きまくる話。
妹視点です。

ヤキモチ妬きで独占欲が強く、お兄ちゃん大好きな妹が可愛い。
ただ、それ以外は特に見るべきところがないです。

『待ち人と来たる』 里牧マコト 20P (特にお気に入り)


ニートな兄を持った妹の話。
妹視点です。

兄をアンタとか腐れニートとか呼んで馬鹿にしてるくせに、内心は寂しがり屋でツンデレ風味という妹が可愛いです。
飄々として妹をからかう兄と素直じゃない妹の兄妹らしいやり取りと、兄が自分から離れていくかもしれないという不安を持つ妹の心理描写が絶妙。
話の方も母子家庭という設定や子供の頃の思い出などを上手く使っています。
僕はこの話が一番好きですね。

『風邪引いてLOVE』 ゆーじ 16P (お気に入り)


風邪を引いた兄を妹が看病する話。
兄視点です。

『ナースシスター』と色々被ってますが、中身はあちらと全然違ってギャグメイン。
体調を崩した兄の救難信号をアホ髪でキャッチしたり、口移しで兄に水を飲ませようとしたり、スク水やナース服に着替えて兄を看病しようとしたり、料理を作ろうとする時は裸エプロンに着替えようとしたり、おでこをくっつけるだけで兄の熱を正確に測ったり、裸で兄を温めようとしたりするいろいろおかしい妹と、それに振り回されつつツッコミを入れる兄のやり取りが面白いです。

まとめ

神がかった出来であるリキュールに比べれば、さすがにいくらかレベルが落ちますが、十分に良質な妹アンソロジーコミックだと思います。特に『ナースシスター』と『待ち人と来たる』は良作。

気をつける点としては、シリアスな話が一つもなく萌え系の話が中心なので、禁忌や背徳感を求める人には向かないことですね。兄妹の関係も恋愛というほどガチではなく、兄妹愛以上恋愛未満のものばかりです。このあたりは好みが別れるかもしれません。