上川 紗矢 『桜ひとひら恋もよう』(生き別れ系・ツンデレ、ヤキモチ妬き、甘えん坊)

作品情報

タイトル:桜ひとひら恋もよう
ブランド:Parasol 作品ページ
ジャンル:君が恋する彼女を守り、学園の危機を救うADV
発売日:2017年9月29日
販売価格:8,800円(税別)

あらすじ

公式サイトの物語参照。

システム

画面サイズは1280*720のワイド画面。

システムは必要なものは一通りそろっていて、かなり細かく設定できます。
ショートカット機能も豊富で、サウンド設定では専用ボイスまで用意されてると至れりつくせり。
システムボイスの初期設定が妹なのは、地味にポイント高いです。

アップデータ 1.01が公開されています。
立ち絵が全て裸になる機能に加え、不具合も修正されているようなので、プレイ前に当てておきましょう。

追記
アップデータ1.03でエクストラシナリオや「あーん」のSDCGが追加されています。
それ以前のバージョンでクリアした人は再プレイ必須。

シナリオの尺は、共通ルートが2、3時間で、個別ルートも2、3時間といったところ。
あまりボリュームはないですが、短すぎるというほどではなくちょうど良い感じでした。

紗矢のCGは18枚で、その内HCGは8枚、SD絵が1枚です。
クレープを食べる紗矢のCG、紗矢を後ろから抱きしめる兄のCGがお気に入り。

Hシーン回想は6つで、その内1つはクリア後に開放されるエクストラシナリオのものです。

妹について

名前 年齢
上川 紗矢(かみかわ さや) 兄と同い年、高○2年生
一人称 兄呼称
お兄ちゃん、おにいちゃん(幼少時)、春太、仁科くん
身長 体重 スリーサイズ
160cm 不明 86(Dカップ)/55/84
CV 原画 シナリオ
花園メイ 桜はんぺん 夏森公彦、田中タクヤ
備考
8月15日生まれ(しし座)、A型

主人公の生き別れの妹。
北条学園の2年生で生徒会長。

父親は北条学園の理事長をしている。
母親もいるが、紗矢とは折り合いが悪いらしい。

中学生の頃に、主人公である兄と塾で知り合い、付き合ってキスまでする関係になるが、実は主人公が腹違いの兄であることが判明し、父親によって強制的に別れさせられることに。それ以来、一度も兄と会うことはなかったが、学園の吸収合併の件を機に再会する。

性格は生徒会長だけあって真面目。
他の女の子たちとは初対面から仲良くなるが、兄に対してだけはツンツンと冷たい態度を取る。

……が、それは照れ隠しで本心は兄に好意を持っているのは言動からバレバレ。
紗矢視点では兄にデレデレです。
ものすごくわかりやすいツンデレぶりに苦笑してしまいます。

紗矢の実義に関しては、血の繋がった妹という描写が何度もあるので実妹で問題無いです。疑う余地はまったくありません。

「私とあなたは、血の繋がった兄妹なのよ。それを――重ねて、心に刻んで」


「ううん。これくらい、なんてことないわ。私、お兄ちゃんのためだったら、なんだってできるもの」


「……こら。お兄ちゃん。私というものがありながら、何をデレデレしてるのよーーーっ!!」

兄について

主人公。
私立桑都(そうと)学園2年生。

父親は紗矢と同じで、北条学園の理事長である上川 道徳(みちのり)。
立ち絵と台詞もありますが、冷酷な性格で嫌な奴です。
父親の愛人である母親は小学生の頃に病気で亡くなったため、その後は身寄りのなかった母親の代わりに隣人の髙澤家で面倒を見てもらうことに。
現在は家で一人暮らしをしながら高校に通い、『あまのじゃく』という洋食店でバイトをしている。

性格は普通のエロゲ主人公で特筆するべきようなことは無し。

妹である紗矢のことは、妹と判明し強引に別れさせられた今でも好きで、何とか元の関係に戻りたいと思っている。

CGで容姿も見られますが、かなりのイケメン。
ただ、子供の頃は似てますが、大人になってからは紗矢とはそこまで似てないですね。髪の色も瞳の色も違いますし。

「兄妹だからといって、俺たちが愛し合えないなんて……そんな道理はないよ。紗矢」


「……うん。俺の妹は、世界一かわいい」


「なんかその、兄は妹にエッチで勝てないとかいう素敵な運命は、この俺が打ち破ってやるぜ!」

シナリオ

紗矢ルートに入ってしばらくすると父親の件に一段落が着き、兄は紗矢に対し、今まで離れていた分を取り戻して、きちんと兄妹になろうと提案します。紗矢はその提案を素直に受け入れ、兄のことをお兄ちゃんと呼び、兄妹として一緒に暮らすことに。プリンを紗矢にあーんして食べさせたり、同じベッドで寝たり、おやすみやいってらっしゃいのキスをしたりと、ちょっと仲の良すぎる兄妹として過ごす二人。

(ここからネタバレあります。未プレイの方はお気をつけ下さい)





しかし、そんな生活をしていた二人の元に父親が突然現れ、紗矢を拉致してしまいます。
紗矢を取り戻しにいった兄は、父親から衝撃の事実を聞かされます。

実は兄妹の父親である道徳と母親である紫子は腹違いの兄妹であり、お互いそれを知らず愛し合い、双子である兄と紗矢が産まれたこと。母である紫子は、知らなかったとは言え、兄妹で愛し合ってしまったことを悔い、道徳の元を離れていったこと。

紗矢はそのことを以前から知っており、濃すぎる血のことを気にして兄とはあくまで兄妹の関係までと決めていたのですが、兄はその事実を知っても、そんなものは紗矢を愛する障害にならないと断言し、紗矢を抱きしめます。

今まで、あまり格好良いところの無かった兄ですが、このシーンはバッチリ決めてくれるので、なかなか感動しました。

このシーンまでは紗矢が兄のことを、お兄ちゃんではなく春太と呼び捨てにすることが多かったので、兄妹なのに何だかなぁと思っていたのですが、このシーン以後は素直にお兄ちゃんと呼び始めるのも嬉しい。

その後は、ひたすら紗矢とのHとイチャイチャが続きます。
その合間にシナリオっぽいものが挟まれますが、そちらはおまけのようなものです。
兄妹の名前の意味が判明するシーンだけは、ちょっと良かったですが。

エピローグは妹モノによくあるタイプの平凡なもの。
もうちょっとひねってほしかったですね。






(ネタバレここまで)

他ルートの紗矢

どのルートでもあっさり他のヒロインとの仲を認めて、身を引きます。
紗矢の兄への気持ちはその程度なのか……みたいな感じで物足りないですね。
特にこれといった見どころもないので、紗矢目当てなら特にプレイする必要はないです。

親バレ、周りバレ

ネタバレなので隠します。構わない人は反転して読んでください。
父親である道徳は、二人の関係を知って当然反対し、兄妹で愛し合うのは茨の道で上手く行くはずがないと断言しますが、それに対し兄は毅然と反論します。姉の若菜は二人の関係を知ってるはずですが、特に何も言わないです。ヒロインたちを含め周りの人には最後まで仲の良い兄妹と思われたままなので、周りバレはありません。

禁忌、背徳描写

兄妹で結ばれることに対して一応葛藤らしきものはありますが、大したことないです。
ただ、Hシーンでやたら血の濃さや兄妹であることを強調するのは、背徳感ありました。

まとめ

予想以上に良かったです。
シナリオはご都合主義な展開が多く、細かい点をツッコむとキリがないのですが、生き別れの兄妹という設定は上手く使っていますし、中盤から後半にかけての兄妹のイチャラブ度もなかなか。

生き別れの妹だから妹らしさは薄いんじゃないか? という懸念も杞憂だったようで、素直にお兄ちゃんと呼ぶようになった紗矢は、ちゃんと妹らしくて可愛かったですし、そんな紗矢にメロメロになる兄のシスコンぶりも良かったです。

ただ、さすがに甘すぎるのと、似たような展開が多いので、一気に読むとちょっとくどいかも。

背徳感はあまり無いが、兄妹のイチャラブが好きな人にはお勧め
お気に入り度(10点満点) 9

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