pixivのサービス共通利用規約改定(近親相姦の表現規制)について

www.pixiv.net
2022年11月15日にpixivがこのようなお知らせを発表しました。

■サービス上でコンテンツや商品の取引をされている皆さまへのお願い


現在、BOOTH、pixivFANBOX、pixivリクエスト機能では多くの取引が行われております。
その中に、弊社が定めるサービス利用規約第14条禁止行為の26項「本サービスを利用して以下の商品の出品・販売・購入・登録等の取引を行う行為」に違反した取引が確認されております。


また、国際カードブランド等の規約でも、下記を含むコンテンツや商品の取引が禁止されております。


児童ポルノまたは児童虐待
近親相姦
・獣姦
・レイプ (同意の無い性的行為)
・人または体の非合法的な切断 
など公序良俗に反する行為


ユーザーの皆さまには、 BOOTH、pixivFANBOX、pixivリクエスト機能にてサービス利用規約及び上記を含む商品の取り扱いがないか、改めてご確認いただき、取り下げ、非公開の対応をお願いいたします。

www.itmedia.co.jp
togetter.com
togetter.com
この発表により、「pixivが近親相姦を含む表現を規制するのではないか?」という憶測が広がり、近親相姦がTwitterでトレンド入りするなど、一時ネットは大騒ぎになりました。

www.fanbox.cc
その後、2022年11月30日に予定通り改定内容が発表され、「禁止商品」「要修正商品」についての説明が追加されました。

禁止商品とは、利用規約第14条第26項第4号において禁止されている商品です。


特に、実写による以下の表現内容を含む公序良俗に反する商品。
また、写実性が高いなど実在性の高い表現方法により実際に被害者がいるという懸念を完全に払拭できない、以下の表現内容を含む公序良俗に反する商品を指します。


※現時点での例であり、今後変更の可能性があります
※この表現を含まなくとも禁止商品となる場合があります


禁止商品は、以下の両方の条件を満たすものになります。


1.表現方法の具体例
・実写
・実写に近いと判断される写実的な表現
・実際に被害者がいるという懸念を完全に払拭できない表現
2.表現内容の具体例
・児童(*1)に対する性的搾取及び性的虐待
・近親相姦
・獣姦
・レイプ(同意のない性的行為)
・人または体の非合法的な切断
・その他当社が不適切であると判断する表現

要修正商品とは、利用規約第14条第26項第4号に該当するおそれがあると当社が判断した商品です。


特に、実写あるいは写実性が高いなどの実在性の高い表現方法ではないが、表現内容と、付随するデータ(タイトル・タグ・投稿本文・その他、商品に関連する文章)から、修正が必要であると判断した商品を指します。


※現時点での例であり、今後変更の可能性があります


要修正商品は付随するデータと表現内容により総合的に判断されます。


1.付随するデータの具体例
・タイトル
・タグ
・投稿本文
2.その他、商品に関連する文章
・表現内容の具体例
・児童(*1)に対する性的搾取及び性的虐待
・近親相姦
・獣姦
・レイプ(同意のない性的行為)
・人または体の非合法的な切断
・その他当社が不適切であると判断する表現

近親相姦表現について簡単にまとめると、「実写や実写に近い表現など、リアルの近親相姦を想起させるような内容はダメです」という感じですね。
要修正商品の方は、実写以外のも規制できるように解釈を広く取ってあるので注意は必要ですが、実写ではない近親相姦表現のある兄妹モノの漫画や小説なら、BOOTH、pixivFANBOX、pixivリクエスト機能を普通に利用する分には問題なさそうです。
思ったよりは軽い規制ですね。

jitsumai.hatenablog.com
まぁ、日本では別に現実の近親相姦行為は違法ではないので、こういう規制があること自体がおかしいし、海外のカードブランドの影響で、日本の表現の自由が規制されるのは問題だと思うのですが、とりあえずこの程度なら影響力は少なさそうです。

※現時点での例であり、今後変更の可能性があります

ただし、社会・環境の変化によって当社の判断で任意に変更されます。継続的にこれを保証するものではありませんのであらかじめご了承ください。

などと書いてあるので、まだまだ油断は出来ませんが……。

jitsumai.hatenablog.com
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jitsumai.hatenablog.com
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とりあえずうちのブログの記事で紹介したような作品は、どれも大丈夫だと思います。
まぁ、どの作品もせいぜい兄妹のキス止まりで、そもそも近親相姦表現のある作品はほとんどありませんが(シスブラの後日譚ぐらい?)。

一応補足しておくと、pixivへの近親相姦作品の投稿自体は、元々規制されていません。あくまでBOOTH、pixivFANBOX、pixivリクエスト機能を利用する場合の話です。この改定は2022年12月15日以降に実施されます。

あとがき

今回はこの程度の表現規制で済みましたが、規制が思ったより軽くなったのは「最初は普通に規制する予定だったが、ネットで多くのユーザーが規制について反対や疑問の声を上げて騒ぎになったので、pixiv側がユーザー離れを恐れて妥協したのではないか?」と僕は思ってるんですよね。

しかし、取り締まりによりクリエイターの皆様が表現に対し過度に萎縮されることは、自由な創作を保護しその内容を尊重することを重要なポリシーとしているピクシブとして、本意ではございません。

お知らせでわざわざこういう説明をしていますし。

おそらく今後も他の媒体で似たような表現規制が出てくるとは思いますが、ちゃんと声を挙げて反対することはとても大事ですね。
多くの反対の声が集まれば、表現規制もやりづらくなるでしょうし、今回のことで多くの人が近親相姦の表現規制に反対していることがわかったのは心強く、ある意味収穫でした。